

『菊次郎の夏』とんぼ評
「菊次郎の夏」について
とんぼ
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まず、オレが思うに、この映画の雰囲気を皆に感じ取ってもらいたい。
いや、感じ取るというより思い出してもらいたい。
それは、「小学生の頃の夏休み」、なにが起こるわけでも、起こることが約束されたわけでもないのに、
確かに「なにか、どきどきするようなスゴイ事が起きる」と思い込んでいた日々。
ほんとにちょっとしたことでも面白く感じる事ができ、遊びといったら虫取りやら缶蹴りやらで、
大イベントといったら海に行く事くらい。
でも、なぜか少年の僕達はただ漠然とスゴイことが起きるであろう夏休みが大好き!
でも、主人公のマサオはそんな期待を裏切られ、絶対的につまんないであろう夏休みを
予想させられてしまった。
普通なら、つまんない夏休みをしょうがなく悶々と過ごして終わるのだが、彼は小学生にしては
あまりにスゴイ冒険の旅にひとりででることにする。
しかし、しょうがなく着いて来たオッサンは、普通の人ではなかった。オッサンのおかげで
競輪を体験したり、変なオジサンにパンツ脱がされそうになったり、タクシー盗んだり・・・。
とにかくスゴイ冒険が、スゴすぎる冒険へと勝手に変わってしまったのである。
メチャクチャをやりながら母を探し出すが、母は別のひとと暮らしていてそこには自分と
同い年くらいの少女がいた。しかも皆幸せそうにしていた。
その時の少年の心情は言うまでもないが、幸せそうに暮らす少年の母を見てしまった
菊次郎の表情が今もオレの脳裏に焼き付いて離れない。
それまでメチャクチャをしてきたオッサンだけに、ことさら真面目なその表情が際立って見え、
少年の母を恨むでもなく、世の世知辛さを知ってるが故、「この世」というものを憎むでもない、
ただ少年の心情が移ってしまったがごとくの表情。
そして彼は言う「お母さん引越しちゃったみたいだよ」と。
もちろん彼はその言葉を本気でも冗談でも言ってない、ましてや少年の心を慰められるとも
思っていないが、その場のやりきれなさと、オッサンのキャラクターが言わせる精一杯の
「防衛言語」なのだ。
つまんない夏休みが最悪の夏休みに変わってしまった少年を、どうにかして元気付けるために
またオッサンはムチャクチャをやる。
この映画の本当の話はここから始まるといって良いと思う。いままでは前座。
そして本当の主人公は菊次郎なのである。
中年のオッサンが前に述べたような少年期の心をもってふつーに、無邪気に遊び成長していく。
そして、少年も無邪気に遊ぶが、明らかに普段と違う夏休みを過ごしている自分に気づく。
漠然と楽しい夏休みをもっとスゴイかたちで経験してしまった少年と菊次郎。
少年の今後を想い、感慨にふけるオッサン。
この映画をただ漠然と思っていたスゴイ事の実例みたいな感じがした俺。
昔の事はあまり覚えていないけど、なんだかスゴク余韻が残る映画だった。
(※ あんまり感想にならなくてすいません。
でも、みんなにオレとおんなじ気持ちをこの映画に抱いてもらいたい。
そんな感じです。)
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