Mute Developer
「直訳すると『無言の開発者』といったところでしょうか。
スーファミとかの喧騒の影でヒッソリと、グレイトなモノを
開発していったというメガドライブのイメージに合わせて。
ちなみに頭文字で略すと「MD」になります。」(ウッチー様)
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アラジン

やはり“ディズニー”というブランドのネームバリューは相当な物らしく、このゲー
ムに至るまでも『ミッキーマウス』と初めとして、様々なディズニーキャラクターの
ゲームが発売されてきた。発売するには、ディズニーの審査を受けなくてはならない
のだが、特にキャラクターの表現についてはウルサイようで、それまでの物もそれな
りにキャラの表現が豊かだった。しかし、それもこのメガドライブ版『アラジン』に
よって止めを刺される。キャラの動きが段違いなのである。それもそのはず、全ての
キャラクターのパターンを、ディズニーのアニメーターが直々に担当しており(ちな
みに秒間60コマ)、モノホンの凄みを教えてくれた。同時期に出たカプコン製のスー
ファミ版『アラジン』が、遠く霞んで見えるぐらい素晴らしい出来映えだったのだ。
柔らかくスムーズで、遊び心も忘れない“らしい”動きは見ているだけでも楽しい。
背景も繊細な書き込みが美しく、メガドライブの発色数を忘れさせてくれる仕上がり。
アラジンがやられた時の演出など、些細な箇所も手抜きの無い徹底した作り込みで、
取り敢えずこのグラフィックを見るためだけでも買って良い。逆に言えば、それ以外
に特筆すべき所は別に無いのである。ジャンルはオーソドックスな横スクロールアク
ションで、若干シビアな箇所を除けば、誰でも楽しめる良質な物。これが全くのオリ
ジナルで、前述のような“動き”が無ければ、「そこそこ面白い普通のアクション」
という印象しか得られなかったはずで、このゲームはその動きの表現のみで勝ちまくっ
ているのだ。これを堪能するには奇抜なシステムなど要らないのである。ストーリー
も原作を忠実になぞっていて、映画を見てる人は一層楽しいと思うが、別に見ていな
くても関係ない。実際僕も見た事ないし。それでも十分楽しめる事は保証しておく。
個人的思い入れなど皆無だが、何となく「持っていて良かった」という気にさせるソ
フト。ホームビデオ同様“一家に一本”という感じでいかがでしょうか。


エイリアンストーム

不変の魅力

『ゴールデンアックス』の流れを組む、格闘要素の濃いアクションゲーム。大筋を辿
れば『ファイナルファイト』系。元々はアーケードゲームで、移植の際に削られる事
の多かった2人同時プレイも可能になっている(取って付けたような対戦プレイもあ
り)。巨大ボスやオープニングが削除されてはいるが、概ね満足のいく移植で、一般
的な評価も悪くないと思う。

『ファイナルファイト』系のゲームというのは、大体が殴る蹴るのストリートアクショ
ンのみで、よほどバランスや演出などが優れていない限り、プレイしていて飽きてく
るものだ。『エイリアンストーム』では、その単調さを回避する為、高速スクロール
のシューティング面や、ガンシューティングタイプの3D面を巧みに折り込んでいる。
エンターテインメント精神では、『ゴールデンアックス』を軽く凌いでおり、完成度
も高い。などと冷静に書いていったのだが、このゲームの真骨頂は全体に溢れる「バ
カテイスト」である。

題名からして「宇宙人を相手に戦う」という設定は、おおよそ予想がつくかと思われ
るが、この設定をB級方面に持っていった事が、作品を成功に導いている。
主人公には、男、女、ロボット、という3タイプが用意されていて、ゲーム開始時に
選択可能。この3人、普段は「移動ホットドッグ屋」として働いている。実は削られ
たオープニングで、その様子が描かれているのだが、ソフトの説明書にそういう記述
が明確に無いので、実際のところココは削ってほしく無かった部分。まぁソレでも、
存分にバカが堪能出来るので良しとしよう。
主人公の設定からしてすでにキテるが、敵のエイリアンのデザインも微妙にオカシイ。
「コワイ!キモチワルイ!」とは全く思わせず、何処か間が抜けている感じ。いや、
そんな狙ってるふうには思わないんだけどな、デザイン。というか、このゲームのグ
ラフィックは、全編シリアスというかリアル系テイストで、人物にしてもエイリアン
にしても、極端なデフォルメは施されていない。逆に「狙った」グラフィックだとし
たら、全然冷めていただろうと思う。映画『MIB』のトミー・リー・ジョーンズみた
いな、マジメに作れば作るほどバカ度がアップ、とかそんなノリである。変な例えだ
が、笑いながらギャグを言う芸人など面白くないモノだ。

実は特有のバカノリに一役かっているのがBGMで、コレが異様にファンキー。この辺
は映画『ゴーストバスターズ』のノリに近いかも知れない(なんか「ニューヨーク!
」って感じがするしさ、しかも80年代)。ブリバリにベースが効いた曲のクォリティ
自体もかなり高く、そのファンキー度数では『トージャム&アール』とタメをはる。
高速スクロール面では、人間を超えた走りを見せるプレイヤーのバックで、「♪チャ
ラララッチャラー」と軽快過ぎるBGMなど、バリエーションも豊富。
是非、メガドライブを代表するファンクBGMとして、記憶に留めておいて頂きたい。
実際『エイリアンストーム』のBGMは、かなり過小評価されている向きがあるので。

このソフトが発売されたのは1991年だけど、オリジナルであるアーケード版は、前年
の1990年に発表されているので、もう10年も前の作品という事になる。
で、コレを今プレイしてみて「今やセガも変わったなぁ」などと微塵も感じさせない
所が、ある意味スゴイと思うのだ。ナムコ、コナミ、タイトーなど、昔のゲーセンで
凌ぎを削っていた「戦友」メーカーが、大なり小なりソレなりの変化を遂げているの
に比べ、セガセンスのこの「変わらなさ」というのは、一体どういう事だろうか。
極端な変化の無い事が、現在の苦境を招いているのかも知れないが、逆にその変化の
無い部分こそ、セガの本質の1つであると思っている。ソレがあったからこそ、10年
以上前にセガを好きになったのだし、今でも好きでいられるというワケなのだ。


クライング

あの空が眩しひ…

セガがメガドライブで発売したオリジナルの横スクロールシューティング。このゲー
ムまでに2本のオリジナル横スクロールシューティングを、セガはメガドラで発表し
ているが、どちらも凡庸な出来であんまりパッとしなかった。業務用、家庭用合わせ
て、セガは横/縦シューティングゲームを作るのが苦手な印象があったので、「こん
なもんね」と思って済ましていたが、この作品はそれまでの負のイメージを払拭する
ような意欲作である。ゲーム的には、取り立てて斬新なシステムを採用しているわけ
では無いが、とにかく世界観の作り込み、それを表現するグラフィックのオリジナリ
ティは群を抜いている。自機、敵合わせて、キャラクターの細かな動きは説得力に溢
れていて、特に映画『風の谷のナウシカ』に出てくるような、独特な“虫”の動きに
は圧倒された。民俗音楽をモチーフにしたような音楽も素晴らしく、シューティング
ゲームによくありがちな“ハードロック系”(個人的には大体つまらない)とは一線
を画していて、ゲームに入り込ませるための重要な役割を担っている。パッケージデ
ザインも含めて世界観の構築に抜かりが無く、一つの“作品”として成り立っている
稀なシューティングゲームだと思う。もちろんゲーム自体の出来も良く、2人同時プ
レイが可能な点など充実している。しかし、シューティングゲームというジャンルに
おいて、独特な作風を持つゲームほど、ほとんどの場合パッとしない(人気が出ない)
ので、このゲームも案の定大して売れなかった。の割に、セガ発売なので本数が出て
いたためか、※プレミアソフト絶好調!な現在のメガドラ中古市場の中でもかなりの
安値で、“『クライング』フーリガン”の僕としては複雑な心境。確かに安いと未経
験の人は入手しやすいけどさー。…ねぇ。なんでそんなに好きかと言うと、メンタル
な部分でやられてしまったからで、もう理屈じゃないんで仕方あるまい。音楽ももち
ろん大好きだけど、あるステージの突き抜けた“青空”にピン!と来てしまったので
ある。他の国産ゲームにはあまり無い妙な乾き具合が、僕のハートをゲッチューした
んだろう。スマンそれ以外説明出来ません。シューティングゲームとしては、“歴史
に残る傑作”という類じゃないと思うけど、“作品”として見るなら意味のある1本。
「バリバリ撃ち落とすゼェーッ!イェッ!!」というような硬派シューターにはあま
り薦めないけど、ゲームのデザインとか、世界観を重視する人には是非プレイして頂
きたい。でも難易度は決して低くないので、それなりに腕に自信のある人へ。投げて
も責任取らんぞ。
※プレミアソフト絶好調 過去のハードの中でも頭抜けて熱いメガドラ市場。
『Yahoo!』のオークションにて、『ガントレット』というソフトが4万円で落札。そ
れは行き過ぎにしても、巷では2万円前後の値のつくソフトがゴロゴロあります。そ
れを買う人がいるのも確かだけど、常に足下見るショップはホント始末が悪い。


サンダーフォースIV

ブツブツ言いながら出来るゲーム

シューティングゲームは基本的に「爽快感」で成り立っていると思う。「弾を撃って
弾を避けて敵を撃破」という目的、(大体が)スティックと多くてもボタン2つとい
う操作法、難しくなりようが無いではないか。頭を空っぽにしてアホゥな状態でも気
軽にプレイ出来るジャンル、それが元々のシューティングゲームだったのだと思う。
しかし時は流れて、頭を使わないと簡単にクリア出来ないタイトルも発表される。頭
を使うというより、むしろ「覚える」というモノだが、「確実に敵の出現場所を覚え
ないと」殺されるという、イキオイではクリア出来ないモノである。その代表作とし
て、アイレムの『R-TYPE』や『イメージファイト』等が挙げられるだろう。ある意味
では戦犯である。
『R-TYPE』は武器のアイデアが斬新でヒットしたけれども、そういた“ヒキ”の無い
『イメージファイト』は玄人には評判が良かったが、それまでだったようだ。
何故なら「爽快感」以前にムカつくからだ。一般的には「卑怯」にしか見えない。
まぁ、そんなマニアックでマゾヒスティックな「覚えゲー」だが、対象を絞れば人気
を得るものである。
『サンダーフォース(以下TF)』シリーズ。これがメガドライブで出されていなかっ
たら、散々な結果に終わったかも知れない。

『2』まではパソコンで出されていたシリーズで、『2』は横スクロール+トップビュー
360°スクロールのステージが交互に登場、という形でX68000というパソコンで発表
された。恐らく、ここら辺でコンシューマ市場への参入を狙っていたであろう、テク
ノソフト。X68000と同じ16ビットのゲーム機は当時メガドライブだけだった。という
ワケで『TF2MD』が、「メガドラサードパーティ第1弾!」という冷静に考えれば寂し
い歓迎の中、発売される運びとなった。
そして、これが非常に素晴らしい出来映えだったのだ。僕も当時期待しまくりで購入
したのだが、セガ社製ソフトを超える完成度(ダメじゃないか)に狂喜乱舞。ユーザー
間でも「あそこは信用出来る」という評価を勝ち取った。あと、この時点ですでに
「覚えゲー」だったのも外せないポイント。
続く『3』はメガドライブ専用の完全横スクロールSHTとして発売、高まる技術力と面
白さに再び狂喜乱舞。加えてより高まった「覚えゲー」度に泣いた人も多数いたと聞
く。

完全にメガドラユーザーの「心の拠り所」として機能していたテクノソフト、TFシリー
ズ。この『4』にかかる期待も生半可なモノじゃなかった(少なくとも僕は)。そし
て結果は、三たび狂喜乱舞という具合である。

取り敢えずボリュームが半端じゃない。全面クリアするのに1時間ほどかかるぐらい
で、正直シューティングゲームとしては長過ぎるとは思う。それで内容が退屈なモノ
だったら早々に投げているが、全く息切れが無いのである。全編これだけのテンショ
ンを維持するのも大変だと思うし、「ちゃんと練ってあるなぁ」と感心すらしてしま
うのだ。
グラフィックもさらに美しく、書き込み、色彩、共に見応えのある出来となっている。
前作までに見られた、パソゲーメーカー特有の“クセ”みたいなものも抜けてきてい
る感じ。
BGMはハードロックを基調としたもので、ディストーションを効かせたギター(風)
や、低音部を強調した鳴りなど、音色的にも凝っており、定評を得ている。
それで問題の「覚えゲー」度だが、ベクトルを変えてパワーアップ! 今回のステー
ジは基本的に上下のスクロールも加わっているのだが、「前方からの弾を避けるため、
上(下)にスクロールさせて逃げたら、画面外にいた敵に激突、ドッカーン」という
事態が続出、今までのような“覚え方”では通用しなくなったのである。
僕などは、単純な横スクロールSHTより新鮮味があって楽しめたものだが、『3』以上
に泣きを見る人が続出、未だにクリア出来ない人も多数いると聞く。

取り敢えず、メガドライブの横スクロールSHTとしては、傑作の部類に入る作品だと
思うので、未プレイの人は是非体験して貰いたい。値段も安いし。
問題は「ゲームに対してSの人」は面白くないかも知れないという事。ゲームは「ゲー
ムに対してのみM」だったりするほうが色々楽しめたりするものなのである。
ちなみに普段の僕はごっつSです。


シャイニング&ザ・ダクネス

当時の喜び方たるや

尋常では無かったし、そのムネドキ感も相当な物だったのだ。
当時「ドラクエに関わッていたスタッフ」という響きは、「マライアキャリーの後ろ
でも踊った事がある※1SAM」みたいなモンで、そのSAMが片田舎の3人程度のダンスチー
ム(ジャージ着用)に「自分入るッス」と言ってやってきたような感じ。
どんな感じかまるで分からない気もするが、とにかく「有り得ない事」が起こったと
いう驚き、そういう空気が『シャイニング&ザ・ダクネス(以下S&D)』発売の周辺
を包んでいた(のは僕の周辺だけか)。

1991年前後の『ドラゴンクエスト(以下DQ)』と言えば、他に比較する対象が無いぐ
らいの、正にモンスターゲームだった。唯一『ファイナルファンタジー(以下FF)』
が対抗出来る力を持っていたけど、今のようなある種の「凄み」を醸し出していなかっ
た頃だし、何となく『DQ』上位論のほうが幅をきかしていたように思う。つまり
「『DQ』こそゲームの頂点」という、そういう事である。
その『DQ』製作に携わっていた、※2高橋宏之氏と※3内藤寛氏がクライマックスとい
う会社を設立、メガドライブの為にRPGを作るというのだから、驚かないわけにはい
かない(メガドラRPGは少なかったので嬉しかったし)。
まず最初に疑問に思ったのが、「何故PCエンジンじゃないんだろう」という事だった。
当時、任天堂ハード以外でいえば、明らかにPCエンジンのほうが優位な印象があった
ので、「何でわざわざ茨の道に」と心配すらしたほど。それが、「メガドライブは選
ばれたハードなんだ」と、割と自分勝手な認識を与えたのも確かで、そうでなければ、
単なる物好きにしか見えなかった(実際は単純に性能とかの問題だと思うけど)。
*あと、「ザマァミロ、PCエンジン」という敵対心ムキ出しな事を思ったりもした。
その時にPCエンジンのユーザーでもあった自分は完全無視。

心無い人は「そんなに『DQ』が大きかったんなら、素直に『DQ』やれよ」と思うだろ
うが、個人的に『DQ』シリーズに飽きていた事と、ファミコン一辺倒と思われていた
スタッフがメガドラでゲームを作る、という事に胸踊ったのである。単純にどんな物
を作るかに興味があったわけなのだ。
そんな様々な期待を背負って発売された『S&D』、今にして思えば、(当たり前の事
だが)堀井雄二氏の存在はデカかった、という事を認識させるような仕上がりだった。

堀井雄二氏は御存じ『DQ』シリーズの中心人物で、シナリオ執筆は勿論、『DQ』の設
計思想全体に大きく関わっていて、彼がいなければ『DQ』も無かったし、現在の国
産RPGの形も随分違ったものになっていたはずだ。
1作目で家庭用ハード向けRPGの基本を作った彼は、2作目以降、システム/ストーリー
の充実に力を入れた。シリーズ全体を通して感じるのは、見た目は二の次という事で、
別に技術力を売りにするような作りでは無かったし(地味に凄かったりするが)、そ
れに対抗すべく生まれた『FF』が見た目重視の方向へ進んだのは、差別化の為に半ば
必然だったわけなのだ。
『DQ』は主に「遊んでて楽しい」という事を追求しているように思う。言い方を変え
れば、システム面重視という事だが、だからといってストーリーを疎かにする事はな
く、物語導入部の演出などもかなり考え込まれている。システムとストーリーのバラ
ンス、この辺が『DQ』の肝であり、全体的に「探究心」をくすぐる作りになっている
のもポイント。
対して『FF』は『DQ』以上に、演出、物語に力を注いでいる。システム面で「!」と
思うものも少なくないが、遊び易さの面では『DQ』に劣るし、幾分マニアックな印象
も受ける。でも美麗なグラフィックや演出の吸引力が強いので、「次はどんなだろう」
と先へ進ませたい気持ちも持続するし、独特なシステムも慣れてくれば楽しくなって
くる。
どっちを好むかはその人次第だし、『DQ』の垢抜け無さがどうも気になる僕としては、
『FF』のほうが好きだったりした。

『S&D』は『DQ』への反動から構成されているように感じるが、かといって『FF』寄
りというわけでもなく、どこか中途半端な印象を拭えない。
ゲームは3Dダンジョンをメインに進行する。城も街も1つしかなく、そこを拠点にし
てダンジョンの探索を進めていくわけだ。基本はこれだけで他に特筆すべき要素は無
い。その分、見た目には力が注がれていて、パノラマ画面で再現された城と街、スムー
ズにスクロールする3Dダンジョンなど、見た目・遊び易さの両面においての気遣いが
嬉しい。上記の3Dダンジョンや、さりげない拡大縮小などに見られる技術力も、結構
なレベルである。
だが、それだけなのだ。グラフィックはメガドラにしてはキレイなものだが、ゲーム
のほとんどが3Dダンジョンでは、どうしても展開が地味になってしまうし、ストーリー
も無いに等しい。総プレイ時間も短く、システムも含めて「分かりやすく遊び易いけ
ども底が浅い」という何ともこじんまりとした出来になってしまった。
原因としては、ロムにしては充実したグラフィックに、容量のほとんどを喰われてし
まったのが大きいのだろうが、それ以前に設計段階での不味さを感じる。
進行が3Dダンジョンメインなら、戦闘にもう少し戦略性を持たせるべきだったと思う
し、実際「歩いては戦闘、歩いては戦闘」の繰り返しなのだから、オーソドックスな
スタイルでは後から退屈になってくる。それならストーリーで挽回すれば良いのだが、
それも出来ていない。というか『シャイニング』シリーズは手を変え品を変え、この
後も続く事になるのだが、総じてストーリーが面白くない。失礼な話だが、このシリー
ズの脚本を担っている高橋氏に、恐らく脚本家としての資質が足りていないのだと思
う。
遊び易さでは『DQ』と匹敵するが、堀井雄二氏の脚本が無く、かといってグラフィッ
ク偏重になったところで、弱いストーリー&3Dダンジョンでは見せ方を膨らますのに
も限界がある。
発売当時は、物珍しさでそれなりに楽しくプレイ出来たものだが、今やる価値はほと
んど無いだろう。スムーズな3Dダンジョンなど、ポリゴン全盛の今となっては特筆す
べき事もないし、ゲーム性も薄いものなので、そこでカバー出来るような代物でもな
い。

このゲームの事を今思い返して感じるのは、ゲームに限らず「時代や思い入れって物
事を左右するものなんだなぁ」という至極真っ当な事で、「やっぱりその時代だった
からこそ輝いて見える物もある」、というこれも至極真っ当な事である。
今でも「良かった」と思えるのは、このゲームをリアルタイムで体験出来た、という
事だけになってしまうが、それは「売上以前に性能に惚れる開発者が昔は多かったの
かも知れない」という少し寂しい思いも込みなので、何だか複雑な気持ちにもなって
しまうのでした。

★余談です。このゲームの発売直前に、とあるゲームショーで初めて(かなり発売前
の)『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』をやりました。その時の興奮が『S&D』を遥か
に超えてしまって、『S&D』に対する興奮がかなり薄れてしまった、という由々しき
事態へと発展。やらなきゃ良かったぜソニックなんて。

※1SAM
TRFのバックダンサーというより「安室奈美恵のダンナ」と言ったほうが通りが早い
か。せっかく芸名で通してたのに、結婚報道のせいで「丸山」という名字がバレたの
は何だか悲しいね。「氷室」とかだったら良かったのに。

※2高橋宏之氏
現株式会社キャメロット社長。メガドラ〜サターンの『シャイニング』シリーズ中心
人物。完全なセガ派と思われていたが、実弟秀五氏と組んだ『マリオゴルフ64』や
『マリオテニス64』で、任天堂のベストパートナーの1社っぽい位置に。しかもムチャ
完成度が高く「こっちのほうが合ってんじゃん」と実感。『ソニックゴルフ』とかじゃ
なかったのは、やはり商売絡みか。

※3内藤寛氏
現株式会社クライマックス社長。見た目はミーハー風な日焼けアンチャン。メガドラ
で『ランドストーカー』、サターンで『ダークセイバー』といった硬派なゲームを発
表する一方で(他にスーファミやドリキャス用ゲームも開発)、プレステで『ランナ
バウト』(DC版もあり)という己の車趣味全開のゲームを発表、彼的にはこっちの路
線のほうが楽しそうだが、ゲーム自体はイマイチ煮え切らず物足りないので何とかし
てくれ。


スーパーサンダーブレード

こ、これが“スーパー”なのかい?

メガドライブ同時発売2本(!)の内の記念すべき1本。個人的には初めて買ったメガ
ドラソフトで、やはり記念すべき1本。これを嬉々としてプレイしていた当時の俺に
同情したい。それぐらい今やっても面白くない。っていうか出来ない。別に極端に出
来が悪い、とかそんな事じゃないんだけど、今のゲームの表現力との差の開き具合に
付いていけないのである。元は業務用の“体感ゲーム”シリーズの1つ『サンダーブ
レード』というゲームで、操る自機はヘリコプター。業務用だと、気分の出る筐体込
みでなかなか楽しかったのだが、昔の業務用と家庭用のハードの差は圧倒的で、“完
全移植”は夢のまた夢であった。1988年に発売された、当時最新ハードのメガドライ
ブでさえも同様で、サターン、プレステが出るまで“完全移植!”と謳ったゲームは
大体ウソである。加えて『サンダーブレード』は拡大縮小機能を駆使していたので、
それがハードでサポートされていないハードへの移植は、さらに困難だったのだ。し
かし、その業務用を無謀にも移植、と思ったら完全移植出来ないので、アレンジして
軽くゲーム性変えて、“スーパー”とか冠つけて発売したのである。すんなよ普通。
グラフィックは余裕で下回ってるし、音楽は何かワケ分からんし、ギクシャクした拡
大縮小がゲーム性に影響を与えて、すんなり遊べない。ゲーム性が優れていれば、グ
ラフィックのレベルなど関係なく楽しめるものだが、元々考えてない移植だったので
ゲーム性は壊滅状態。だから今やっても全然面白くないのだ。本当に何故移植したの
か首を傾げるのだが、当時からセガは自社の人気業務用ゲームの移植を売りにしてい
て、半ば宿命だったのかも知れない。もう1つの同発ソフト『スペースハリアー2』も
ゲーム的に似たようなもんで、もう少し考えて欲しかった気もするが、当時はそれな
りに新鮮だった。良い時代だったのね。別に誰にも薦めないし今買う必要も全くない
ので、わざわざ取り上げる必然性も皆無なのだが、何事も“初めて♪”は思い入れ深
いものなので。


スーパーファンタジーゾーン

ホント幸せ

例えばアクションゲームで理不尽にシバかれる、シューティングゲームでゴージャス
な弾幕にシバかれる、こういう事態がしばらく続くと、まず間違い無くコントローラー
を投げ付ける。そういう人間である、僕は。
そんな「ゲーム短気」な僕でも、『ファンタジーゾーン(FZ)』に関しては例外で、
いくらシバかれてもキレない。アッパーかつポップ過ぎるBGM&グラフィックに囲ま
れていれば、キレる気も起こらない、というものである。
この作品は、その『FZ』の続編という形になっている。何故『〜2』にならないのか
と言えば、悔しい事に“セガマークIII専用ソフト”として先取りされてしまったか
らだ。

ゲーム性に関しては初代と大差ないので、詳しい説明はソチラを参照して頂きたい。
変わったと言えば、ボムとスペシャルウェポンが区別され、アイテムが追加された事
ぐらい(場合によっては3ボタンになる)。あとはグラフィックとBGMの全面リニュー
アルである。
特に『FZ』においてグラフィックとBGMは、ゲーム性と同等、またはソレ以上に重要
な要素であるだけに、ココの出来がゲームの完成度を大きく左右すると言っても、過
言ではない。

取り敢えず、グラフィックデザインに関しては正直、初代には及ばないと思う。セガ
マークIIIの『FZ2』に比べれば格段にセンスの良い仕上がりだけど、全体的に少々ウ
ルサイ気がする。それでダメなのかと言えば、そういう事でも無くて、「にしてもよ
く考えたなぁ」という立派なレベル。全体の色合いや疑似拡大縮小など、メガドラオ
リジナルであるのも考慮に入れると、素晴らしい仕上がりだと思う。各ボスの攻撃方
法/撃退法含めて、『FZ』ならではのセンスを十二分に受け継いでいるのだ(最終ボ
スが少し物足りないけど)。
次にBGMだが、コレは文句無しに素晴らしい。まず「音」の鳴りが良くて、効果音も
初代そのまま。完全オリジナルなのに、『FZ』以外の何者でも無いという、驚異の完
成度。キャッチー具合も抜群で、初代とタメをはれる曲もいくつかある。加えても
う1つ素晴らしいのが、その初代BGMも収録しているという点で、コレがもうソックリ
なのだ。おかげでオプションモードに入り浸るハメになるのだが、実はその初代BGM
でゲームをプレイ出来るという裏技も装備。至れり尽せりである。
(ABCボタンを押しながらスタート、ステージ開始までスタートボタンは押したまま)

初代をプレイした事のある人なら、ゲーム中「ニヤッ」とする箇所も満載で、こんな
事は開発者が『FZ』を好きじゃないと出来ない話。簡単に言えば「オマージュ」なの
だが、それも生半可なレベルでは無い。
例えば、※レッド・ツェッペリンが好きで好きで、どう聴いてもレッド・ツェッペリ
ンな「オリジナル」を演奏している“シナモン”というバンドがいる(まだ活動して
るのかな)。時に「本物以上に本物」と称される彼等のようなバンドから感じるのは、
対象に対する限り無い「愛」である。つまり『スーパーFZ』からも同様の印象を受け
るのだ(特にBGM)。それがとても良い気分にさせてくれる。

アッパーかつポップ過ぎるBGM&グラフィック、加えて開発者の愛情にも囲まれてい
る『スーパーFZ』。そんなワケで、なお一層キレる気が起こらない。そして個人的に
は「俺は本当に『FZ』が好きだなぁ」と実感させてくれるナイス過ぎる作品。中古市
場では、それなりに良い値段が付いているけど、定価6800円という事を考えて、無理
が無ければ是非購入して下さい。勿論ファンにとってはマストアイテム。

※レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN[1968〜1980])
ハードロックの元祖とされる偉大なバンド。メンバーはロバート・プラント(vo.)、
ジミー・ペイジ(g.)、ジョン・ボーナム(ds.)、ジョン・ポール・ジョーンズ
(b.)の4人。一般的に有名な曲は“Stairway to Heaven”(天国への階段)だろう
と思う。ジョン・ボーナムの急死によりその幕を閉じる。“Achilles Last Stand”
(アキレス最後の戦い)辺りの曲のテンションは、今聴いても十分にフッ飛ばされる
ので、興味があればオススメ。


スペースハリアーII

ツッコミゲー

コレを書いている現在から約1週間ほど前に、久し振りにプレイしてみて何となく全
面クリアもしてみた。レユーを書くための確認作業という意味合いの強いプレイで、
「今まで気付かなかったナイス要素があるかも」と思ってやっていたが、そんな発見
も何もなく淡々とした時間。
発売から10年以上が過ぎて、メガドライブも2世代前のハードになって、今さらこん
な事言うのもどうかと思うけど、何でこんなゲームを発売したのか。

メガドライブ発売前後の時期には、『スペースハリアー』のネームバリューはまだそ
れなりにあったと思うので、ハード立ち上げに合わせて関連作品を出す、という考え
自体はまぁ納得できる。
加えて「新しいハードで完全(に近い)『スペースハリアー』をやりたい」というファ
ンの声もあっただろう。
しかし、このゲームはファンの期待に応える快作などではなく、ただネームバリュー
を利用しただけのモノである。

例えばキャラクターのデザイン。「一歩間違えれば物凄くカッコ悪い」という、ギリ
ギリのバランスで成り立っていたのが、『スペースハリアー』のデザインだが、『2』
では困った事に一歩間違えてしまった。ワケわかんなく作れば良いんだろう、と思っ
たのかどうか知らないが、ひたすらセンスが悪い。
ワケは分からないが、何処か傾向的に統一されたモノが前作にはあって、ソレが独特
の空気を作り出していたものなのだ。今作の「鎧」や「カエルもどき」の敵など、勘
違いの頂点である。
冒頭に、自分のプレイ中の事を「淡々とした時間」と書いたが、実は「ツッコミの時
間」でもあって、敵(特にボス)が出る度に「なんやソレ!」、「エー!?」、「終
わりかい!?「ヤバー!」などと真顔で口に出していた。溜息につぐ溜息の連続。
音楽もヒドイ。音がショボイという欠点もあるが、曲自体が決定的にダメである。音
が良い悪い以前の問題。メインテーマだけは前作の展開を踏襲しており取り敢えずま
だマシ、ソレ以外のボスのテーマ曲などは全滅。旋律が変なのだ。なんか唐突という
か音痴というか、ウマイ言い回しが見つからないが、とにかくカッコ悪い。

前作のキャラも一部登場したりと、ファンをニヤリとさせる配慮もあるが、場合によっ
てはニヤリとした口元が歪んでしまうような感じで、オマージュというより単なるB
級コピー品といった趣きである。「今やるからヒドく思うのかな」と考えて、初めて
やった時の事を思い出してみたが、やはり落胆していた記憶があるので、元からそう
いう事だったのだろう。逆に前作のデザインは今見ても変で楽しくてカッコ良いと思
う。曲は言わずもがな。

実はゲーム感も前作と微妙に違っているが、だからと言って3Dシューティングとして
「クソ」と言うワケでは無いので、コレはコレと割り切ってしまえば、別にそんなに
気にならない。
ただ、グラフィックや音楽は、前作と比べなくとも「イケテない」なので、どうして
も許す気になれないのだ。「別にもう許しても良いだろう」と思う方もいるかも知れ
ないがダメである。
よりによってコレが「新ハード同時発売」という重要な立場を担った事、もう1つの
同時発売ソフトが『スーパーサンダーブレード』な事、それら引っ括めて「セガのワ
ケ分からなさ」を象徴しているような気がして、コレは未だに無視できない存在であ
るからなのだ。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ

イタリア髭親父を追い抜かせ!

御存じセガのネームバリューをグッと上げる事に一役買った名作。同時に『スーパー
マリオブラザーズ』以降、亜流ばかりだった横スクロールアクションに風穴を開けた
という意味でも重要作である。スーマリというのは、チビチビ歩きながら敵への対処
やアイテムの使い方において、ある程度の戦略性を要求するような、勢いだけでは終
わらないゲームである。「Bダッシュ」と呼ばれる走らす事の出来る操作もあるが、
上級者向けみたいな所もあり、初心者が最初からこれを駆使してゲームを進める事は
困難だったのだ。ゲームがうまくなれば使いこなせるし、それによって自分の上達度
が如実に解る。しかもそれが楽しいと思わせる点において非常に完成度が高く、以降
の任天堂ゲームに受け継がれる傾向を導いた傑作である。そのあまりの完成度とゲー
ム性の高さゆえに、後発のゲームはスタイルも含め、なかなかスーマリを超える事が
出来なかった。それをソニックは始めから「走らせて」しまったのだ。つまり「アイ
テムとか敵とか取り敢えずそんな事は置いといてカッ飛ばそうや」という事で、今ま
での横スクロールアクションに無かったスピード感を前面に売り出し、それに歩調を
合わせるかのようなシャープなデザインワークで、新しいスタイルを生み出したので
ある。もちろんアクションゲームとしての“旨味”も充分に兼ね備えており、操作に
必要なボタンが十字キーとボタン1個というシンプル具合もよく考えられていると思
う。実際、僕が初めてこのゲームをやった時はスーマリ以来の感動を味わったし、業
界への影響力も強く、これ以降「ソニックタイプ」と称されるアクションゲームが数
多く発売される事になった。だがこのゲーム、一般的には完成度に見合った話題を集
める事は少なかった。これにはメガドライブの普及台数にも大きく関係あるのだが、
もう一つセガ特有のセンスが原因となったのだと思う。この会社のセンスは基本的に
アメリカンというか、カラっとしたグラフィックや、場合によっては(いい意味で)
大雑把なゲーム性など、元々の発想が他の日本のメーカーとは趣きを異にしていた。
その証拠にこのゲーム、カウボーイの国ではバカウケだったのだ。日本人離れしたセ
ンスのポップなグラフィックセンス。生意気そうなソニックのイメージ。日本よりむ
しろアメリカ濃度高めなソニックは、一躍人気キャラクターとなったのである。そし
て彼の地におけるゲームハードのシェアを、任天堂と二分するぐらいまでに(追い抜
いた事も!)獲得するキッカケをつくった。それどころかヨーロッパでも人気爆発、
今でもフランスではパスタのパッケージに使用されるくらいの、安定した人気を保っ
ている。日本でもソコソコの人気と知名度を獲得したが、欧米に比べると今一つであっ
た。任天堂天下を壊すには、まだ力不足だったのだ。何故なら当時から『ドラクエ』
と『ファイナルファンタジー』の人気は大きく、それが出来るハードはスーファミだ
けであったからなのだが、アメリカでこの2作品は国民性の違いで人気が低く、それ
ほど影響力を持っていなかった為、ソニックが切り込んでいける余地は充分あったの
だ。加えて、ソニックが上記のような魅力を持っていたので見事成功したわけである。
あまり言及されないが、音楽をドリカムの中村正人氏が担当しており、僕の記憶では
ソニック以外に彼が担当したゲーム音楽はなかったはず。しっかりゲームの雰囲気に
あった曲を提供しており、さすがはプロの仕事。そして…(以下『ソニック2』へ続
く)


ソニック・ザ・ヘッジホッグ2

もっとこっちを見て!

ヒットしたゲームには当たり前のように続編登場。中村氏も続投。前作は確かに名作
だと思うし、「記念すべきシリーズ1作目」という点で重要ではあるが、『2』はその
前作での不満点を殆ど解消し、より完成度が上がっている。前作からの変化としては、
システム的には新キャラクター『テイルス』と2人同時・協力プレイの要素の追加、
ゲーム的には冗長だったステージ構成のスリム化、バリエーション・演出の強化など。
これらの改良は前作の弱点を補うものばかりで本当ならグゥの音も出ないはずだが、
一つ気になったのは相変わらずスピード感を殺した作りのステージがあるところ。
『ソニック』の一番大きな魅力は、なんといってもそのスピード感にあるのだが、そ
のスピードに乗って飛ばしていると、着地地点にトゲやら敵やらが配置してあるとい
う意地の悪いステージが、前作から続いて残っている。そのせいで無意味に難しくなっ
ているし、加えてステージ数も多いので、これならせめてパスワードセーブぐらいは
付けて欲しかった。『2』では一応、そんな傾向のステージとスピードを出せるステー
ジが交互に出てくるような構成になっているが、別に全編速く飛ばせるモノで通して
も良かっただろうし、(恐らく)展開に起伏をつけようとしてテクニカル面を入れる
必要もあまり無かったと思う。これには賛否あるだろうが、別に簡単にクリア出来て
も、そのスピード感からくる「中毒性」という魅力も『ソニック』にはあるので、
“1回オールクリアしたらもうオワリ”というようなゲームではないはず。そもそも
このゲームはスピード感を売りにしているのだから、そこを突き詰めていたら、さら
に斬新なスタイルが生まれていたような気がするのだ。前作の不満点は大方解消され
たが、それ以外の根本的進化が見られないのが唯一残念。ただ、突き詰めた上でバラ
ンスをとるには、開発時間も満足と言えるほど無かったと思う。実際は、(メガドラ
イブでの)シリーズを通しても最高傑作といえる出来なのだが、ドリキャスで新作が
発売され「2Dのソニック」にこれ以上の進化を求める事は実質無理になったので、な
んだか悔いが残るのだ。『3』以降も佳作ではあるが、技術力の向上以外に差し当たっ
て目を惹く変化もなかったし、ゲーム的にもさらにマニアックな方向へ行った気がす
るので、かなり迷いながら作っていたかも知れない。或いは「商売」として早急に続
編を出す事の方が、会社的には重要だったはずなので(つまりは上司の命令)、開発
側も「これ以上進化させるのは時間的に無理」と判断したのだろうか。でも方向性と
して、今までより難易度を下げて間口を広げるという選択もあった思うし、これが出
来ていたら日本での大ブレイクも望めたのかも知れないのだが、逆にこれが出来ない
のがセガの弱点でもある。難易度が低くて「ヌルい」と言われるゲームは、単に「ヌ
ルい」のであって、だから「面白くない」というのとは違うし、ドリキャスを真剣に
売りたいのなら、硬派なセガユーザー(ゲーマー)の意見に左右されず、その辺のバ
ランスをもっと真剣に考えた方が良いだろう。今のセガはそういう事をまだ軽視して
いるように見える。なんだか文句ばかりになってしまって、結果セガ批判に至ってし
まい書いた本人もビックリのレビューになったが、普通に「メガドライブで面白いゲー
ムをやりたい」という方には『ソニック』はこの『2』だけで充分だと思う。メガド
ライブでもトップクラスのゲームであるのは間違い無いので。シリーズ全部を集める
のは自分がその気になった時で良いんですよ。


ダーウィン4081

案外マジメなメッセージがあるのかも

データイーストが87年に発表したアーケードゲーム、『ダーウィン4078』のアレンジ
移植。何故3年も経って、若干マイナーだったコレを移植しようと思ったのか気にな
るが、個人的には好きな作品だったので、嬉しい移植ではあった。
当時ポピュラーだった縦スクロールシューティングにも関わらず、広く注目されなかっ
た原因として、特異な世界観に特異なパワーアップシステム、そんな事より「データ
イースト作品だったから」というのが一番デカイのか。
縦スクロールシューティングのスタイルとしては、空中ショットと地上ボムを使い分
けるタイプの所謂『ゼビウス』系。「一撃必殺3発ボム」などといった便利なモノは
装備されていない。

タイトルの「ダーウィン」とは「ダーウィンの進化論」の「ダーウィン」で、つまり
このゲームの売りは「自機の進化」である。従来のシューティングでは、パワーアッ
プアイテムを取ると、ショットの威力が強くなるとか、レーザーに変わるとか、単な
る武器の変化のみであった。しかしこのゲームは一味も二味も違う。何と自機の形自
体がニョキニョキと変化するのである。進化は最高12段階。このアイテムには「EVOL」
という名前が付けられており、「EVOLUTION(進化)」という単語の頭だろう。直球
で分かりやすい。

面白いのは「進化」どころか「退化」までしてしまう事で、一定時間EVOLアイテムを
取らないと、これまたニョキニョキと1段階前に戻ってしまう。冷静に考えれば単に
鬱陶しい仕様だし、退化中は一切の攻撃が出来ないので、また輪をかけて鬱陶しい。
だが、EVOLアイテムはかなり頻繁に出てくるので、ある程度キッチリ取っておけば退
化の心配は無いのである。しかし敵弾に当たってしまうと、一気に最弱ランクに退化
してしまうので、ココは腕の見せ所。裏を返すと、1段階でも進化しておけば、敵弾1
発で死ぬ事は無い(敵に直接ブツかると進化状態関係なく1発死)。
順調に進化を重ねていけば、ボスでも瞬殺出来るほどの攻撃力を持つが、進化するほ
ど自機もデカクなっていくので、敵弾が避けにくい。適度な段階で止めておくか、最
高形態を目指しソレを持続させるのか、これは各人の自由。

さらに面白いのが「突然変異」で、ある条件を満たせば、何か妙チクリンな形になっ
てしまうのである。あまりに使えないモノだったり、無敵状態に近いモノだったりと
色々あり、間違って突然変異してしまうと、かなりヘコんだりもする。(ちなみにこ
の状態でも「EVOL」アイテムを取れば、それなりに進化してくれる。)
この突然変異を左右するのが、「B-EVOL」というアイテムで、コレを進化の途中など
一定の段階で取る事で、突然変異が起こるのである。ちゃんと法則を理解しておくと、
突然変異までコントロールする事が可能なのだ。そういえば「B-EVOL」の「B」は何
の「B」だろうか。やはりコレも直球に「BAD」か。「BAD-EVOLUTION」…なんて頭の
悪い響き。

あと、地上の敵が出す「DNA」というアイテムがある。コレを集めておけばアウト後
に、取った数と同じ進化形態からスタート出来るのだ。アウト後の行き詰まりを回避
する為の処置だろう。

進化に退化に突然変異。形態によって空中攻撃に優れていたり、地上攻撃に優れてい
たりと、かなり自由度の高いパワーアップシステム。これはさぞかし奥の深いシュー
ティングだろうと思いきや、このシステムを受け入れる器の部分、つまり肝心のステー
ジデザイン自体が面白くないのである。
ステージによって、形態を選び、場合によっては突然変異で御機嫌を窺う、そんな戦
略を立てて望むより、正常な進化形態でグイグイ進むほうがずっと楽なのだ。パワー
アップシステムの斬新さに、他の部分が追い付いていない。普通に進化を重ねて、時
折出る「DNA」を集めておく。そういう事に頑張っていれば、まず確実にクリア出来
ると思う。ある程度の敵パターンを覚えておく必要もあるだろうが、そんなのはシュー
ティングゲームにおいて、大なり小なり必ずある要素である。
ゲーム性的に「破壊の快感」に重点を置いたモノでは無いし、売りである「進化によ
る戦略性」も十二分に生かし切れていないのだから、結局中途半端な印象を与えてし
まう。「データイースト作品だったから」売れなかった、などという理由は実はウソ
で、単純にゲームの面白さの問題だろう。まぁ若干影響していたのかも知れないけど。

僕が何故この作品を好きかと言えば、消化不良とは言えやはり「進化」というアイディ
アが楽しいのと、ソレを含めたビジュアルが斬新で面白いから。ニョキニョキ進化す
る自機も楽しいが、ステージの背景や奇抜なボスデザインなど、ココでも※「デコ節」
は健在である。
見た目の段階で人を選ぶ作品であるのは確かだと思う。それでも1度プレイしたら、
病み付きになるぐらいのゲーム性を備えていれば、「個性的傑作」として後世に名を
馳せたかも知れない。このゲームのアイディアは「こんなゲームもあったなぁ」レベ
ルで留めておくには、あまりにも惜しいモノだと思うので、少しでも興味があったら
是非試してみて下さい。

ところで『ダーウィン4081』でこの長文ってのは珍しくないかねぇ。

※「デコ節」
データイーストの個性的過ぎる作風に対する一種の誉め言葉。デブヒゲ親父が主人公
の『カルノフ』、タイトルからすでにお笑いの『トリオ・ザ・パンチ』、木を登るの
で『のぼらんか』、チェルノブイリ原発に引っ掛けた『チェルノブ』、今挙げた以外
にも素敵な怪作が目白押し。そら社長も椎茸栽培するっちゅう話やで。


ダライアス2

何故タイトーの説明書は「地味」なのか

『ダライアス』は元々ゲーセン用のゲームで、『1』の3画面筐体、『2』の2画面筐体
と、家庭用ハードへの移植を「無い事」にしてしまっているシリーズだったが、『1』
はNECアベニューがPCエンジンにて果敢にチャレンジ。よく頑張ってはいるが、ゲー
ムとして面白くないのと、画面のチラツキが泣かせる出来であった。
しかし、この『2』、開発は知らんが、本家タイトーからの発売。しかもサードパー
ティ最初の8メガロム採用と、モノホンのヤル気を感じた。内容的には、シリーズ移
植作品の中で、2番目に良い出来になっていると思う。(1番目はサターンの『ダライ
アス外伝』。)

ちなみに僕が『ダライアス2』と言う場合は、基本的にこのメガドライブ版の事を指
しており、オリジナルは1、2回やっただけである。メガドライブ版で削られた要素は
サターン版『ダライアス2』で確認、という具合なので移植度は正直よく分からない。
プレイ感が近いか近くないかなどサッパリ。
で、その比較対象として使用されたサターン版『ダライアス2』、コレがあまり面白
くない。「移植の出来が悪い」とよく聞くけど、2画面筐体→1画面テレビときたら、
そんな事以前の問題になると思うのだが、どうだろうか。
そのサターン版、全要素キッチリ入っているのは当たり前として、画面の拡大縮小
(任意で行える)を用いる事で、2画面の比率でも表示出来るなど、なかなか心憎い
作りになっているような気がする。しかし小さすぎて見にくいという弊害が生まれる
ので、適当に見えやすいサイズに拡大、すると2画面でゲームバランスが取られてい
る為、プレイがなかなかツライなどと、やはり弊害発生。実は結構扱いに困る機能な
のである。(でも画面ごと拡大縮小出来るのは“次世代機”っぽくて楽しい。)
その点、拡大縮小という荒技が使えないメガドライブでは、最初から1画面用に設計
し直す必要がある。その際のバランス取りが優れていたので、メガドライブ版は遊べ
るゲームに仕上がったのだろう。
元々2画面のモノを1画面というテレビモニターでプレイする以上、比率がどうだろう
が、無理が出て来て当たり前。サターン版では「ハード性能を駆使して2画面を再現
しよう」と意気込んだのかも知れないが、「2画面サイズテレビ」でも出ない限り、
完全移植は絶対に無理で、そんなモノが出る事は有り得ないので、完全移植など永遠
に不可能な話なのだ。

ゲーム性だけでも十分に成功していると思うメガドライブ版『ダライアス2』なのだ
が、グラフィックの質的にもオリジナルに非常に近い感触を持っていたのが嬉しかっ
た。「元をそんなに知らないクセに、何でそんな事が分かるんだ」と言われそうだけ
ど、「移植作品において、オリジナルと画面写真を見比べて悦に入る」という習性を
僕は持っているので、発売前後の時期に比べ倒していたワケなのだ。少ない容量、少
ない発色数で、出来る限りの忠実な移植が行われていて、見応えもバッチリである。
あと、サターン版を買ってから分かった事なのだが、音楽もかなり出来が良い(サター
ン版にはオリジナルのBGMがそのまま入っている)。元々、構成、音数、共にシンプ
ルな作りだったので、再現しやすかったのかも知れないが、にしてもよく出来ている。
元々の曲の良さがシッカリ堪能出来る仕上がり。変な音だらけの『1』のようなBGMだっ
たら、再現するのはかなり難しかっただろう。
難易度も調整されて、オリジナルより遊び易くなっているらしく、確かに適度な難易
度。慣れてきたらサクッと遊べてサクッとクリア出来てエエ塩梅である。『ダライア
ス2』自体、奇をてらった所のないシンプルなシューティングゲームなので、初心者
も楽しめると思う。

「メガドライブで『ダライアス2』なんて」と二の足を踏んでいる新規メガドラユー
ザーの人には、即買いする事をオススメ。現在はほぼ捨て値で売られているので、買
い易いはずだし。
“移植ゲーとはどうあるべきか”という事も、さりげなく教えてくれる良いソフトで
す。

*このレビュー、実はサターン版『ダライアス2』のレビューも兼ねています。THEウ
ル技(テク)。


ツインクルテール

パッケージは“ろりぷに”イラスト

分りやすく言えば『奇々怪界』の焼き直しで、『奇々怪界』が何か分からない人は
『戦場の狼』でどうでしょうか?その『戦場の狼』』も分からなければ『怒』辺りで
どうでしょう?それも分からないって言うんだったら『ファイナルゾーン』は?って
余計にマニアックな方向へ進んで行く俺を誰か止めてくれ。
でもまぁ、そういう事なんです。

見下ろし型のシューティングと言えばそうなんだけど、プレイヤーが人間なので、操
作感も通常の縦スクロールシューティングとは違ってくるし、何よりも強制スクロー
ルじゃなくて、任意スクロールなのが大きな違い。アクション性が強くなって、爽快
感は後退している、といった印象。そんなタイプのゲームスタイル。

操作法は簡単。3種類切り替え出来るノーマルショットと、ボム扱いの“魔法”が3回
分常備出来るようになっていて、ソレ以外の面倒な要素は一切無し。難易度もそんな
に高くないし、任意スクロールでジックリ進められるから、初心者もプレイしやすい
とは思う。
ストーリーの設定はファンタジー調で、魔法使い見習いの女の子が主人公。話の進行
自体は、どうって事無いありきたりのモノで、別に深く気にしなくても良い。

で、このゲームの困る所は、上記以外に取り立ててポイントが無いという事。「ココ
が見所」って箇所も見当たらないし、出来があまりに平均的なので、逆に悪い部分の
ほうが目に付く。
個人的な好みも含むが、まず絵のセンスが悪い。凡庸なデザインで、描画も少々雑な
のが気になる。デモ画面などはそれなりの出来なんだけど、「『ツインクルテール』
ならでは」というセンスが、全く感じられないのは残念。
次にゲームバランスの取り方。先に書いたように、全体の難易度自体は高くないのだ
が、乱暴な敵配置などで、変に小難しい箇所がいくつかある。一番分かりやすいのは、
通常の縦スクロールシューティング面。自機の大きさを考慮に入れてないステージデ
ザインで、ココで詰まる人も少なくないと思う。最終ボスの攻撃も、あんまり考えて
ない感じだし。

ただ、コレより遥かにヒドイ作品が、星の数ほどあるのも確かである。そのほとんど
は、現在「捨て値」で取り引きされているモノばかりだ。しかし、このゲームは出荷
本数が少ないらしく、市場の中古には割と良い値段が付いている。『ツインクルテー
ル』は捨て値で良い、というワケでは無いが、値段に見合った内容かと言うと、正直
首を傾げる出来。別に『ツインクルテール』が悪いんじゃなくて、ただ本数が少ない
からと言って、イタズラに値段を上げるショップが問題なんだけど。
「プレミア価格のソフトは皆すごいソフトなんだ」と思っている人もいるかも知れな
いが、実はそんな事では無い場合のほうが多いのだ。大体が「本数が少ないから」だ
けの理由である。買う時は本当に覚悟を決めておかないと、コッチが後悔するハメに
なるかも知れないという、割と当たり前の話なのでした。


トージャム&アール

唯一無二のヒップホップゲー

グーム音楽にヒップホップが使われてる場合って、「なんちゃってヒップホップ」や
「気分はブレイクビーツ」が多くて、つまりゲーム会社の社員が適当に作れるわけな
いのである。ヒップホップとは簡単に言えば、DJ、MC、グラフィティ、ブレイクダン
ス、と4つの要素から成る、アメリカン・ブラックが生み出したカルチャーで、生活
スタイルにも大きく関わってくるものなのだ。だから割と様式化してるハードロック
やテクノに比べて、ダメ具合が如実に出やすい。まして「ヒップホップ」そのものの
ニオイがするゲームなんて、簡単に出ないと思う(特に日本では絶望的に)。が、実
は1991年にメガドライブソフトとしてひっそりと出ていたのであった。原産はアメリ
カ。内容は「宇宙人2人組(トージャム&アール)の乗っていた宇宙船が故障。“地
球”という惑星に墜落。で、二人して散らばった宇宙船のパーツを集めて脱出するナ
リ」というものでジャンルはアクションゲーム。もうこれが素晴らしくヒップホップ
を感じさせる傑作なのである!しかし、ゲーマー界隈での現在の評価は「バカゲー」
とか、もう大変な事態になっているのです…。まず軽視されてるのが「ジャムアウト
」ってモード。これは(4分割された)画面にトージャムとアールが正面向いて立っ
ており、各ボタン(十字キー、A、B等)に割り振られたハンドクラップやスクラッチ
音などを、バックに流れるブレイクビーツに合わせて入れていくという、それだけの
モードなのだが、コレがゲーマー界隈では「オマケ」として片付けられている…。コ
レは疑似DJ気分を満喫させるモノであって、実はこのゲームの本質の一つなのである
(コレを元に『パラッパラッパー』は作られたという話を聞くが、作者がミュージシャ
ンである松浦氏なので、こんなところに目を付けていてもオカシクない)。ゲーム本
編では、ここで使われているネタを元にBGMが作られているが、コレがまた最高!※
オールドスクールノリの素晴らしくファンキーな曲揃いで、メガドラの(今となって
は)チープな音源が、より雰囲気を醸し出しているのだ。これらをバックにプレイす
るゲーム内容が非常にキテおり、ここいらへんが「バカゲー」の称号を受ける一番の
要因になっているのだろうと思う。2Dマップ上をダラダラ歩きながら宇宙船のパーツ
を探すのだが、かなり淡々としたものである。別に盛り上がりとか、進行上の節目と
か、そんなモンは皆無である。大体ヒップホップって音楽自体、極端に言えばサビと
か、ドラマチックな盛り上がりとかが無い音楽なので、この淡々具合は強引に言えば、
らしい感じもする。彩りを添えるのはキテレツな登場キャラどもで(近寄るとはね飛
ばされる“買物ママ”とか、ハ〜レルヤ♪と歌って体力を回復してくれるヤツとか)、
舞台が地球である事を思い出すと、かなりオカシイ。だが、このバカノリの敵の発想
も特有のモノがあって、「バカゲー」否定しながら書いといて何だが、このバカノリ
も重要だったりする。ヒップホップは元々パーティミュージックとして誕生したので、
こういう「FUN」の要素は欠かせないモノであるからだ。最後に極め付けはトージャ
ムのファッション。胸に光るゴールドメダルなんかはもう!。ラッパーはよく「俺は
こんなに儲けたんだぜ」と誇示する意味で、ヒカリモンをよく身に付けたりするのだ
が、ゴールドメダルはその象徴みたいなモンである。僕などは、上記のキャラの発想
や、宇宙とかそんなキーワードはPファンクのノリを感じさせるし、全体を含めてラッ
パーのアイス・キューブ主演の映画、『フライデー』と近いノリを感じるのだがどう
だろう?御存じの方。とにかく僕にとっては最高のゲームの一つ。音楽好きな方は出
来れば是非プレイしてみて下さい。エミュって手もありますので頑張って!お願い!
やって!バカゲーのまま終わらすのは勿体無いゲームなので!
※オールドスクール 一般的には、ヒップホップ(ラップ・ミュージック)が世間に
認知された1980年頃から、89年頃までに出たアーティストの事を総じてこう呼ぶ。以
降のアーティストは“ニュースクール”と呼ばれる事になるが、区切りとしては1993
〜4年迄の事だと思う。


バーニングフォース

今見ても充分キレイ

メガドライブでは、マイナーなタイトルが主流のナムコだったが、本数だけは何故か
出ており、参入した年の90年だけで5本もソフトが出ている。明らかに過剰な数字で
ある。今になって考えると「本数絞って良いヤツ作れよ」とか思うのだが、単に前か
ら開発していたモノの完成が、重なっただけかも知れない。
ともかく、元ナムコファンであった僕は、メガドライブナムコ作品は当初「即買い」
と決めていたので、その発売ペースは正直ちょっと勘弁してほしかった。別にナムコ
ゲーだけ買うワケじゃないんだしさ。
これで明らかな“ダメゲー”混じりだったら、ブチ切れてみても良かったが、皆そこ
そこ面白いソフトばかりなので余計に困る。困る反面、そのハイペースぶりを小気味
よく感じていたのも事実だった。

この『バーニングフォース』、僕は計4回買っている。発売日当日の1回、売却〜再購
入が2回、メガドライブ自体の再購入時に1回。「買い直すほど好きなのか」と言われ
れば、そういう感じでもないし、実際金に困れば真っ先に売ってしまうような扱いで
あった。では「買い直すほど面白いのか」と言われればソレも違う。傑作、名作など
の部類ではなく、あくまで「そこそこ面白い」程度である。実はその「そこそこ」な
所が重要なのだ。

ジャンルとしては3D視点のシューティングで、セガ『スペースハリアー』の亜流と言っ
ても差し支えないだろう。元々はアーケードゲームの移植なのだが、若干の変更が加
えられているらしい。1ステージは4つのエリアに分かれていて、前半はエアバイク、
後半は戦闘機に乗り換える。戦闘機面はまるっきり『スペースハリアー』といった感
じで、個性はないが、画面を縦横無尽に移動できてプレイしやすい。ソレに比べて、
前半のエアバイク面は、空を飛べないので地面を左右に移動できるだけ。敵の弾も避
けにくく、あまり面白味を感じない。何だか作業的なのだ。
全体を通しての展開も割と単調で、ゲーム性的には「可もなく不可もない」作り。だ
けど、グラフィックとBGMはもっと評価されても良い。
発色数の少ないメガドライブの画面にしては、かなりカラフルで明るいグラフィック。
参入第1弾の『フェリオス』に感じた野暮ったさが一掃されているし、オリジナルの
感触にも近い。キラキラした音色のBGMも曲自体の出来が良く、この辺は「やはりナ
ムコ」と言ったところか。基本的なセンスの良さが際立っている。

コレは僕の思い込みかも知れないけど、メガドライブというハードは、「極端に良い
ゲーム」と「極端に悪いゲーム」ばかりのように感じる。遊べないヤツはホント中途
半端な出来、遊べるヤツはとことん遊べる、といった具合で、中間があまり無い印象
が強い。PCエンジンやスーファミなら、もっと「中堅」があったような気がするのだ。
僕は、その「中堅」の部分をナムコが担ってくれた、と勝手に思っている。それも
「上級の中堅」である。

映画にしたって、音楽にしたって、そしてゲームにしたって、中堅どころの充実こそ
が、ジャンルに安定や潤いを与えるものだと思う。ビッグタイトルや定番ばかりでは、
さすがに疲れてくるし、次に繋がらない。その間を繋ぐ中堅作品のクォリティと数が、
ジャンルの盛り上がりと幅広さを証明する。
メガドライブでの「傑作/名作」ゲームをプレイした後に、ちょっとプレイしてみた
い軽いソフト。そういう意味で、『バーニングフォース』はかなり重宝するというワ
ケなのだ。