ビニール

車に乗っていると、いろんな事がありますね。随分前に車で朝の渋滞の中を二時間以上かけて仕事に通っていたことがあります。渋滞の時にけっこう問題になるのは「トイレに行けない」事では、ないでしょうか。
『遠方の旅仕事の車中で、やはりひどい渋滞に出くわして、すぐトイレに行ける状況ではなかった時に我慢出来なくなった或る方が、ビニール袋にオ○ッコをしてなんとか助かった。』
というお話をうかがった事があります。しかし私は車で頻繁に移動していたその数年間一度もそういう目に遭った事がなかったので「そういう状況でもきっと我慢出来るだろう」と漠然と自信を持っていました。

そんな或る日、昼間の仕事を終え、夜の現場に車で向かう最中、オ○ッコがしたくなって来ました。しかし「多分大丈夫。先を急ごう。」と仕事場に向かったのでした。道々コンビニ、ガソリンスタンド、...とトイレのありそうな場所の前を通り過ぎた時も
「まだ大丈夫。着いてから行こう。」
とそのチャンスの前を素通りしたのでした。
しかし、しばらく行くと道路はだんだん混み始めました。一時間....二時間と経ち、とっくに現場に着いているはずの時間となりましたが、気が付くと私の車はひどい夕方の渋滞の中でした。
「あれぇ?思ったより混んでいるな-。身動きとれない...こんな状況じゃ車止めて降りたらひんしゅくだよな-。やっぱりさっき道路が空いている時にどこかに寄っておけばよかった...」
さらに狭い途でのノロノロ運転。
「やっぱり行きたいな。昼間お茶とコーヒー、ガブガブ飲んじゃったし...」
と、このままトイレに行けずにこの渋滞の中で悲しい目に遭ってしまうかも?という不安が襲って来た。
「仕事に行く途中でお○らしなんて....イヤッ。」
と悲しい想像をしてしまいましたが
「今迄駄目だったことないぢゃん」
と考えると、まだなんとかなりそうな気分になった。

しかし更に時間は経ち、
ちっとも進まない渋滞。
「ノロいノロ過ぎる....。」
しばらく考えているとまたオ○ッコしたくなって来た。
「いや大丈夫。」
10分経ち...震え...。
「あーやっぱり間に合わないかもっっ!」
「いやいや、まだ平気」

5分経ち...しびれ...。
その間隔はだんだん狭くなり。
「うっ!」

遂には震えが止まらなくなり。
「ううっ!駄目かな?」

「もうどこかに無理矢理止めて立ち○ョンしちゃお。」
と、やっと車を寄せられそうなバス停に「やった-!」と車を止めようとすると、丁度近くの学校の下校時間なのか、信じられない人数の女子高生の集団があたり一面に出現。バス停周辺にどんどん集まって来ます。
「うー人が多すぎる、しかも女子高生。これじゃ、この辺で立ち○ョンしたら完璧に変なオジサンだよっ!」さすがに女子高生の集団の中を走り抜け立ち○ョンをする勇気はなく
「やっ、やっぱ我慢だ!大丈夫!」(涙)
という言葉を胸にバス停の周辺にあふれかえる女子高生の行列の前をゆっくり通り過ぎました。

.........。
ギュっと内股でアクセルを踏み小刻みに震えながら、ふと私は以前にうかがった
『ビニール袋にオ○ッコ』
という話を思い出しました。
「そうか!ビニール?」
運転席の横には、ゴミ袋に使っているビニール袋がいつも何枚かあります。


しかし
「いや我慢だ!」
「そうだ頑張れ!」

しかし
「ビニール袋あるよ」

いやしかし
「いや我慢!」

でも
「ビニール袋使っちゃえば?」

「我慢」

「ビニール」

「いやいや我慢!」

「ビニール」

そして再び強力な震え
「うっっ!いやん!我慢ん!」

「ビニール」

「いや我慢我慢」(震)

「ビニール?」

「我慢?」



「....ビ?」




「......ビ?」




「ビニール!」
「ビニール!」
「ビニール!」


「ビニール!」
「ビニール!」
「ビニール!」


「ビニール!」
「ビニール!」
「ビニール!」


「ビニール!」
「ビニール!」
「ビニール!」


「ビニール!」
「ビニール!」
「ビニールぅぅ!」
(良い子は危ないからマネしちゃだめヨ。)
(05.6.3)

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