2003年1月
1月3日(金)
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
正月早々風邪をひいてました。
その微熱にうなされて朦朧としながら「絡新婦の理(京極夏彦)」読了。
この厚さのせいで熱がでたという説もあり。
まぁ、月姫の遠野家ルートはこれを基にしたというのが丸わかりなわけで、
そっちを先にやったものとしては、かなーり残念なのです。
占星術より先に金田一少年を読んだようなものなのです。
ミステリとは、論理の小説だと思います。
その論理とは、一体何のために存在しているのか?
闇――犯罪を犯す人間の心理、人をそこへと駆り立てる社会の底、
そんな闇を照らす一条の光明、それが、ミステリの論理でした。
けれど、闇は何も存在していない場で、その何も存在しないもの、無を照らすことは決して出来ることではなく。
だから、いわゆる「壊れた」小説がたくさん書かれているようで。
「壊れた」ものを解釈するための論理というか。
そうしているうちに壊れてることはもう普通のことになっていたり。
ただ、忘れちゃいけないのが「壊れた」ものを作るには何かを壊さなきゃいけないということ。
「壊れた」ものを解釈するためにはその破壊されたあとのものを見ているだけじゃなく、
それが壊れる前はなんだったのか? また、それを組み立てると何になるのか?
そういうところも考えないと駄目だと思うんです。
たとえば、キュビズムの絵は、それをしないと解釈できないし。
つまるところ、闇を照らすために
その闇となるモノを解体し、さらに再構築、解釈するためのものが、
ミステリの論理なんだと思います。
だからこそ、京極堂は事件を解決しないで「解体」するのではないでしょうか?
[Today's tune]high and dry/RADIOHEAD
1月6日(月)
帰仙。飛行機は微妙に疲れます。
サイトちょっと改装。
なんとなくフレームやめてみたり。
ついでに、小説をちょっと追加。
「六花の白を緋色に染めて」の本文のほうを載せてみました。
かなり昔に書いたものなので、HTMLに直しながら何度ももだえてました。
文章がひどいです。
ネタとしては結構気に入ってたりするので(まぁ、それで使いまわしているわけだし)。
それと「Beats for lonely hearts in suicidal,sentimental domain.
――自己破壊的、感傷的領域における孤立点への諸干渉――」の
第1章の1を追加。またまた短いです。
感想のほう、お願いいたします。
「生ける屍の死(山口雅也)」読了。
ぽっかりと空いた隙を狙うような、鋭いミステリです。
衝撃です。びっくりデス。
解決で、まさに世界がひっくり返るのです。
ただ、名前が覚えにくかったです。関係ないけど。
[Today's tune]ANGEL OF DEATH/SLAYER
1月7日(火)
「戦闘妖精・雪風<改>(神林長平)」読了。
繰り返し繰り返し問われる、「人間とは?」という問い。
相手の見えない戦争という場面だからこそ、その問いが重要となる。
信条とか信仰とか利益とか誇りとか、そういったものが理由とならない戦争。
いや、戦争なんてのはもともとそういったものなのかもしれないけれど。
そして、人間と機械の関係。
雪風はガンダム・センチネルのアリスよりも根源的な存在な気がします。
アリスはあくまで人間として育ち、コンピュータとして自己を認識し、
祈りを残して消えていって。
それに対して雪風は最初から最後まで機械という新しい生命体だった、というか。
ともかく、同じように戦闘の為に存在した機械でありながら、
両者の間には大きな違いがあると思うのです。
で、トップガンを見て以来飛行機が好きだったりします。
密かに好きなのが、F−4ファントム2。
ちょっとスマートじゃないあたりがかっこ良いのです。
[Today's tune]LET DOWN/RADIOHEAD
1月8日(水)
「一月物語(平野啓一郎)」読了。
え、これってミステリじゃないの? っていうくらいにミステリの形式に酷似しています。
けれど、実際のところミステリに似ているんじゃなく、
ミステリと同形式的な能とかそっちのほうに似ているんだと。
逆説的に、ミステリはこういったことを無意識にしているということ。
それがいかに重要なことかわからずに。
ミステリはブンガクとは違うなんてことがよく言われたりします。
蔑みと羨望が入り混じった口調で。
けれど、平野啓一郎が神話的な手法でこれだけのものを書いているということは、
同じく神話的な――いや、より神話的であるミステリで同じことができないはずがないと思います。
ただ問題は、ミステリがエンターテインメントだということ。
どうしても一時的な快楽に阿ってしまう傾向があること。
トリックが良ければ良作だとか、ロジックが上手ければよいとか。
トリックもロジックもそれを描き出す文章も、すべてシニフィアンとなり得るのに。
つまり、トリック・ロジックを通じて何かを伝えることができるんじゃないかと、そう思うんです。
密室ひとつ作る場合でも、その密室が何を意味しているのか? それが重要だと思うんです。
1月9日(木)
「蛍・納屋を焼く・その他の短編(村上春樹)」読了。
短くても、びしりと来る読後感です。
ただ、作品自体が何かを語るんじゃなく、
何かを感じるように仕向けるというか、
読者に考えることを促すといった感じのような。
正解が書いていない問題集というか。
けれど、小説ってもともとそういうもののような気が。
[Today's tune]DEAD MAN WALKING/DAVID BOWIE
1月10日(金)
バーゲンに行きました。
安かったので、ついつい買う予定がなかったシャツまで買っちゃいましたとさ。
「夜よ鼠たちのために(連城三紀彦)」読了。
濃密な文章から立ち上る鮮烈なイメージ。
脳裏に映像がくっきりと思い浮かびます。
そして、ストーリーと一体になったトリック。
この話にはこのトリックしかない、と思わせるような一体感。
すばらしいです。感動です。
「少林サッカー」観ちゃいました。
凄いです。ただただ呆然。
最高です。
ワイヤーアクションをああやって使うなんて、
いったい誰が考えたでしょうか?
ありえない、の一言です。
[Today's tune]so/advantage Lucy
1月12日(日)
「さみしさの周波数(乙一)」読了。
あー、どう感想書いていいのか分かりませんが、
非常に良かったデス。
まぁ、本なんてのは結局のところ、単なる情報源でしかないわけで、
その情報をどういうふうに受け取るかはその読者にかかっているのが事実であったりします。
つまりは、「せつなさ」という言葉でレッテル付けられている乙一も、
実際に「せつなさ」を欲しているのは読者であるということ。
何かを欲しているのは読者だということ。
そして、読むだけで飽き足らなくなったら、書くのです。
救われるために、書くのです。奏でたり、演じたり、描いたり、撮ったり、作ったり、研究したり、
そうやって、何かをせずにはいられないのです。
[Today's tune]SING MY SONG(I JUST WANT TO SING MY SONG)/ZIGGY
1月13日(月)
小説、Beats for lonely hearts in suicidal,sentimental domain.
――自己破壊的、感傷的領域における孤立点への諸干渉――
更新しました。第1章の2です。
「ラグナロクEX. THE LEGACY(安井健太郎)」読了。
表題作は、多分結構重要な話。
敵対することが当然と言う存在同士が、どうして共存できるのか?
葛藤、苦痛、後悔――希望。
デスペラードはいい話でした。ハリウッド映画みたい。
キル・タイムは海外のドラマでありそうな感じ。
しかし、全編通して殺しまくりです。
教育的に良くないと思います。
でも、好きです。
[Today's tune]EGONOMIC/IN FLAMES
1月14日(火)
「QED竹取伝説(高田崇史)」読了。
薬屋さん、今回は誰もが知ってるけどちゃんと読んだことは多分ない竹取物語です。
(私は川端康成の現代語訳のやつしか読んだことがありません。)
また今回も落ち着くところに落ち着いたかな、と言った感じ。
式の密室の流れを組んでます。
(ちなみに式の密室のネタばれが微妙にされています。そちらを読んでいない人はご注意を。)
式の密室がびしっと決まっていただけに、ちょっと印象薄いかもしれないです。
それにしても、ひそかに気になる奈々とタタル。
いつの間にかバレンタインデーにチョコレート贈ってたり。
ひそかにびっくりデス。
そして、出てくるカクテルがおいしそうです。西澤保彦のタックシリーズ並みに飲んでます。
……このシリーズも読むときはお酒が必要なようです。
ところで、推理するということは解体することじゃないかと考えてみたり。
よく、絡まった糸を解きほぐす、とか言われていますが、
糸を解きほぐすというよりも、複雑な機械をひとつひとつの部品に解体するというか、
長大なプログラムを細かく分解していくというか、
そちらのほうがしっくりと来るのです。
糸を解きほぐしたあとには一本の糸が残ります。
それはその単体でひとつのものとして「分かる」形になっています。
けれど、実際推理で解体された事実は、ひとつひとつの事象が「分かる」ようになっていて、
その結果として全体が「分かる」だけであるんじゃないかと。
そして全体を把握するときに部品を再構築していく過程があり、
その過程こそが、ミステリでもっと重要じゃないかと、徒然に考えてみたりしました。
[Today's tune]PACKT LILE SARDINES IN A CRUSHD TIN BOX/RADIOHEAD
1月15日(水)
やっぱり、学校行ったりバンドやったり本読んだり色々していると、
そう頻繁に小説のほう更新できないのです。
なので、小説も一気に載せるんじゃなくて少しずつ更新していくとか、
こうやって日記のほうをできる限り毎日更新しているわけですが、
まぁ、誰からも何も反応ないんで、もしかしたら誰も読んでいないんじゃないかなぁ、と。
もし読んでいる人がいるなら、私の日記とか読んで何も感じないのかなぁ、と。
それは、たぶんそんなものしか書くことができない自分の未熟さの証拠にしかならないのだけれど。
アクセス数が少ないのは良いんです。宣伝とか全くと言って良いほどしていないんで。
ただ、少なくとも見ている方がいるのなら、反応が欲しいのです。
下の[Today's tune]はモモイのパクリだろうとか、そんなので良いので、よろしくお願いします。
以上、愚痴でした。
[Today's tune]愛のメディスン/桃井はるこ
1月16日(木)
「虚空の逆マトリクス(森博嗣)」読了。
英語タイトルがINVERSE OF VOID MATRIXなのはわざとだと信じたいです。
今夜はパラシュート博物館へ程のインパクトはなく。
それと、もうそろそろミステリィの文字をはずして売った方が良いような。
そんなことを言いつつも、好きです、森博嗣。
[Today's tune]WORLDS END/池澤春菜
1月17日(金)
最初にそのバンドの曲を聴いたのは高校生のとき。
周りにはビジュアル系とかメロコアとかダンス・ミュージックがあふれていて、
そのバンドははっきりと言って時代遅れそのものだった。
もっと速いバンドや叫んでいるバンド、重たい音のバンド、そんなの掃いて捨てるほどいた。
しかもそのバンドの曲は、まったくわけが分からないものだった。
シンプルな曲があるかと思えば、テープを逆回転させてみたり。
けれど、それ以上はないと言うほど心に響いた。
いや、そんな生易しいものじゃない。そのバンドなしじゃやれなくなった。
潔いとかそういう言葉とは正反対で、みっともなく解散していったバンド。
けれど、その事実ひとつとっても、最高のバンドだと思った。
THE CLASHそれがそのバンドの名前だった。
大学に入ってからもたくさんのバンドを知った。
ニルヴァーナとかレディオヘッドとか、とても好きになったバンドもある。
けれど、どのバンドが自分にとって一番大切かといえば、今でもそれはクラッシュだ。
反抗も熱狂も興奮も冷静も皮肉も挫折もすべて彼らの中にある。
そして今日、ジョー・ストラマーが死んだのを知った。
代わりに死んでしまえばいい人間はいくらでもいるのに彼が死んだ。
悲しいけれど、それが事実だった。
[Today's tune](White Man)In Hammersmith Palais/THE CLASH
1月20日(月)
遅くなりましたが、更新。
小説に「そしてやさしさを」追加。
ジョー・ストラマーのことがあったり、昨日はすばらしいライブを見に行ったり、
とにかく色々なことがあったりして考えたことなんかを書こうと思いました。
しかし、やはり、女子高生一人称なんて未知なものに挑戦したのがいけなかったのか、
ものすごく微妙な感じになりました。
……やはりできなさそうなことはするもんじゃないです。
[Today's tune]KATE/BEN FOLDS FIVE
1月21日(火)
「Beats for lonely hearts in suicidal,sentimental domain.
――自己破壊的、感傷的領域における孤立点への諸干渉――」第1章の3追加。
昨日更新した「そしてやさしさを」もよろしく、です。
テストがあったりバイトがあったりするので更新が毎日できないかもしれないです。
決してメルブラにはまってるわけじゃないんで。
1月22日(水)
「ファンタズム(西澤保彦)」読了。
残忍な連続殺人。不可解なまでに残された証拠。
犯人は? その意図は?
いや、もうすばらしいです。さすが西澤保彦。
ミステリというものを使ってこういうものも書けるんだと、身をもって示してくれました。
感動です。
最近の壊れているミステリって、悪い人や駄目な人とか、そういう人はたくさん出てくるんです。
いわば、外側の人たち。
それに比べて、ファンタズムの主人公は、裏側、だと思うんです。
もう、マイナスじゃなくて虚数というか、まったくの別物じゃないかと。続いていないんです。
それをこういうふうに書けるのって凄いです。
や、よく分かりませんが。
「解けない」ことが分かっている理由。「無限」に続いていく動機。
「繋がらない」ミッシングリンク。――
[Today's tune]Lithium/NIRVANA
1月23日(木)
仙台は雪が凄くて大変でした。
「海賊島事件(上遠野浩平)」読了。
密室の中の水晶に包まれた最も美しい死体。
何者にも干渉されない二つの場所。
そこに隠された秘密は? 芸術品ともいえる死体を作り出したのは?
――今回もファンタジーでミステリでした。
もう、収拾もつかなくなるようなものすごい状況になっていながら、
一気にぽんと、何事もなかったのようにあっさりと事件が片付いちゃいます。
その手際のよさに感嘆です。
[Today's tune]December Flower/IN FLAMES
1月24日(金)
ひそかにメルティブラッド終了。
格ゲー苦手でも何とかなりました。
G.秋葉が強かったですが。
ストーリーも、非常に良かったデス。
唯一駄目だったのがシエルでした。
勝ち台詞が異様にむかつくので、無理です。
それと、アルクの出番が少ないような気がするんですが。
……まじめな感想はちょっと無理です。
情報とかそちら系の分野はあまり得意じゃないのです。
[Today's tune]天国旅行/THE YELLOW MONKEY
1月30日(木)
テストひと段落。
というより、雪が酷いです。ここ一週間まともに原付乗れてません。
テスト受ける前に疲れきってました。
で、移動はほとんど徒歩だったわけですが、
疲れる代わりにいろいろともの考えてたり。
その結果として、本読みたくなったり色々書きたくなったり。
たまにはゆっくりと歩くのもいいものです。
同じ理由で一人旅も好きです。
[Today's tune]サイキックNo.9/THE YELLOW MONKEY
1月31日(金)
結局のところ、自分の思うようなものを書いたものがなかったり。
どれも、何も伝えられないような。
言葉というものは、なんて難しいんだろうか、と。
誰かに手を伸ばせば、すぐにはっきりと伝えられるようなことでも、
その思いを伝えられないまま。
しかも、こんな場所じゃ言葉は虚空に消え去るだけ。
でも、いつか、それを信じて。
[Today's tune]ECLIPSE/池澤春菜