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この約2時間の作品を,観るために,既に何度か映画館に行きました。 なぜなら… あの海野を観ていると,私は,どうしても,みっちーを思い出してしまうのです。
数え切れないほどの銃弾を浴び,敵に向かって「Gooooood!」と満面の笑みで親指を突き出す海野。全身血に染まっての“アイラブユー”…死に際,渾身の力を振り絞って敵に体当たりしていく彼の姿を観ていると、どうしても,私は,1万7000人の前で,枯れる喉で『ペンフレンド』のラストを何回でも歌い直した,みっちーを思い出してしまうのです。 銃弾の前に踊り出た瞬間,海野の脳裏にあったのは,幸平や吉田,奈美恵のことだったかも知れない。だが,太郎が唱える般若心経の響きの中で,彼が繰り返した瀕死の叫び〜“裏切らない!”は,<世界>に向けた<祈り>のようなものであったのではないかと,感じられるのです。 『”君”だけに』という二人称に託し,「1対数千ではなく、1対1として聴いて下さい…」と,あの曲の前に,目を閉じるようにして伝えられた彼の呟き。それが、直接的な“君”という個人から繋がる、個と個の集合体である数千人、そして、その場には居合わせていない,彼方の人々へ…拡がることを希んでいるかのように,深い<想い>を込めて絶唱されたあの歌,そして彼の声…。 実際に届くか届かないか、意味があるか意味がないか,結果,世界に大きな変化をもたらせるか否か。それは、重要なようで、重要ではない。そこに声があること、叫びがあり想いがあり,世界を変えようとする<意志>があることが、何よりも重要なことのような気がするのです。 そんなわけで,『天国〜』のエンケンと,及川光博は,(私の中では)なにか,とても芸術的な領域でリンクしているのです。 (須東 美紅) |