

『BROTHER』弟ねこ評
「BROTHER」におけるGUNプロップ and so on
弟ねこ
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イメージイラスト

(注)写真のGUNは日本で発売されている合法のトイガン(モデルガンetc.)です(笑)。
自由の国、と同時に銃の国でもあるアメリカ。日本語では一文字が小文字になるだけの
違いが我々日本人には皮肉に感じる。
ただし建国時代からの伝統、文化だけにそれを理解せずには彼の国を理解できない・・・。
てな訳で日本人には馴染みがないが此の手のジャンルには欠かせないGUNという道具、
知っていればちょっと進んだ理解ができますので、そのお手伝いをば ( ハート ) 。
まずは誰かの一文 を引用し ( 笑 )、その補完。
>ものすごい銃声音。今までの北野映画の比ではない。
間違いなく今までの北野作品とは違っています。なぜなら、彼の国では全て実銃ベース
(ただ火薬の量こそ実弾の何分の一です)。そしてそれらを扱うにはライセンシーを持った
人間(会社)が必ず必要です。本映画は「GIBBONS LTD.」。聞いた名前の様な気も
しますが、LD故障中につき他のどの様な映画のプロップを担当したかは確認できずです
(ごめんなさい)。
それから本映画ではアメリカ本土だけではなく日本でもガンエフェクトの撮影もなされて
いますね。こちらのプロップは「Kikuo Nohtomi」。日本での第一人者でこれまでの
北野作品他でも多くのプロップを担当しています。
ただ、何時もと違うのが銃の撃発音です。日本では当然の事ながら実銃ベースのプロップ
など使用できません(発砲こそできませんが昔は違っていました)。だから自ずとモデルガン
ベースとなるのですが撃発音はモデルガンプラスαです(どうせ録音時にリミッターが入る
のでそれで充分か)。
しかしながら本映画では従来のままですとアメリカとの差がある事を考えてでしょう、後レコで
音を被せてあり、何ともリアルです ( 「ズキューーン!!!」は間違ったイメージですぜ、
姉御。笑 )。
大まかなインプレはこの辺りにし、続いては細かい部分です。
最初は山本 ( ビートたけし ) の使用銃から始めるのが順当な線ですね。
山本が渡米し、弟ケン ( 真木 蔵人 ) らの麻薬の値段を足下を見て値切った売人の所へ
なぐり込みへ行くシーンですが
山本:「銃をくれ。(だったっけか?)」
ケン:「古いのしか無いよ・・・。」
の台詞の後に出てくる銃は「コルトM1911ガバメント」です。

この銃は「ガバメント ( 政府 ) 」の名前を有する通り、長年に渡ってアメリカ軍の正式
拳銃だった銃 ( だったというのは、現在、ベレッタM92F(「リーサルウェポン」のメル、
「ダイハード」のウイリスの銃、本映画では原田(大杉 漣)が前半に持っていたらしき銃に
その座を取って代わられた為です ) で「M1911」の採用年が表すとおり本当に古い
タイプの銃です。
ただし、一世紀近くも正式採用だったことや、口径が45口径 ( インチ単位口径。メートル
法では約11.43mmの ) とも相まってスタンダードな銃とも言えます。
当然、進駐軍を始め在日米軍も所持していた銃ですので、横流し ( 笑 ) の事もあって、
やくざが出てくる北野映画ではよく使われています。
次に、サンセットスクゥエアホテル会議室での他マフィア幹部との会談のシーンです。
このシークエンスでは結局、幹部共を皆殺しにしてしまうわけですが、テーブルの下に
テープで貼り付けてあった銃に注目です。

この時の銃はは「グロック17」で装弾数が17発 ( グリップから弾倉がはみ出している物を
発見。こいつはコンパクトタイプの19と思う ) で前述のガバメントの7発のゆうに2.5倍。
相手が5人いても、3挺で1人頭、10発は撃ち込めるのでこのシーンには最適な物です。
まあ、最近の法律で民間販売品は装弾数が10発以下の弾倉しか販売できないように
なり底上げ弾倉になっていますが、この場合は裏ルート物でしょうから余計な心配ですね。
それから、ガバメントよりは多少、値段の高い位の銃ですが3挺も揃えられるという事は、
多少なりとも羽振りが良くなったことを表現していると思います。
それからストーリー上では敵対するグループを駆逐していき山本のグループは更にシマを
広げて羽振りが良くなって行くわけですが、それを象徴するかのように山本の銃も変わって
います。
白瀬が舎弟になった後から変わっているようですが、その銃が良く分かるのが、ラスト近くの
イタリアンマフィアのボスの邸宅へ侵入するシーンです (バンフの米国仕様側表紙からP11、
12の見開き写真 )。
この時の使用銃は「SIG SAUER P229」です。

この銃はスイスのSIG社、ドイツのSAUER社の銃で、製造国からも分かるように精密な
造りで、ありふれたコルトガバメント、比較的安価なグロックとは違い、お値段も非常に
高くなっております(笑)。
しかも、シルバーのメッキ ( 材質がステンレスなので、プロップはただ磨いただけかも )
とのツートンカラーと言うことも手伝って金回りがこれ以上なく良くなっていることを暗示して
います。また、山本の衣装とのトータルコーディネートの意味合いもあるのでしょうかね。
さて、山本関連では加藤がアメリカに初登場した際に突きつけたガバメントのハンマーが
非コッキング ( トリガーを引いても弾は出ません )だったのは安全上だったのか?など
まだ書きたいこともありますが、限りあるページですので次へ進みたいと思います。
山本以外で注目したのは石原 ( 石橋 凌 ) が所持していた銃でしょうか。どの場面か
と言うと、レストランで敵ヒットマンにいち早く気づき対してフリーズを掛けるシーンです。
このシーンにおける石原の銃はパンフレットの加藤雅也のインタビュー、「だから凌さんが
演じる石原みたいな男が、一歩下がって白瀬についてくる。白瀬が石原という男にたて
られている、っていう空気を描いてこそ、白瀬のキャラクターが立ってくる、というのが
監督のアイデアだったんじゃないでしょうか」に通じていると思います。
というのも、その時の石原の銃は「CZ75」だからです。

この「CZ75」という銃は、かつてジェフ・クーパーと言うシューティングの神様とも言われた
男が「最高のコンバットオート」と絶賛した銃で、日本でも某コンバットマガジン誌のI氏が
ベタ誉めした事もあって「通好みの、プロの銃」として人気があります。
つまり「白瀬が日系マフィアの首領 ( ドン ) として成り上がったのも ( そんな銃を愛用している )
石原のヒットマンとしての実力あってこそ。そんな石原が立てていいる白瀬は・・・。」との様に
ガンアドバイザーが北野監督の意図を汲んでの「CZ75」の選択の様に、このシーンを見て
感じました。
それにこの銃は非常にレア ( 細かく書けば色々ありますが ) で値段も張ります。日系
マフィアの首領 ( ドン )の右腕の愛銃としても納得できますね。
さあ、長々となってきましたので、そろそろ最後にしましょう。最後も最初同様にMYブラザー
( 笑 )の補完で締めましょう。
>自らの最期を悟り、瀟洒な作りのドアに一歩、一歩近づいていく。
>(そのブルーのドアはこの世とあの世の境であり、実に重要なセットである。)
DINERのドアはレッドです ( パンフレット、米国仕様側表紙からP20。弾着プロップ写真)。
ハリウッド映画では良くある表現で、「赤=死」の象徴。しかもご丁寧に窓ガラスは「天使」の
イラストが。
果たして山本がたどり着いたのは天国だったのでしょうか、地獄だったのでしょうか?
その山本の死体の側に転がる撃った( 反撃 ) した気配のない「P229」。
ただ一つ言えるのはそれが望んだ死だったのではないかと言うこと・・・。
そうそう、これは余談になりますが映画のインタビューで北野監督が「ダイハード」を
引き合いに出していましたが、その「ダイハード1」でナカトミ・コーポレーションの社長役を
演じていた「ジェームズ・シゲタ」が会計士役で出演していました。意識したにしろ、偶然にしろ
面白いね。
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