可愛い野の花 2                           F01,0625


 花から四本の

 手をさしのべる

 イカリソウ

 そのかたちは

 むかしの

 船のイカリの形

 ふたつの花

 寂しい森の中

 寄り添って

 励まし合うような

 姉妹の花


 エンドウ豆の

 原種か

 カラスのエンドウ

 しかし可愛く

 美しいこの花を

 カラスも

 ためらってか

 食べているのを

 見たことがない


 林の木が

 とぎれ

 青空が覗く

 ひだまりに

 ひっそりと咲く

 ヤマタツナミソウ

 うすむらさきの

 この花は斜めに咲き

 原種のタツナミソウより

 美しい 

 みな うなじをたれ

 はにかむように




  原種タツナミソウ(ヤマタツナミソウと異なり直立している) →

  色も地味     目立たない路傍の花   

  しかしこの名前   北斎の絵にある  海の波

  波頭の立つを  見立てて  立浪草と名付けた

  自然を  名もない  路傍の花を  愛した先達


 幼い頃

 ホタルを入れ

 ようじで止め

 閉じこめ遊んだ

 ホタルブクロ

 今思えば

 かわいそうなことを

 梅雨時に咲く

 この花は

 虫の雨宿り

 花のへや


 土手で見かけた

 小さなケシ

 繊毛に覆われた

 つぼみを割り

 緋衣を開き始めた

 カリホルニァの

 原野に咲く野生の花

 カリホルニァホピーと

 呼ばれるたくましい

 この花は花壇から

 種がとんで

 野原に咲く


 北海道の

 海岸に咲く

 ハマナスは

 ばらの一種

 日の当たる

 土手に自生する

 渡り鳥が

 種を運んだのか

 なぜかこの一本

 日だまりに

 華麗な衣で

 風に舞う


 花の名は

 アマナという

 小さい花

 花の中心に

 密をたたえる

 雌しべがある

 虫たちが

 好んで止まる

 花のテーブル


 花は美しい

 しかし葉には棘が

 ばらのとげは

 皆気をつける

 何気ない

 アザミの棘は

 草取りなどに

 うっかりさわり

 痛い思いを

 この花は

 野の花らしくなく

 絢爛と咲く
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