RI(by高澄耕次)


ここではRIを使用したハイブリダイゼーションの方法を述べる。RIの利点としては非常に感度がよいこと、バックがきれいであること、などがあげられるが、反面、最も有用な32Pは半減期が短く経済的でない。また、人体に及ぼす危険性も甚大で、操作を行うに当たり充分留意する必要がある。

標識プローブの調製

ここではBcaBESTTM Labeling Kit (TAKARA)を使用した方法を述べる。

核種としては[α-32P]dCTP(110 TBq/mmol、3000 Ci/mmol)を用いる。

 

1)乾燥したプローブDNA(10ng〜1μg:経験的には25〜50 ngもあれば十分である)を12 μlのTEに溶解し、キットに付属のRandom Primer を2μL加える

2)95℃で10分間煮沸して変性

3)5分間氷などに漬けることで急冷

4)キットに付属の10 x Buffer、dNTP Mixtureをそれぞれ2.5μlずつ加え、軽く遠心して全ての溶液をチューブの底に集める

5)1 μlのBcsBEST DNA polymeraseを加え、緩やかに撹拌

6)5μl(50 μCi)の[α-32P]dCTPを加える

7)55℃で10分間インキュベート

8)pH 8.0の0.2 M EDTAを5μl加えて反応を停止


簡易標識プローブの取り込み効率の確認

1)70μLのTEを加えて100μLにする

2)1μLを0.5mL用の遠心チューブに入れ、バイアルに入れる

3)SUPEC-02を用いて未反応の[α-32P]dCTPを除く

4)TEを加えて100μLにし、1μLを0.5mL用の遠心チューブに入れ、バイアルに入れる

5)シンチレータでcpmを測定取り込み効率をもとめる

取り込み効率(%)=(遠心濾過後のcpm/遠心濾過前のcpm) x 100

 

ちなみにTaKaRaのマニュアルでは...

1)反応液の少量をTE Bufferまたは蒸留水で20倍に希釈する

2)希釈した反応液3 μlをDE81 paper disc(Whatman社製)2枚にスポットして、風乾する

3)2)のDE81 discのうちの1枚を、5%Na2HPO4 100 ml程度で5分間ずつ6回、さらに蒸留水で1分間ずつ2回、エタノールで2回洗浄し風乾する

4)2) の未洗浄のDE81 discと3)で洗浄したDE81 discのそれぞれを、液体シンチレーションカウンターで測定、取り込み効率をもとめる

取り込み効率(%)=(洗浄したDE81 discのcpm/未洗浄のDE81 discのcpm)x100

プローブの比活性(dpm/μg)=

[{110 x 取り込み効率(%)}/{0.22 x 取り込み効率(%)+鋳型DNAの量(ng)}] x 107


ハイブリダイゼーションと検出

ここでは、100cm2のフィルターを用いたとして記載する。またプローブは100%マッチのものを使った場合の条件を記載する。

 

ハイブリダイゼーション

1)ハイブリダイゼーション溶液は5× SSPE、5x デンハルト (1% フィコール400、 1% PVP、1% BSA)、0.1% SDS、100 μg/mL 熱変性サケの精子DNA のものを調製(必要に応じて50%ホルムアミドにする)

2)乾燥しておいたフィルターをハイブリバッグに封入

3)5〜10 mlのハイブリダイゼーション溶液を満たす

4)ポリシーラーを用いて空気を出来るだけ追い出して封をする

5)65℃(ホルムアミドを含む時は42℃)で1時間インキュベート

6)熱変性させたRI標識プローブを直接バックに注入する。空気を抜かず液がこぼれないようにシールし、空気をバックの端に追いやってもう一度シールする。

7)65℃(ホルムアミドを含む時は42℃)で12時間以上インキュベート

 

フィルターの洗浄と検出

タッバーなどの適当な容器にメンブレンと洗浄用の溶液を入れ振盪させて洗浄する。

洗浄用の溶液は振盪した際にメンブレンが重ならないように十分量入れる。メンブレンを洗った溶液はRI廃液として処理する。

1)2× SSPE、0.1% SDS 65℃(ホルムアミドを含む時は42℃)で15分間2回洗浄

2)0.5× SSPE、0.1% SDS 65℃(ホルムアミドを含む時は42℃)で15分間2回洗浄

3)0.1× SSPE、0.1% SDS 65℃(ホルムアミドを含む時は42℃)で15分間2回洗浄

4)ラップで包むか、ハイブリバックに入れX線フィルム、イメージアナライザーなどで検出する。