こちらは、名古屋テレビで放送されました、三池監督が御自身で語られた映画の解説を聞き取った物です。

極道黒社会

 実はこれは台湾映画です。台湾スタッフで作って、日本人は、自分と哀川翔と田口トモロヲだけという状況で作った、最初から最後まで、どしゃぶりの映画です。傘をさして観て下さい。(さわやかな笑顔)

 どしゃぶりのシーンの連続なんで、どうしても本番の時にテンションが高くなるんですよね。田口トモロヲさんと殴り合うというか、一方的に殴りつけるシーンがあって、そこで田口さんは肋骨を痛めてしまったんですが、もう時間も無いので、続行と言う事で。

 ドロドロの痛みと、どしゃぶりの、そういう、なんか熱い映画なんですが、時間はゆっくり流れて行くんで、じっくりと楽しんで頂ければ…。

BLUES HARP

 普通の映画は、誰かが我々の代わりに夢を果してくれるとか、何かやり遂げてくれるっていう、そういう人物、物語りが多いんですけど、自分の場合は、この『BLUES HARP』に代表されるように、やっぱり<届かない>んですよね。

 夢を持ってるから悲しい思いもするし、夢が無いと、その欲望というか願いっていうのが無いと、生きている意味も無いだろうし…ただ、「映画のようには現実は進まないんだよ」という映画なんですよね。

 どこまでも若く居て、自分なりの夢を持ってて、そして、こう…ちょっと傷付いて行くっていう、切ない物語なんで。それを、優しい音楽…ライブシーンが沢山、出て来るので、その音楽に身を任せてもらいながら、男達の戦いというか、流されて行く姿を、じっくりと観てやって欲しいなと思います。

SILVER

 ワイドショーで世間をお騒がせした、その…羽賀研二と、その…桜庭あつこのその…歪んだ(?)愛のはじまり(?)きっかけを作った作品で(「くっ」って、今にも吹き出しそうに話す監督。鼻をつまんでみたり…)二人が熱烈なラブシーンを演って、その延長線上で、私生活もそうなっちゃって、えらいモメたという…そういう、何か結構、刺激的な作品ですよね。

 『これ(この作品)を材料に、ある時間、どう楽しむか』っていう…。心を広くして観て頂くと、楽しんでもらえるものが、いろいろちりばめられているので…。

(首をかしげながら)

 ただこれは、放送用に編集すると、ひょっとしたら短編映画になっているかもしれないので、すぐ終るかもしれませんから(♪)がんばって観て下さい。エヘッ。(満面の笑)

 

オーディション

 どこの劇場でかけても、後半になると去って行く人が居て。それは、ホラーっていうか、ある生理的な刺激に耐えられなくて、『去る』というより、『逃げる』という形で劇場から出て行くお客さんが居て…。自分は、それを見送るのが密かな楽しみで。「あぁ、今日は5人だ」「今日は10人居たゼ」とかね。

 出て行く人達の気持も良く解るっていうか、単なる怖がらせる為のホラーでは無くて、人間の怖さ…。人間っていうのは、怖いなっていう…。で、記憶っていうか、思いっていうか、自分の信じてた物が少しずつ崩れて行って、映画自体に裏切られて行くっていう、そういう仕掛けも、ちりばめてあるんで。

 映画の物語の中に、身を投じてもらえる程、後半、楽しんでもらえると思います。

中国の鳥人

 これは全編中国ロケで、28年ぶりの記録的な大雨(の中)で、半ば遭難しながら撮影を進めていったという、自分の中でも思い出深いというか、今はもうできないだろうなっていう、そういうパワーが漲っている作品だと思います。


 非常にロマンチックな物語なので、最後には見ている人も一瞬だけ空を飛べるようになるかもしれないですから、心をきれいにして見てください。
というより(この映画を)見ると、少し心が洗われると思いますから、(心が)汚れてしまった人たちは、どうぞじっくりと見てください(微笑)。

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