深 夜 番 組
意味もなくただテレビをつけている。
深夜番組がテレビのモニターに映し出されている。
なんの意味もなく、何の思いもなく、ただ見つめている。
―――真夜中にふと、人の声が聞きたくなって。
そして―――いつも消すのを忘れてそのまま寝入ってしまう。
「高耶さん、ほら、また眠ってしまって…」
テレビをつけたまま眠っている高耶を見つけて直江は苦笑を浮かべる。
電源を落とし小さく息をつく。
そしてまるで小動物のようにうずくまって眠っている高耶を見て微笑む。
「―――風邪、ひきますよ」
しまわれていた毛布を取りだし、そっと身体にかけてやる。―――と、
「ん…あ、俺、眠っちまってたのか」
目を擦りながら高耶が身を起こす。
「起こしてしまいましたか」
直江の言葉に高耶は苦笑いを浮かべながら首を横に振る。
「いや、いい。気にするな」
ん〜と軽くのびをする。そしてちらり、とテレビに視線を向ける。
「―――あ、消してくれたのか」
「ええ。いけませんでしたか?」
「―――いや、別に」
テーブルの上に置いてあった飲みかけのミネラルウォーターを口に含む。
「別に目的があって見てた訳じゃねえから」
「―――番組を見てたわけじゃないんですか?…じゃあ、なんの為に?」
その言葉に高耶はぐっと息を呑む。―――そして
「…真夜中に俺がたった1人でいると…他には誰もいないような錯覚を覚える――」
「…高耶さん」
「あんまりにも静かすぎると…俺しかこの世界に…この夜に存在していないような気が
するんだ―――。だから深夜番組をつけてる。…少なくとも人の声は…聞こえるから」
(自分1人じゃないって…思えるから)
ほんの少しばかり寂しそうに呟くその姿に直江は目を細め―――
「―――私はここにいますよ」
「――直江?」
そっと高耶の身体を己が腕で抱きしめる。―――我が子を抱くように優しく。
「私がいる限り貴方1人にはさせない。―――ずっとずっとそばにいますから」
(だから―――安心してください)
突然の行動に驚きを隠せない高耶。――だが、やがて、ぽすり、と直江の胸に額を当てると
「―――ああ、わかってるよ。お前はいなくならない。俺のそばからは消えない。わかってる。
わかってるよ―――」
「高耶さん…」
「俺はお前を離さない。絶対に。―――だから…お前も離すな。…俺を1人に…するな」
「――――御意」
返事を聞くと高耶は自らも直江の背中に腕を回す。
そして存在を確かめるようにぎゅっと小さく直江のワイシャツを握り締めた。
2003/06/05 尾 張 海
《後書》
え、えっと〜恐れ多くも「炎の蜃気楼」でございます〜(大汗)
今、思わず平伏して謝り倒したい気分です。
完全なパラレルです。完全なパラレルなんです、この話は〜〜!!
う、うう、自分の文才がないのがバレバレ。
精進いたします。。あうう〜〜(汗)