たけしの遺伝子
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 ビートたけしのオールナイトニッポン
 桂さん編 〜 1984年3月29日の放送より
馬神

殿「この間、最高だったのは、サドンデスで桂さん。

 予算があまったってんで飲み会やろうというんで、それも桂さんが先頭に立ってやるっていうんでやな予感するなあって、もうげらげらおかしいんだよ。どうせあの人、酔っ払って騒ぎまくるから。

 おかしいんだよ三角さんてディレクターいるじゃん。俺は後から行くっていうんだよ。もう逃げてるんだよ。あぶねーから。

 そしたら桂さん、

『たけちゃん先行って待ってようぜ。軍団は後から来い』

 って。

 やな予感するなあ、弱ったなあと思ってさあ。

『桂さんだいじょうぶでしょうね』

『何言ってんのたけちゃん。酒癖、悪くないよー。俺どならないよ。ここんとこ酒弱くなっちゃったんだよ』

『本当? だいじょうぶかなあ』

『だいじょうぶだよ。イッヒヒ』

 いきなりさあ。入り口が2つあるんだよ、飲み屋。2階なんだよオイラ。2階上がるのは左の入口なんだよ。それを右側のでかい入口、入ってってさあ。1階のお客いるとこ1周してさ、

『何やってんの。こっちじゃないの2階上がるの』

『わかってるって。俺が来たの見せつけなきゃ。下のばあさんわからないかもしれないとまずいだろう』

 だって。

 だめだこりゃと上行ったら、座ブトンがズラーと並んでるんだけど、みんな桂さんがどこに座るか、様子うかがってんの。酔っ払ってはりたおされないように、少しでも遠くの席を確保しようとしてさ。

 そうしたら、遅れて景山民夫が来たんだよ。景山、入ってきていきなり桂さんを見て、一番遠い所にドカッと座ったら、桂さんムッとしてんの。

『民夫!! それはないだろうよ、エッ!? ヒッヒッヒ』

『桂さん、すいません。ちょっと両手を伸ばしてみてください。アッこの長さネ。ここなら手は届かないと……』

『バカにしてんのか俺を!! たけちゃん、どこ座るんだい』

『じゃ桂さんの隣』

 って言ったら喜んじゃって、

『さすがたけちゃん』

『いやここは死角になってるから』

『しゃれになんないよな〜』

 みんな、ぞろぞろ入ってきたから乾杯して一杯飲んだら、もう酔っ払っちゃって店のおばさんには、

『おいばあさん追加追加! この野郎、トロトロしてると、土鍋でひっぱたくぞ!』

 だって。

 それから、みんなして薄くなった桂さんの頭をサカナにいろいろいって、『いやあ髪フサフサだもんな』だとか、『喜多郎かと思った』とか、中にゃ『梅宮辰夫に似てる』って言ったら喜んだんだけど、その後『ジョニーキャッシュ』だの『フランキーレイン』になって『ボブ・ホープ』になって最後は、『やっぱり、あれだよ、ほらっ、アンクルトリスのおやじ!』だって。とどめが『細川隆一郎』。

 さすがに桂さん、気がついて、

『なんだ結局、最後はトリスのおやじか! しゃれになんねえなあ〜、それじゃ毛がねぇじゃねーか!』

 だって。

 この後ベロンベロンに飲んで、店を出て30人ぐらいで、みんなで桂さんが小便行ってる間に隠れたら、桂さん怒る気力もなく目がテンになってるんだよ。

 みんなでゾロゾロ出てきたら、

『しゃれになんねえな〜みんな。まあヨ〜。俺もよ、こういう男だからよ。いやいや梅宮辰夫』

 だって。

 というわけでその日は先、帰ったんだけど、その後が大変だったらしいんだよ。被害届が続々現れまして、レポートしていただきましょう


タカ「本当にしゃれになりません。

 その後、桂さんに、

『たけちゃんどうしたの?』

 と言われて、

『明日、早いそうで先に帰ると言ってました』

 と言ったら、

『そうだろうな。忙しそうだから、あんまりベタベタつきあうのはやだからなあ〜。お前ら暇なんだろうな!!』

 いきなりおどかされまして、イヤとはいえませんから次の店行ったんです。そしたらいきなりワンマンショーが始まりまして、カンツォーネの。

 誰も相手しないからこっちの席んに来て、

『映画の題名しりとり、やろうじゃねえか』

 って言いだして、やってくうち桂さんの番がきて、ウだったんです。

 そうしたら、

『うさぎちゃんこんにちは。というのあったよな! 知ってるだろ!! お前らフランスの純文学!!』

 おもわず、こわいから、

『知ってます。見ました』

 と言ってしまいました。

 次に桂さんの番が、ラだったら、

『ラ〜ラ〜ラ〜ラ〜』

 と歌いだして、

『お前らもいっしょに歌えばかやろう!! ユーレイぼけろ! 東、つっこめ〜!!』

 と、おどかされました。

 そして、最後に車呼ぼうとしたら、30分ぐらいかかるというと、突然ダンカンの方を見つめて、

『ダンカン、俺は情けない。タレントに車を出してやれない俺は、なんて情けない男なんだ』

 と言って、あの頭をダンカンの足にこすりつけながら、泣いちゃったんです


殿「しょうがねえな〜(笑)


タカ「最後に階段から落ちて、タクシーがきたら、

『僕チン一人でおうち帰って飲もう!』

 と言って、皆が、あっけにとられるなか、帰っていったという、ひさんな1日でした


殿「そういうわけで、桂スペシャル以上でした(笑)

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