ビルシュタインって・・・?

良い足回り、ダンパーと言えばビルシュタインと言うのは、皆さんも異論は無いと思います。

では、なぜビルシュタインなのでしょうか?ビルシュタインの良さはどこで、どうしてビルシュタインのような製品が他に無いのか・・・

ここの辺りを解説してみたいと思います。

構造

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ビルシュタインの構造は皆さんよくご存知の、単筒ガス式ですね。開発者の名前を取ってド・カルボン式とも呼ばれます。

他にもガス式ダンパーは有るじゃないかと言われる方もいらっしゃるでしょうが、この単筒と言うのが大きなポイントなんですね。では、そもそもガス式、復筒式、単筒式って何でしょう?
と言うより、ダンパーって何でしょう?

ダンパー内部にはピストンが有って、これがサスペンションストロークによって上下動する時に、内部に封入されたオイルがピストンの細い通路を抜けるときに、抵抗が発生し、減衰力が発生する。

つまり、注射器と同じですね・・・

これが、ダンパーの大雑把な説明ですが、ここにダンパーの構造の大きなポイントが入っています。

注射器は、内部の液体をピストンストロークによって外部へ放出してしまいます。ダンパーは内部のオイルを外へは出していませんね。

そう、ピストンに通路が有るから、オイルは動かないままでピストンが上下するだけ・・・でしょうか?

図をよく見ていただきますと・・・そう、ピストンロッドが入ってくる分、ダンパーオイルはどこかに行って貰わないとストロークできませんね。

だったら、外部にタンクを作って、余分なオイルを排出し、必要な分は戻せば良い・・・そう、これが複筒式の原理なんです。

左が複筒式、右が復筒ガス式になります。

オイルにガスの圧力を加える事で、ピストンストロークによる負圧でのキャビテーションの発生を抑制しています。

 

オイルを出したり入れたりでは、外部タンクが必要になるので、構造が複雑になりますが、もう少しすっきりまとめる方法は無いのでしょうか?圧力を加えても体積が変わらない液体ではなく、圧力で体積が変化するガスを使って、このピストンロッド分の体積を吸収すると構造は簡単で、このガスの圧力でダンパーの初期レートや、減衰力特性を変化させる事ができる・・・これが、ド・カルボン式の原理なんですね。

上図の複筒式と比較すると、シリンダーの周りにあったリザーバー室が無くなり、オイルがシリンダーを介するだけで外気に触れることから放熱性が良い事がわかります。

また、オイル室とガス室が完全に分離される為、オイルの泡立ちも防げます。

ただ、問題点も幾つか有ります。

フリーピストン(ガス室とオイル室を隔離するピストン)の円滑な動きが確保できないと、作動不良を起こす。

各部の精度を上げないと、作動が円滑に出来ない。

つまり、コストは割高となる。

上記の不利な点を克服してまで、単筒ガス式にこだわるには、また、別の利点も有るからなんです。

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まず、放熱性でも問題になったシリンダー外周のリザーバー室が無い事が、スペース的な制約等からダンパーの外径を指定された場合(ほとんどがそうですが・・・)ピストンの径を大きくする事ができます。もちろん、リザーバー室が無いので、当然なのですが・・・

ピストンが大きい=シリンダーも当然大きいと言う事は、同じだけストロークした場合ピストンの減衰力を発生させる通路を通過するオイルの量が多くなる事は理解できますよね。

オイルの通過量が大きいと言う事は、きめの細かいセッティングが可能という事になります。ダンパーはストローク時の圧力変化とオイルの粘性抵抗を減衰力として使います。圧力変化は同じ(でも無いですが・・・)とすると、流路を通過する、オイルの粘性抵抗を制御することが、ダンパーのセッティングの要となる訳です。また、オイルの量の増加は、熱に対しても有利である事は説明するまでも無いと思います。

また、フリーピストンでオイル室とガス室が分離されている為、取り付け方向に制限が無い事もメリットとして上げる事ができます。レーシングカー等では、空力特性等からダンパーをフレーム内に収めたりしますが、ダンパー、スプリングを横向きに設置したりします。こう言った設置方法では単筒ガス式しか使えない事になります。

この点で、市販車でもメリットが生まれます。それは、サスペンションの形式でストラットタイプの車達です。

ストラットタイプは、ダンパーがサスペンションアームの一端として作用する為、軽量でスペース効率が良く、部品点数が少なく、コストも安く済むなどさまざまな理由から、現在、数多く採用されています。

このサスペンション形式では、ダンパーがサスペンションアームとして路面からの入力を直接受ける事になり、ダンパーロッドの剛性がステアリング特性にも大きく影響してきます。複筒式の場合、ダンパーロッドを太くするなどして対処していますが、ダンパーロッドを太くすると言うことは、オイル量の低下を招く事となり、また、剛性が大きく変化するという事でもないようです。

単筒ガス式の場合、設置方向の自由度を利用して、倒立とする事で対処ができます。複筒式のダンパーロッド部分、つまり、横力の最もかかる部分を、太いダンパーシリンダーとして、ストラットケースの内部に細い(通常の太さ)ダンパーロッドを内蔵します。ストラットタイプのステアリング剛性の向上に大きく貢献できるわけなんですね。

もちろん、バネ下重量の低減でも有る事は説明するまでも無いですね。

   
 
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