たけしの遺伝子
キネマ北野
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 『あの夏、いちばん静かな海。 』ソナネチ!評
ソナネチ!

「耳が不自由」という設定は、とかく必要以上に同情的であったり感動的である事に、
終始しがちな難しい題材だろう。「現代のサイレント・ムービー」と形容される事が
多いこの作品に不可欠な設定だと思う。

しかし、それを意識せずに主人公の二人の行方をおだやかに見守れるのは、北野武が
微塵の偏見も無い人だからだと思う。

海辺のサーファー達は最初は下手な主人公(シゲル)をバカにする。あくまで下手な
事に対して。しかし、だんだん上手くなっていく彼を『あいつ、頑張ってるよな』と
応援し始め仲間になって行く。ただそこにあるのはそれだけの事、と映画が語りかけ
てくる。

サーフィン大会に出場したシゲルがアナウンスが聞こえず、出場出来ずにいた彼をサー
フ・ショップの店長が、そばにいた仲間に『おまえら、ちゃんと教えてやれよ』と当
たり前のように言う。

なぜ、僕達はこの当たり前の事が出来ないのか。そんな視点で観る事も出来る映画だ
と思う。
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