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私にとっての小林多喜二と舞台
制作委員八田満穂さん(岡崎出身)からのメッセージ
私が小林多喜二を舞台の上に立ち上がらせようと思い立っ
て、45年近くなります。今回の津上・米倉・釘崎・八田の
制作委員会方式を含めると3度の舞台作りに関わって、多
喜二との節目節目で企画し上演してきたことになります。
どうしてそこまで多喜二に執着するのか、私の中で、「戦
前、権力によって虐殺された一人の青年がいた」ということ
に、どうしてもこだわってしまうのです。自分の信条に従っ
て命がけで小説を書いた多喜二、それだけなのに、その小説
を毒のように嫌ったのは天皇制権力で、貧しい人々は多喜二
に拍手喝采を送ったのです。民衆はなぜこれほど貧しくなけ
ればならないのかを怒り、その悲しみを肌身で受け止めて訴
えつづけた多喜二。その彼が青春の真只中で、国家権力によ
って虐殺されなければならなかった悔しさ。もし今に生きて
いたら、どれほど偉大な作家になっていたか知れない無念さ。
それを今に生きる私たちが多喜二に代わって訴えなければ、
彼はどうにも浮かばれないのではないか。そんな気持ちが私
を今日まで駆り立て続けてきたのです。
そして2度とこんなことがあってはならない、それを日本人
みんなに考えて欲しい。そのためにも、この芝居はやり続け
るのだと今も自分に言い聞かせています。
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南風洋子さん
(民芸)(母役)の思い
稽古場で日呂登さんの顔を見ていると
涙が出そうになる。ほこらしくて、
いとしくて、せつなくて。何度も撫で
たブロンズの多喜二のデスマスクと、
日呂登さんの顔が一つになる。
こんな息子がほしかった。
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