皆さんは「機動戦士Vガンダム」を知っているだろうか。
数年前、TVで放送された、富野ガンダムである。
解りづらく、地味な内容だったため、それほど記憶に残っていないかもしれない。
実際、自分もそうだ。
さて、一応、ロボットアニメという、「子供向け」な側面を持つ本作品は、
少年誌に漫画が連載されていた。
その雑誌の名はコミックボンボン。
今まで、いくつかのボンボン系「原作付き漫画」を読んできたが、
大抵の場合、それはこちらの予想を遙かに上回る素晴らしい作品に仕上がっていた。
今回もその例にもれず、見事なアレンジメントが加えられている。
あまりに素晴らしかったため、そのストーリーを皆さんに紹介したいと思う。
第7章 「白い流星!!」
(残念ながら、入手したのが2巻だったため、中盤からラストまでのダイジェストになります)
クロノクル・アシャー(やたら濃い顔)の元に呼ばれた、3人のパイロット。
セナ、プロスト、シューマッハ。
「サンダーインパルス見参!!」
いきなり馬鹿丸出しである。しかも、セナだけ、何故かリアルタッチだ。
当時「F1」が疫病のごとく流行っていたことを伺い知れる、時事ネタである。
「MS戦で勝敗を決するのは、結局のところスピードである」
のクロノクルの持論に基づき、MSレーサーだった彼らが、
超速マシン「リグ・シャッコー」をかり、戦場を駆ける。
ところ変わってリーンフォース。
ゴメス艦長とオリファー。
「・・例のモノが完成していればいいのだがな・・・」
「アレさえあれば、我々は確実にパワーアップする」
と、某エヴァンゲリオンばりに意味深な会話を交わす二人。
MS整備デッキ。
V(ヴィクトリー)の不調を訴えるウッソ。
しかし、何処もおかしいところは無いと言うロメロじいさん。
「いざって時にVガンダムの対応が若干遅れるんだよなあ。俺の気のせいかなあ」
ウッソ君の一人称が「俺」である。
顔も、どこか覇気漂うというか、少年漫画の主人公的なアレンジが加えられている。
(具体的には、後ろ髪が跳ねている)
敵襲の知らせを受け、Vで出撃するウッソ。
敵は先程のサンダーインパルス部隊。
3機のリグシャッコーの素早い動きに翻弄されるウッソ。
敵を追って激しく動くVに、異変が生じた。
突然、ライフルを構える右腕が折れたのだ。
「故障か!」
「いや、故障などではない、Vガンダムがウッソの動きについていけなくなっとるんじゃ!」
作者はファーストガンダム世代と見たが、いかに。
月面のリガミリティア・秘密基地。
謎のMS(シルエット)を整備するクルー。
「どう、出せる?」
「後五分ほどで出せます!」
サンダーインパルス隊の激しい攻撃に、左足をも失うV。
このままでは!と、隕石群の中に逃げ込むウッソ。
もしや、と思って確認してみたが、やはり、
このシーンでは先程破壊されたはずの左足が、デカデカと描き込まれていた。
この大らかさが少年漫画の醍醐味だ。
必死のウッソだったが、隕石群をもものともせずに、どんどん距離を縮めるTI隊。
集中砲火を浴び、絶体絶命の、その時。
背後から迫るV字の光。
一機のリグシャッコーが塵となる。
「フ・・フロストがやられた!?」
ショックを受けるセナ。
だが、こいつの名前は「プロスト」だった筈だ。
謎のMSは半壊状態のVのコクピットを回収して、隕石群の奥へ。
そこで、謎のパイロットから、このMSに乗れ、と指示されるウッソ。
「こ・・この機体は・・・まさか!?」
隕石群から飛び出した影。
「な・・」
「こいつは・・・・」
「機動戦士!V2ガンダム!!」
出た、掟破りの「機動戦士」!
ファーストの頃から、誰もが触れようとしなかった、微妙に場違いな「機動戦士」を!
しかも自称で!
さらには見開きで、オマケに背景には稲光の演出付きである。
訂正しよう、作者はファーストG世代などでは、断じて無い。
「V2ガンダムだと?ふざけるなっ」
とライフルを撃つTI隊。。
だが、V2はケタ違いのスピードでそれをかわす。
しかも、F−91ばりに残像まで残す。
「うけてみろ!真・V字斬!!」
ご期待通りに、出た、オリジナル必殺技!
その名もV字斬!しかも真!
さらに、この技の凄いところは、全然V字に斬っていない点である。
見たところ、タダの袈裟斬りだ。
一体全体、どういうつもりで付けた名前だろうか。
余談だが、初めてVガンダムのタイトルを聞いたとき、友人と
「Vの字切りやったりしてな」
「まさか、ハハハハ」
等といったバカ会話を交わしていたことを思い出す。
「くらえ!!、ザンスカール!!」
と、イキなセリフを吐き、ビームライフルで隕石ごとセナを打ち抜くウッソ。
(けど、敵軍の名前が”ザンスカール”だということを知らない人が見たら、必殺技の名前だと思うだろうな。)
「やったーっ、すごいぜ!!V2!!」
V2の性能にはしゃぐウッソ。
「サンダーインパルスがやられるなんて・・恐るべしV2ガンダム!」
と、クロノクル。
そりゃレーサーじゃ勝てんわな、と思うがどうか。
「まにあって良かったわ、ウッソ」
V2を届けてくれた謎のパイロットがメットを脱ぐ。
「おかあさん!」
ここに、涙の再会を果たす二人。
「どうして俺を置いて行っちゃったんだよーっ!?」
「ごめんね、私にはV2の開発があったし、お前を戦争に巻き込みたくなかったのよ」
「もうまきこまれてるよ!」
「クスッ、そうね」
と、ほのぼのとエンド。
第8章「陸上戦艦を撃沈せよ」
部隊は地球、北アメリカ。
クロノクル率いるモトラッド艦隊
(車輪付き戦艦。ページによっては「モトシンド艦隊」との表記あり)
が、市街地を破壊して回る。
モトラッド艦隊を追走するリーンフォースJr。
ザンスカールへの怒りを燃やすウッソ達。
モトラッド艦隊は、連邦の補給基地に向かう。
連邦の部隊が迎撃に出るも、成す術なくやられる。
モトラッド艦隊はそれ程に強力だった。
そこで、ウッソの母、ミューラ・ミゲルが、円盤型地雷・フリスビーを使う作戦を提言する。
自ら作戦の遂行に向かう、ミューラ。
心配そうに見送るウッソ。
フリスビーの設置作業中に、ザンスカールのMS・ゲドラフに発見され、
その手に捕えられるミューラ。
すぐさま、ガンダム部隊が救出に現れる。
ウッソのV2の、電光石火の一撃で、コックピットを貫かれ、ゲドラフが沈む。
「さあ、かあさん・・」
と手を差し伸べるV2。
その時。バランスを崩したゲドラフが倒れ、不運にも自ら設置したフリスビーを踏みつけ、
爆死するミューラー。
「そんな・・・」オデロ。
「フ・・フリスビーに・・・」ゴメス艦長。
「ウッソ・・・」マーベットさん。
悲劇的シーンなのだが、どうもマヌケだ。
悲しみに吼えるウッソ。
そこに、先ほどのモトラッド艦隊が現れる。
「いきましょう!かあさんの作戦を成功させなくては!」
設置前のフリスビーを抱え、気丈にも敵へと向かって行くウッソ。
ミューラ達の設置した地雷を踏み、ダメージを受けるモトラッド艦隊。
だが、設置した6個のフリスビーでは、その装甲1枚を破壊するのが精一杯だった。
「誰も我々を止めることはできぬわー!」
自信マンマンのクロノクル。
「まだだ!まだだぜザンスカール!母さんの作戦は・・・おわっちゃいねえ!」
と、残った三枚のフリスビーをモトラッド艦に投げつけ、ビームライフルで打ちぬくウッソ。
モトラッド艦隊、爆発・大炎上。
しかし、6枚の地雷で車輪一つ破壊出来なかったのに、3枚で大炎上というのは、ちょっと疑問だ。
これだと、ただ単に、V2のライフルが強かっただけのようにしか見えないが。
脱出するクロノクル。
「大丈夫ですか、クロークル艦長」
心配する兵士。だが、誰だ、クロークルって。
クロノクルの旗艦がやられ、逃げて行く艦隊。
戦いが終り、母の死を涙するウッソだった。
第9話 「勇者 洋上に散る」
MSで鯨を吊り上げようと、海に糸をたらすウッソとオデロ。
その時、ザンスカールのMS・ツインラッド(輪型MAにMSが乗りこんでる、アレ)が、
海中から飛び出す。いわゆる、バイク乗り部隊だ。
レンダ中尉の策にはまり、敵艦の待つ海域におびきだされるオデロ&ウッソ。
リーンフォースJrも、二人を追いかける。
待ち構えるイク大尉のリシアテ級巨大戦艦の放ったネットで、捕獲されるリーンフォースJr。
宇宙船係留用のネットで、切れないらしい。
バイク乗りの夢を語りながら襲い来るレンダ中尉に、真・V字斬で立ち向かうウッソ。
(例によって、V字になど斬らないが)
だが、、ツインラッドの表面の突起を切り落とすにとどまる。
リシアテ艦の攻撃を受けるリーンフォースJr。
気を取られるウッソ。その隙をレンダ中尉が襲う。
その時。
「ウッソ、どいてろー!」
オデロのガンブラスターが、廃タンカーを投げつけた。
(先ほどまで腰掛けていた、巨大タンカーである。どういう出力だ)
リシアテ艦の砲撃で爆発するタンカー。
その爆風で、ネットを止めていた岩が崩れ、リーンフォースJr脱出。
「おのれ貴様ら、よくも!」
と、突っ込んできたレンダ中尉。
ウッソとオデロは、
「ダブルクロスカッター」
と、オリジナル合体技(二人のビームサーベルを十字に組み、敵を斬るという、解りやすい技)
でレンダ機を迎撃する。
攻撃目標をリシアテ艦に向けたウッソだったが、背後からイク大尉のツインラッドの攻撃を受け、吹っ飛ぶ。
バイク乗りの夢を語りながら、オデロのガンブラスターを攻撃するイク大尉。
車輪の回転攻撃で、ガンブラスターをリシアテ艦の主砲に押しこめる。
その隙をついて、背後から(仕返しか?)V2のビームサーベルの一閃。
イク大尉、真っ二つになり、絶命。
砲口にはまり、脱出不能になったガンブラスターの核融合エンジンを撃ち抜き、誘爆でリシアテ艦を爆破するウッソ。
その様子を、モニターで見る男。
「リシアテ艦を撃破か・・・ご子息は強くなられましたな、ジン・ジャナハム閣下」
「ウッソ・・やっとお前に会う時が来たようだ」
ジン・ジャナハム?TVではジン・ジャハナムだった筈だが。またもや誤植だろうか?
あと、今回のタイトル。誰が「勇者」なのかな、と思って見返したが、
(TV版を見た人なら、イク大尉が勇者だとおもうだろうが)
どうも、ガンブラスターが「勇者」だったらしい。扉絵にでっかく描いてあったから。
第10章 最終兵器(エンジェルハイロウ)降臨す!!
地球、ポイント・カサレリア。
ミューラの墓前のウッソ、オデロ、マーベット。
そこに、リガミリティアの旗艦・ジャンヌダルクが姿を現す。
ジャンヌダルク艦内にて。
「ジン・ジャナハム閣下のおでましである!」
と、偽ジンジャハナム。
前回のは誤植ではなく、どうやらこの漫画では「ジン・ジャナハム」という事になっているらしい。
以降のシーンでも、「ジャナハム」表記で統一されている。
しかし、何故?もしかしたら、一度間違え、そのままシラを切り通したのだろうか。
真・ジンジャナハムの顔を見て、歓喜するウッソ。
そう、その男はウッソの父親だったのだ。
「とおさん、オレだよ!」
だが、そっけない態度のジャナハム。
会議にて、敵の謎の最終兵器・エンジェルハイロウを確認し、最終決戦だ!と息をまくリガミリティア。
エンジェルハイロウに向かうリガミリティア部隊。
V2コックピット内で、父の冷たい態度に、涙するウッソ。
皆が出払ったジャンヌダルク内。
ウッソにもっと優しくしてやっては?と提言するスターン将軍。
「この戦いが終れば父と子として暮らせるでしょう・・そのために今は」
「私はジンジャナハムでなければならないのです!」
実に格好良い事を言っているのだが、どうしてもジャナハムが気になる。非常にバッタもん臭い。
激しい戦闘。
リガミリティアの雑魚MS・ジャベリンを次々と落とす、一機のMS。
ファラ・グリフォン中尉の乗る、ザンネックだ。
ちなみに、トレードマークの鈴はつけていない。
しかも、原作の狂気は息を潜め、言動もしっかりしているので、どうやら前半の彼女の活躍はばっさりカットされ、
ここで初登場だったようだ。
ザンネックの猛攻に押されるV2。
絶体絶命のピンチに、ジャンヌダルク艦が身をていして、ウッソの盾となった。
「とうさんが助けてくれた!」
俄然、張り切るウッソ。
エリシャさんにより射出された、Vのハンガー二つを構え、ビームシールドで突っ込むという、
(この漫画にしては)意外に「Vガンダム」らしい奇策で、ザンネックを破壊。
「ダブルビームバリアー!バリアーシューティングスターアタック!」
名前は相変わらずベタだ。
ウッソの活躍に沸くリガミリティア軍。
「まったく、たいした奴だよ、おまえは・・・」
だが、敵はウジャウジャ出てくる。
その時。ウッソは、エンジェルハイロウにシャクティの存在を感じる。
(2巻の2/3を超えて、やっとシャクティ登場。一応ヒロインなのに。)
バリアー流星アタックで、一気にエンジェルハイロウに突入するウッソ。
「うおおおおお おらーっ!どけどけー!!」
これがあのウッソ君のセリフだろうか。今更だが。
シャクティを求め、エンジェルハイロウ内をさまようウッソ。
その時。
「エンジェルハイロウ・発動!」
カガチ(当作品の黒幕のオッサン)の、アルバトロ・ナル・エイジ・アスカばりの台詞で発動する
最終兵器・エンジェルハイロウ。
地球に向けて放たれる謎の光。
ウッソを追って、マーベットの静止を振りきり、エンジェルハイロウに突入するオデロのガンブラスター。
「なかにウッソがいるんだよ!一人じゃやられちまうだろーが!」
しかし、エンジェルハイロウ内には、侵入者を殲滅するべく、ヴェスパのMSが大挙して待ち構えていた。
「以前のオレなら逃げてたかもな・・だけどオレは退かねえぜ! ウッソ、今助けに行くぜ!」
ビームライフルの雨の中を、ものともせずに突っ込むオデロのガンブラスター。
「おおおおおお」
エンジェルハイロウ中心部。
ニュータイプの直感で、そこにシャクティがいると確信したウッソ。V2を降りる。
窓から覗くと、中には祈るシャクティが。
(なかなか味のある表情で祈ってます)
そこに現れる、カガチとマリア(シャクティの母にして、クロノクルの姉の、ザンスカール王妃)。
「まだ少年のようだが、生かして返すわけにはいかん」
ブラスターを構えるカガチ。
マリア、微笑をたたえて沈黙。
「貴様ら、シャクティーに何をしたんだ!?」
「娘を知っているの?」
カガチが、エンジェルハイロウの効能
(シャクティーwithサイキッカーの皆さんの祈りの力で、人々の戦闘本能を滅却し、戦争を消滅させる)を説明する。
「戦闘本能を滅却したって!?自分達が支配しやすいようにしただけじゃないか!」
「どう思おうと、死んで行くおまえには関係の無い事だ」
「カガチ!相手は子供ですよ!」
けどアンタ、さっきは止めなかったな。何故?
カガチの凶弾が放たれたその瞬間。
壁をぶち抜いて、ガンブラスターの腕が飛び出す。
「へへ・・間にあったな、ウッソ」
血まみれオデロ。ガンブラスターもボロボロだ。
ガンブラスターの腕がウッソに伸びる。
その体を鷲づかみにして、投げるオデロ。
「あばよ、ウッソ・・・オレはお前の事を、本当の弟のように思っていたぜ」
「オデロ、まさか!」
カガチ、マリアを巻き込み、爆発するガンブラスター。
オデロくん、原作よりよほど格好良い死にざまである。
爆風で、先程降りたV2まで飛ばされるウッソ。
そこに、ゾロアットの軍団が。
「ここにも敵がいたぞ」
「さっきの奴は爆発したみたいだぜ」
「やべえ、こっちはガンダムだぞ!」
「なーに、たった一機だ」
「さっきの奴みたいに一斉にやっちまえ」
「・・・・きさまらがー 貴様らがオデロを!!」
ウッソ、激怒。
ザンスカール帝国戦艦・カリスト。
エンジェルハイロウよりの電文で、マリアとカガチの死をしるクロノクル。
姉の死に大泣きし(ここまでの雰囲気台無し)そして、
血の涙跡を残し、クロノクルが立ちあがる。
「ドッゴーラ改・エンジェルハイロウに向けて発進する!」
今!復讐の竜が戦場へ飛びたった!!
と、格好良く毛筆で書かれているのだが、いかんせん、搭乗MAがドッゴーラである。
はっきり言って、竜というよりは、蛇だろう。
今!復讐の蛇が戦場へ飛びたった!!
が正しい。
怒りのウッソ。
次々とドムットリアを撃破する。
「V字斬乱れ斬り!!」
またしても、良いシーンに水を差してくれる。
おまけに、今度は乱れ斬りである。
技名に「斬」の字が2度も出て、とても格好悪い。(サガフロンティアか)
更に言えば、(予想通り?)まったくV字になど斬っていない。
敵を倒し、息を切らすウッソ。
「ハア、ハア・・」
「オデロ・・ジュンコさん・・・オリファーさん・・みんな死んじまった・・・
もうやだよ・・人が死ぬのは・・・人を・・・殺すのは・・・」
実に重みのあるセリフなのだが、直前に「V字斬乱れ斬り!!」なんてやった奴のセリフでは、
共感しろというのが無理だ。
その時。
「しっかりしろ!ウッソ!」オデロ・幻影。
「そうだよ、しっかりしな!ウッソ」ジュンコ−ジェンコ・幻影。
「おまえにはやらなきゃならない事があるだろ・・・」オリファー、そしてシュラク隊・幻影。
実にガンダム的な演出である。Z、ZZ的と言うべきか。
だが、ここで一つ疑問。
オリファーさんいつ死んだの!?
そう、第7話(第2巻1話)で、V2の完成を待ち詫びていたきり、登場の無かったオリファーだが、
なんと、知らぬ間に殺されていたのだ!
いくらなんでも、それはないだろう、コミックボンボン。
「シャクティーを助けてあげて・・ウッソ」母・幻影。
「そうだ!シャクティーを!」
ガッツを取り戻すウッソ。だが、本書では、母・ミューラミゲルとシャクティーの接点はゼロ。
(原作ではシャクティーのせいで死んだ)
このセリフはちょっとおかしいと思うのだが。
突然、エンジェルハイロウの壁をぶち破って(またこのパターンか)ドッゴーラ・改が襲い来る。
「やはり貴様だったか!姉の仇!」
と、まったくの勘違いでウッソに襲いかかるクロノクル。
奇襲に体制を崩すV2。
「星さえも砕く、我がドッゴーラのバリアーアタック!くらええい!」
「やられる!」
死を直感するウッソ。
その時!
ジャンヌダルク艦が、ドッゴーラに体当たりをかます。
(これも2度目。この漫画、同じパターン多いね)
だが、ジャンヌダルク艦も深手を負った。
ウッソの父は、退避の前に、V2へ追加装甲を打ち出す。
しかし、そのため脱出が遅れ、ドッゴーラのサーベルに倒れる。
「とうさーーーーん!」
爆発・ジャンヌダルク艦。
「次は貴様だ!V2ガンダム・・」
「・・V2じゃない・・」
「な・なにぃ」
「貴様は・・」
「V2アサルトガンダム!!」
やってくれるぜ!さすがは機動戦士!
ここまでやられると、なにかこう、確信犯的なものを感じるが、多分作者は大マジだろう。
ところでこのコマ、書き文字で、「CROSS」と格好良く(?)書かれているが、クロス?十字?
聖闘士星矢の「クロス」だろうか。あれは布のクロスだったと思ったがどうだろうか。
「クロノクル!よくもとうさんを!」
「ウッソ・エヴィン!最後の決着をつけてやる!」
と、最終回へ向けて、ひきは十分なのだが、その上のコマでおもいっきり、
「V2じゃない・・V2アサルトガンダム!!」
なんてやられちゃあなぁ。
第11章 あらたなる旅立ち
「父さぁぁん」
と、ドモンばりに涙の絶叫で、ドッゴーラ・改に向かうウッソ。
エンジェルハイロウを破壊しながら、二人の戦いはヒートアップする。
ウッソのビームライフルがクロノクルを直撃する。
しかし、全身をバリアコーティングしたドッゴーラには通用しない。
「このドッゴーラ改は全身がビームそのものなのだ!」
と、良く解らない理屈をこねるクロノクル。
吹き飛ばされたV2。エンジェルハイロウにめり込み、動きが取れない。
絶体絶命のピンチ。
だが、その時、エンジェルハイロウが崩壊を起こす。
二人の戦いで傷つき過ぎたのだ。
その一瞬の隙を突いて、ビームシールド発生器をクロノクルの周囲に飛ばすウッソ。
「クロノクル!周りを見てみろ!」
「こ、これは!?」
「ミノフスキー粒子に電磁波を流して作ったプラズマバリアーだ!
この中にメガ粒子砲を撃ち込めばどうなるか!」
「さらばだ!クロノクル」
「貴様は電子レンジに入れられたダイナマイトだ!メガ粒子の閉鎖空間の中で分解されるがいい!」
一見、解りやすそうで、実は良く解らない喩えだ。
どうも、作者の一人よがりな気がする。
作者の、このセリフを思いついた時の様子が、目に浮かぶ。
(ちなみに、見た感じは、ウイングマンのデルタエンドのような技だ)
「おわった・・」
ボロボロの残骸と化したドッゴーラ改。
タイミングよく、エンジェルハイロウが大爆発を始める。
アラート音で我に返る、シャクティー。
「こ・・ここはいったい!?」
最終話も後半に来て、やっと台詞らしい台詞の登場だ。
そして、自分の置かれた状況に気づく。
「エンジェルハイロウが地球に落ちて行く!」
「ウッソー!」
「シャクティー!」
エンジェルハイロウに向かうV2にしがみつく影。
それは、残骸と化したドッゴーラだった。恐るべし執念、クロノクル。
「オレはもうダメだ・・だが・・貴様も道ずれ・・だ!!」
(これ、もしかしたらZのシロッコのパロディーかもしれない。仮に、この作者がZを見ていればの話だが)
バリアエネルギーを解放し、玉砕戦法に出るクロノクル。
背後から羽交い締めにされ、振りきれないV2。
その時。
エンジェルハイロウの残骸に紛れて、オデロのビームサーベルが宇宙空間をさ迷うのを発見するウッソ。
友のかたみのビームサーベルで、自機の腹部ごと、ゴッドーラを貫くウッソ。
ついに、宿敵・クロノクルの最後である。
(亡き友のビームサーベルで起死回生、というのは白眉なのだが、伏線がまるで無いのが残念)
地球に落ちるエンジェルハイロウを追い、大気圏に突入するV2。
「だめよウッソ!あなたまで燃え尽きてしまう!」
止めるマーベットさん。
「シャクティー!」
「ウッソー!」
裸で手を伸ばし合う二人のイメージシーン。(ありがち)
そして、エンジェルハイロウ・中心部のブロックを掴んだV2。
「力を・・最後の力を貸してくれ、ガンダム!」
エンジェルハイロウの残骸の中、傷ついてボロボロのV2ガンダムが、光の翼を広げ、宇宙に舞いあがる。
(「ガンダムッ!天に昇れっ!」の、ウッソ君の願いを全然叶えられなかった原作版V2よりドラマティックかも)
その様子を、地球から見る少女。
「あ、ママ、見て・・流れ星の中に天使がいる!」
実に、ファンタスティックなシチュエーションである。ビバ・ボンボン。
この漫画、細かい点が光る。
半年後。地球・ポイントカサレリア(ウッソ君の故郷)。
「オリファー、見て。あなたの子、オリファーJrよ」
「まてー、リーンフォース!」
かつての母艦の名をつけた山羊を追う、ウッソ。
「マーベットさーん、ウッソー!ご飯の用意ができたわよーっ」
(この巻で初の)笑顔のシャクティー。
「早く来ないと、先に食べちゃうわよ−」
生き残った子供達。
「フフ・・」
「行きましょう、マーベットさん」
と、至極爽やかにエンド。
ここまで読んで。何か忘れて無いか?
このさい、爺さんが特攻しないのは見逃すとしても、(父さんが2回もやってるし)
そう、あのV2の顔とも言える、執念の女(ひと)カテジナさんが出てないのだ。
そりゃ爽やかに終るわ。
彼女、序盤で活躍が無いから、漫画では省いたら、後半えらい事になっちゃった、
というのが真相ではないか、と睨んでいるが、どうだろう。