こちらのページは、やや大人向けの内容となっています。
中学生以下の方はお戻り下さい。
とはいえ、所詮書くのが山崎なのでここまでたどり着かれた方も
あまり期待しないようにお願いします(笑)
雨音の中で……
天気予報では一日晴れだった。
確かに朝は快晴で、もちろん傘など持って出るはずもなく…。
飲みに出ていた滝川と綾子が店を出て、もう少しだけ飲もうと次の店に向かう途中。
ぽつ、と大粒の雨が顔に当たり、滝川は空をみあげた。
すると一気に降り出した雨が二人に容赦なくぶつかってきた。
「うわっ」
「ちょっとぉ」
慌てて近くのビルの階段に避難する。
かなり大粒の雨が激しい勢いで降ってきた。
「こりゃあ…止みそうにねえかなぁ」
「……みたいね」
すぐに避難したにもかかわらず、かなり濡れてしまった髪を気にしつつ綾子が返事をした。
「………こっからだとうちの方が近いな」
顔をあげる綾子に滝川が聞いた。
「うち来るか?」
滝川と付き合いだして半月。
何度か飲みに行くことはあったけれど、家に行ったことは一度もない。
付き合いだしてからは滝川が綾子の家に来たこともないのだけれど。
今はそろそろ11時になろうかという時刻。こんな時間に恋人の家に行くということが何を意味するか、知らないほど綾子は子供じゃなかった。
けれどそんなこと気づかぬ素振りでこう聞いた。
「どれくらいかかるの?」
その場所は思ってたより近くにあった。
というより何故こんなところにあるのか不思議でならない。
何しろオフィス街のど真ん中にあるビルなのだから。
初めは何かの冗談かと思ったくらいだ。最も、雨の中走らされたのだから冗談だったらただではすまなかっただろうけれど。
「前にうけた依頼の関係で、ここの1フロアをもらったんだ」
こともなげに言う滝川。
「それにここ、一定期間ちゃんと祓わないとまずいところでな」
さすがにこんな時間になるとロビーやエレベーターでもまず人に会うことはない。まだ明かりのついてる部屋はいくつかあるけれど、誰にも会うことなく滝川の部屋まで辿り着いた。
ドアを開けて中に入ると、滝川はバスタオルを綾子に手渡した。
「風呂そこな」
そう言って背を向けると、自分はタオルで髪を拭いている。
「じゃ先借りるわよ」
確かにこのままでは風邪をひきそうだ。何しろ全身ずぶ濡れで、足元にはすでに水溜りができそうだった。
歩いた跡に水がぽたぽた落ちるのを気にしつつ、綾子はバスルームに入っていった。
滝川はクローゼットを開けて何か綾子が着られそうな服がないか考えている。
綾子は背の高い方ではあるけれど、それでも平均身長を遥かに超えた滝川の服は大きいだろう。
「このへんならいいか」
とりあえずTシャツを手に取った。
だが黄色地に大きくどくろマークのTシャツを綾子が素直に着るかというと、答えはノーだろう。
あれこれ悩み、結局シンプルな淡い緑色のシャツにした。
「バスローブとかねぇしな」
まいいか、とそれとGパンを持ってバスルームまで行く。
「着替え置いとくからな」
シャワーの音がドア越しに聞こえてくる。中からの返事はないが、わざわざ開けて言うほどの度胸はない。
それよりもこのままでは滝川の方が風邪を引いてしまう。
さきほどのTシャツと黒のGパンに着替えて、濡れた床を拭いてると綾子が姿を現した。
「お先に。あんたも早く入ってきなさいよ。風邪ひくわよ」
「ああ。…ところでさ」
滝川は立ち上がると綾子の近くまで来た。
「何?」
綾子が聞くと、滝川は何か言おうとして躊躇うようにして窓へと視線を向け
「雨、当分止みそうにないな」
と言った。窓には雨がかなり激しく打ち付けていて、その向こうの広がる夜景を滲ませている。
「じゃ、風呂入ってくるわ」
ポン、と綾子の頭を叩くと滝川はそのままバスルームへと姿を消した。
シャワーの音が聞こえてくると、綾子はほう、と息をついた。
考えてみれば滝川とはつきあうようになった日と、送ってくれた帰りに車の中でする軽いキスぐらいしかしていない。
自分らしくもなく少し緊張している自分に綾子は気づいた。
「えーと…とりあえず服乾かさなきゃね」
誰に言うでもなく喋りながら、綾子は自分の濡れた服を乾かすためにドライヤーを探し始めた。
一方滝川も少なからず緊張していた。
自分の服を着てる綾子を見てしまうと、どうにも気持ちが落ち着かなくなってしまった。
シャツのまくりあげられた袖や、だいぶ裾を折ったGパンから覗く白く細い手足は反則だと思う。
口説こうとして、思わず何も言えなかったのはそのせいだ。
火照りを冷ますかのように、滝川はシャワーのお湯を水に切り替えて顔にかけた。
バスルームから出ると、ハンガーにかけたシャツを綾子がドライヤーで乾かしていた。
「…何やってんの?」
まだ滴の零れる髪を拭きながら滝川が聞いた。
「見ればわかるでしょ、乾かしてんのよ。これが一番早いから」
「明日の朝には乾いてるさ」
滝川は綾子を後ろから抱きすくめた。
「……泊まってけよ」
低い声が耳元でささやく。
「いやって言ったら?」
「俺は寂しくふて寝でお前は終電で帰る」
「いいって言ったら?」
「ふかふかベッドと美味しい朝食もついてさらに車で送ってもらえる特典つきだ」
綾子は軽く笑った。
,
「で?」
返事を促す滝川の腕に綾子は身体をゆっくりと預け、ドライヤーのスイッチをとめた。
「そんな特典つきなら逃す手はないわね」
二人とも軽い口調ではあるけれど、確実に鼓動は早くなっていた。
雨が窓を叩きつける音以外何も聞こえない静寂の中、自分の心臓の音が相手に聞こえてしまうのではないかと思うくらいに…。
身体が触れている場所から、鼓動が伝わってしまいそうだ。
肩越しにこちらを見あげる綾子の唇を滝川はふさいだ。
「んっ……」
優しく唇を貪られ、綾子は頭の芯がクラクラするのを感じていた。動悸が更に早くなり、身体から力が抜けていくほどの強いキス。
その手からドライヤーが床に落ちる。
しがみつくように滝川の服を掴むと、滝川はいったん唇を離した。
熱い吐息が知らずこぼれる。
綾子の身体を正面に向けると、滝川は左手を腰にまわし右手は綾子の指にからめてもう一度長いキスをした。
綾子の滝川を掴む力が強くなる。そうしていないと倒れてしまいそうだった。
滝川の唇が綾子の唇をなぞるように動き、貪る。
それだけでもう綾子の身体に電流のような何かが駆け巡る。
思わず身をよじって離れようとする綾子に気づき、滝川はいっそう強く綾子を抱きしめた。
「…ん……」
小さな声が漏れる。
やっと滝川が唇を離すと、綾子は浅く息を吐いた。息があがっているのが隠せない。
滝川は少しかがむと、綾子を抱き上げた。
「さてお嬢様、寝室はこちらです」
悪戯っぽい笑みを浮かべベッドまで運ぶと、滝川はそっと綾子を横たえた。
綾子の顔の横に手をつくと、ついばむように軽いキスをした。
そして長いキス………。
綾子の呼吸が荒くなり、その波うつ胸元のボタンが一つ一つ外されていった。
シャツの下から白いレースのブラが覗く。滝川はキスを続けたままでフロントホックを器用に外した。
唇から首筋、鎖骨へと滝川の唇が移動する。
「ねえ……」
吐息混じりに綾子が呟く。
「何?」
「…電気消して」
「消すの?」
「消すの」
聞き返す滝川に綾子は少し強く言った。
はいはい、と滝川は身体を起こすと壁際までいってスイッチを押した。
さっきまで明るかった室内が一瞬で暗くなる。
窓の向こうからビルの明かりは見えるものの、雨が滝のように流れているのでぼんやりとしか映らない。
そのわずかに差し込む明かりで、滝川がTシャツを脱ぐのが見えた。特別筋肉質というわけではないのだけれど、意外と胸板は厚く上半身は引き締まっている。
布が床に落ちる音がして、気づけば滝川はもうベッドの横にまで来ていた。
滝川が乗ると、ベッドはかすかにきしんだ音をたてる。
綾子の瞼に、頬に、唇にキスの雨が降る。窓の外の雨に負けないくらい……。
滝川の唇が綾子の首筋を捕らえた。そこだけが熱を持ったように熱くなる。
耳元で名前を優しく呼ばれ、綾子は滝川の首に手をまわした。
雨はまだやみそうにない…………。

Fin
山崎のおそらく最初で最後のR指定(?)ものです。
これが限界……。
この話の一部を抜粋して送った方が、イラストをつけてくださいました。
上のイラストがそうなのですが、もう初めて見た時はドッキドキでした。
今でもちょっと心臓わしづかみにされてますが(笑)
正直いって、UPするかどうかかなり迷ってたんですが、このイラストを見せないのは勿体無いと思い勇気を出してUPしてみました。
西さま、本当にありがとうございました。
このページのUPは全て貴方のおかげです(笑)
さて、これを読まれたみなさまはいかが思われたでしょうか?
書いてる時は意外と平気なのですが、読み返すと結構ドキドキしてしまった私みたいに、皆様もドキドキしてもらえたなら嬉しいです。