“Culture...is that complex whole which includes knowledge, belief, arts, morals, law, custom, and any other capabilities and habits acquired by man as a member of society”
-E.B. Tyler
文化とは何か、その問いを考えることは文化人類学の最初の一歩でもあり、最終的なゴールでもあります。人類学の父と呼ばれるE.B.Tylerは、文化を上のように定義しています。これをもとにぶんかとはなんなのか、そして文化人類学ではいったいどんなことを学ぶのか、ということを紹介していきたいと思います。
まずは、堅苦しい話は抜きにして身近なものから文化を感じてみよう、ということでこんなコーナーを置いてみました。名づけて
さて、こんなんじゃものたりないぜ、もっと本格的なものをよこせ、という方はこの先そのまま読み進めていってくださいな。
はじめに
僕が専攻している“人類学”という学問、初めて耳にする方もいるかもしれません。まずはじめに人類学とはいったいどんなものなのかを簡単に説明してみたいと思います。 anthropology(人類学)という名称はラテン語の人間(anthropo)学(logy)という言葉からきています。その名称からわかるように、“人間”を研究対象とした非常に幅広い学問です。アメリカでは人類学をさらに四つの大きなフィールドに分けて、その研究対象を細分化しています。その四つとは
文化人類学(Cultural Anthropology):研究対象は人間特有の文化
生物学的人類学(Biological Anthropology):研究対象は人間の生物学的特長
言語学(Linguistics):研究対象は人間特有の言語
考古学(Archaeology):研究対象は文字のない時代の人間の生活
となっています。 どの分野においても“フィールドワーク”という研究方法がとられています。つまり、自ら現地へでむいて研究する方法のことです。これは人類学になくてはならない研究法で、人類学の特徴になっています。 このページでは僕がもっとも興味をもっている“文化人類学”の分野を実際に学校でならったことを中心に紹介していきたいと思います。
文化とは
人類学者が長年研究している“文化”ですが、じつはいまだに明確な定義は確立されていますせん。人類学の父と呼ばれているE.B.Tylerはその著書である“Primitive Culture”のなかで文化をこのように定義しています。 “Culture...is that complex whole which includes knowledge, belief, arts, morals, law, custom, and any other capabilities and habits acquired by man as a member of society” “文化とは、社会の一員によって獲得された、知識、芸術、モラル、法、慣習、そしてその他の能力と習慣を含む複雑な全体をいう” つまり、文化とは“学び取る”ものであり、その社会の構成員によって“共有されているすべて”のことをいいます。人はどの社会においても、生まれて育っていく間にその社会の“文化”を学んでいくのです。この過程を“Enculturation”といいます。文化を学ぶ方法はいくつかありますが大きく三つに分けることができます。まずは“individual situational learning”という方法。自分で経験して学んでいくことです。二つ目は“social situational learning”。これは、ほかのメンバーから学ぶという方法です。この最初の二つは動物もおこなっていますが、三つ目の“cultural learning”は人間に特有の方法です。動物にはできませんが、人間には“symbol”を使う能力があります。つまり、あるものをまったくつながりがないもので代わりにあらわすことができるのです。言語が最もいい例でしょう。たとえば、 犬はなぜ“犬(いぬ)”なのか? この問いには誰も答えることができません。犬と“犬(いぬという音)”にはまったくつながりがないからです。ですが、人間には犬がこの場にいなくとも犬の話をする能力があるのです。これは人間が文化を学んでいく上で非常に有利な点になります。このようにして、人は文化を学び、他のメンバーとその文化を共有している生物なのです。
EthnocentirismとCultural Relativism
人間は誰でも“文化”をもっています。その“文化”は必ずしも同じではありません。そのため、異なる文化、もしくは異なる文化を持っている人に対面したときに、さまざまな問題が起こる可能性があります。そのなかでも、もっともおこりやすいのは“Ethnocentrism”というものです。人間はつい自分のもっている“文化”のほうが他のものより優れているとおもってしまいがちです。この考え方を“Ethnocentrism”と呼びます。どんな社会に住む人でも、自分の文化により近いものを“正しい”とか“そのほうがいい”とおもってしまうものなのです。 この“Ethnocentrism”に反対してできた考え方を“Cultural Relativism”と呼びます。つまり、“文化”は他の文化の標準から判断するものではなく、その文化の標準からでしか理解できないもの、とする考え方です。人類学者は基本的にこの考え方をもとに研究していますが、実はキチンと実践するのはなかなか難しいものです。
EmicとEtic
人類学者が“文化”を研究するにあたって、“emic(イーミック)とetic(エティック)”という2つのアプローチの仕方を知っていなければなりません。“emic approach”というのは“研究対象の文化の一員(natives)がどう解釈し分類しているか、どのようなルールがあるか、彼らにとってどのような意味があるか”をしらべることです。つまり、“彼らがいったい何を考え、信じているのかを調べる”ということになります。これはよく“native viewpoint(その文化のメンバーの観点)”といわれます。しかし、当然ですが、彼らが信じているものが必ずしも“truth”なわけではありません。たとえば、われわれが“この病気はヴィールスによっておこる”としっている病気も、もしかしたら彼らは“悪霊がついているからだ”と信じているかもしれません(彼らが劣っているという意味では決してありません)。このように、“彼ら”の考え方や観点ではなく、自分(人類学者)の考えに重点をおいた研究法を“etic approach”と呼んでいます。この方法ではいかに客観的に(逆にいえば人類学者主観ですが)見れるか、という点が重要になってきます。 このように、二種類のアプローチ法がありますが、多くの人類学者は一般的に、この二つをうまく混ぜ合わせてフィールド・ワークをおこなっています。
EthnicgroupとRace
Ethnicgroupという単語とRaceという単語に定義をつけておきましょう。これは非常に多くの人がまちがって使っていたり、または使い方がわからなかったりする単語です。新聞などでもよく間違ってるくらいですからね。人類学の先生たちは努力が足りないんでしょうか(笑)?まず最初に、なんでそんなに混乱が生じるのか、そこから話していきましょう。 最大の原因は人類学のなかで定義が違う、ってことです。そんなのありかい!って思うかもしれませんがよく聞いてくださいね。簡単にいえば生物学的人類学と文化人類学との間で解釈の仕方が違うっていうことです(本当はもうちょっと複雑ですけどこういっても間違いではないと思います)。 生物学的人類学(Biological Anthropology)ではEthnicgroupを“同じ文化を共有する人たちの集まり”そしてRaceを“生物学的特徴を共有する人たちの集まり”としています。つまり前者は“Japanese”とか“African-American”とかをさします。そして、後者は“Mongoroid”とか“Negroid”なんかのことですね。 それでは文化人類学では一般的にどのような定義をしているのでしょうか。こっちが本職なのでちょっと詳しくいきましょう。まず、Ethnic Groupは“共通のバックグラウンドから同一の文化を共有する人たちの集まり”となります。基本的には生物学的人類学の定義とあまりかわりません。ですが、文化人類学では“生物学的特長によって人類を分別することはできない”という立場にたっています。つまり、髪の色、肌の色、顔の形、などなど、そういうものでこの人はなになに人種っていうふうに判断するわけにはいきませんよ、ってことです。ですので、文化人類学のクラスではRaceという単語自体あまり使われません。しかし、一般的によくつかわれているため、無視するわけにもいかず、“Raceという言葉がどのように使われているか”自体を勉強することはあります。 例えば、「(われわれ文化人類学者はそうは思っていないが)日本では“純粋な日本人”という“Race”とハーフの人たちなど“純粋でない日本人”という“Race”があると考えられている。」というような研究はされています。つまり研究対象である文化を共有する人たちがどのような考え方をもって“Race(人種)”をつかっているかを知ることは非常に重要なことだというわけです。
Adaptive StrategiesとEconomic Systems
工事中
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