■ケージも一緒に診てもらう
ケージごと連れて行きアドバイスをもらうこともでる。エキゾチックペットの病気の多くは飼い方に問題がある。だから、問題発見のために診察前にケージは洗わないで汚いまま持っていこう。うさぎの場合は正直に環境を説明する。リスの場合はあらかじめ小さなキャリーや洗濯ネットに入れて連れて行くと診察がしやすい。
■患部はきれいにしないで連れて行く
「皮膚病になってしまった。」「おなかが尿や糞で汚れてしまった。」でも、きれいにしないでそのまま連れて行こう。きれいにしてしまうと、虫が見つからなくなってしまったり、症状がかくれて見えなくなってしまったりと先生が悩んでしまう種になってしまう。よく診てもらいたいなら汚いままつれてきましょう。
■夏の輸送・冬の輸送
夏はアイスノンや携帯用クーラーパックを用いて涼しくして連れて行きましょう。冬は張るホッカイロをキャリーやケージに貼るとよいでしょう。急激な温度差は特に病気の動物にはストレスが大きいので注意しましょう。
■麻酔について知っておこう
やむをえなく彼らに麻酔をかけなくてはならないことがある。どうしても診ておかないと治療できないが見せてくれないとき。手術をどうしてもしなくては良くならないとき。検査のための痛みを感じさせないようにするとき。私たちは彼らの苦痛を和らげるために麻酔を使う。彼らには苦痛を受けない権利があるからだ。
■麻酔の方法と種類
種類
ガス麻酔(イソフルラン・セボフルランなど)
注射麻酔(ジアゼパム・ケタミン・プロポホールなど)
これらには心拍減少・呼吸抑制・血圧低下などの副作用がある。注射薬には拮抗薬(麻酔をすぐに覚ますことのできる薬)のあるものがある。
絶食
仰向けで処置をする場合、ウサギ、チンチラ、モルモットは麻酔前にお食事を2〜4時間抜く。大きな腸や胃が内容物によって膨大したままだと、仰向けにしたとき肺を圧迫して、呼吸を妨害してしまうからだ。歯科処置など仰向けにしないときは、長時間の絶食で低血糖を生じる危険を避ける。その他の小さなげっ歯類に関しては、嘔吐の心配がないこと、エネルギーを消費する速度が速いので麻酔前の絶食はしない。
■診察時間にこだわろう!
夜行性のちいさなげっ歯類(ハムスター、チンチラ、ラット、モモンガなど)は夕方に予約をするとよい。眠そうなイライラした動物での診察では小さな病気の徴候を見つけにくくなってしまう可能性がある。
しかし、様子はみないこと。朝、便の状態や呼吸の仕方など軽いチェックをして様子がおかしかったら、少なくとも夕方には診察をうけてみるとよい。骨折事故など「予想もできない緊急」の場合は遠慮なくいつでも連絡を。
■獣医側からみたよい飼い主さんってこういう人
◇よく動物を観察している。
◇勉強家である。
◇一緒に話し合って検査や治療が進められる。
◇転院を繰り返さない。
◇了解の上で診察料を払う。
ちなみに、困った飼い主さんは...
◆病気の様子を見すぎる。(1週間は長すぎです。)
◆転院を繰り返す。(どういった治療をしてきたのかはっきりわからず、困ります。せめて紹介状をもらってきてほしい。)
◆説明がわからないけど、まあいいかですませる。(トラブルの元)
◆診察料踏み倒す。(社会的ルールなんだけどね)
◆勝手に治療を中断する。(話し合ってからやめよう!)
そういうことも、あったりします。
これは、医療現場における『医師の説明と患者の理解と同意』をもってより良い医療を行おうという態度である。動物病院において、患者は動物ですので、飼い主さんがそれに変わって理解、同意することで医療を協力して進行していく。
私達が忘れてはいけないことは、
『医者や看護士が医療チームであると同時に飼い主も医療チームの一員』だということである。
■インフォームド・コンセントはいつ行われるのか?
@検査の前
動物の状態⇒何故検査が必要なのか⇒どんな検査をするのか⇒どのくらい時間がかかるのか<いつ行うのか>⇒費用はどのくらいかかるのか((⇒理解と同意
A治療(処置・手術)の前
検査の結果と獣医の考察(予後)⇒何故治療が必要なのか⇒どんな治療をがあるのか<一番の選択は何か>⇒どのくらいの期間<いつ>行うのか⇒費用はどのくらいかかるのか((⇒理解と同意
順番は内容や話し手によって前後しますが、5W2H(When・Where・Who・What・Why/How・How
much)。このとき、獣医師はあなたに理解できるように模式図やX線フィルム、検査結果など見せながら説明するだろう。治療は飼い主の協力無くては成り立たないし、そのためには病気や治療、処置に関する理解が必要なのだ。
□ドクターの説明がよく理解できないと・・・
説明が理解できなかったり、説明を聞き流したりすると、ドクターと飼い主の間に
いろいろなすれ違いが起こる。また、飼い主としても「検査や処置に対する不安」や「回復の速度や費用の面の不満」を感じることになってしまう。
理解できないときは理解ができない、できないときはできないことを伝える。ドクターはあなたが十分理解でき実行可能な状態で協力して最善の医療を進めていきたいのだ。
ドクターから病気や治療、薬の提案を受けて、治療や処置を選択できない動物に代わって飼い主がそれらを選択する権利をもつこと。これはインフォームドコンセント(前述)がちゃんと行われていることが大前提である。
例えば、飼っているハムスターの背中の皮膚にできた小さなオデキが癌だったとする。
ドクターは次の提案をした。
・一番良い方法:外科手術でとって、その後抗がん治療をする。ただし、麻酔の危険が
伴う。余命は伸びるかもしれない。しかし、手術代治療費は高額です。
・二番目の方法:切らずに抗がん剤で対処する。余命は一番目ほど長くはならない。
また、やや高額な治療費が継続的にかかります。
・三番目の方法:苦しまないような対症療法のみ行う。余命は1,2番目よりさらに短い。
継続的な治療費の出費になります。
・四番目の方法:かわいそうだが、苦しむ前に安楽死させる。処置料金のみです。
あなたは自分の責任において、どれを選択してもかまわないのだ。また、これはかなりショックなできごとですから、すぐに決めずに家族と話し合うことも可能だし、逆に「漢方薬のみの治療」をあなたから提案してもよい。さらに、「どれが最良なのかわからないのでおまかせします。」という選択もできる。その際、忘れてはならないのは、この時点で医療スタッフが治療法を提案した責任と飼い主として治療法を選択した責任が生じる。
「あなた自身のできることで、何を選択することが一番その動物にとって幸せなのか」を考えてインフォームドチョイスしたいですね。
現在のところほとんどの日本の臨床系獣医師は自称専門医である。自称専門医は得意な分野を持っているが専門的な資格はない獣医師を差す。日本では内科・外科・眼科・歯科・腫瘍科の専門医を育てる制度が日本動物福祉協会(JAHA)にある。ハードルはやや高い。動物ごとの専門制を高める制度はまだない。
アメリカには多種多様の専門医を育てる制度がある。ハードルは非常に高く現地の獣医師であっても取得は難しい。希少な専門医は一般の臨床獣医師の良き師でありアドバイザーとしての仕事もこなすこととなる。うさぎやねずみのエキゾチックペットに関しての専門的知識を持つ獣医師はZoologicalの専門医、the
American College of Zoological Medicine (ACZM)、である。日本でこの資格を持っている獣医師はいない。
資格を持っているだけでは仕方がないのだが、資格を取れるだけの勉強と技術を惜しまない謙虚な自称専門医に出会いたいものだ。
現在の獣医医療は人間医療にも劣らなくはなってはきていますが、うさぎやねずみのエキゾチックペットに関しては世界でも試行錯誤の面が多く犬や猫ほど病気に対する治療法が確立されていません。ですから、エキゾチックペットを診察している獣医師はあらゆるところから資料かきあつめて、できる限りの治療を施そうと努力しなくてはならない。
また、CT、MRI、放射線治療などの高度検査機器、医療機器を使うことも可能だが、高額である。一部会社で保険制度もできましたが、ねずみは寿命が短いためか加入できない。(日本アニマル倶楽部は小動物すべて加入可)獣医医療には多くの限界が存在している。
原因のほとんどは信頼関係が築けていなかった、またはインフォームドコンセントが行われていないか、飼い主の不理解のまま治療を進めた結果のようだ。この結果はほとんどが和解または獣医師側の勝訴である。
限られた診察時間内で、獣医師との信頼関係をいかに築くか、医療チームの一員である飼い主として悩むべき問題である。また、インフォームドコンセントは獣医師も怠ることのできない義務である。
訴訟を起こすことのないように、インフォームドコンセント&インフォームドチョイスを行っていきたいものだ。
書籍名 著者・訳者 出版社
価格
よい獣医さんはどこにいる 坂本徹也
WAVE出版 1500
医療専門家のための 著:Ann Faulkner
診断と治療社 2700
コミュニケーション技術 訳:篠田雅幸、エドウィンL.カーティ