「骸の瞳はいつ見ても綺麗ね。」
骸の膝の上に乗り、覗き込むように瞳に見入る。骸は顔に添えられている手を包み込み微笑みながら「ありがとうございます。」と一言。
星歌は満足そうに笑みを作ると猫のような甘ったるい声で言う。
「骸。約束しましょう?」
「約束ですか?」
「そう。」
星歌はとても楽しそうに声を弾ませている。骸に掴まれている手とは反対の手を目 の前に差し出しピッと指を立てる。
「一つ目 。死ぬときは私のそばで死ぬこと。二つ目 。頭に銃弾1発で死ぬこと。」
「これはまた、穏やかでない約束ですね。」
2人の声しか響かない静かな廃墟の中、ギシッとソファがきしむ音が聞こえたと同時に星歌は触れるだけのキスを骸に贈る。
離れていった感触を味わう前に動く唇。
「星歌は僕が約束どうりに死んだら、どうしますか?」
「死んだ後も愛してあげるわ。綺麗に飾って死んでもずっと私と一緒よ。」
「そうですか。綺麗に飾ってくださいよ?」
「えぇ、世界一に綺麗なお人形にしてあげる。」
無邪気な笑みに今度は骸からキスを贈る。先ほどより長く、深く。約束を固く結ぶように。
+ + + +
ぼ ろぼ ろになった廃墟の中でツナはじっと目 の前に横たわるモノを見る。
初めて本 気で闘ったことへの罪悪感か、みんなを守れたことへの喜びか、辛い過去への同情か、多くの感情が頭の中で渦巻いていた。
カタンッと物音がした方を見ると、黒曜中の制服を着た女性が立っている。
「(も、もうこれ以上闘えないよー!!)」
ツナはその女性が戦いに来たのだと思い半泣きで後ずさっていた。体がぎしぎしと軋む。
しかしその女性はツナなんか目 に留めずゆっくりと骸のそばに歩み寄り座り込む。
「骸、死んじゃったの・・・・・?」
「(あれ・・・・?)」
てっきり攻撃されるのだと勘違いしていたツナは頭を捻りながらもその女性から目 を離さなかった。正確には目 を離せなかった。
穏やかな表情を浮かべながら骸の輪郭を何度もなぞっていく。何回か往復した後その動きは徐々にスピードを落とし止まる。
「アハハッ!本 当に死んだのね。とても綺麗よ、骸。」
いきなり狂ったように笑い出した星歌をツナはびっくりしたように目 を見開き見ている。
星歌は骸の頭を抱き髪を緩慢な動きで撫でだす。熱を失った体はピクリとも動くことはない。それは、これから先も。
「約束を守ってくれたのね。うれしいわ。あぁ、さびしかったら千種と犬もそばに置いておきましょう。
少し汚れてるけど世界一綺麗なお人形にしてあげる。」
本 当に嬉しそうに骸を抱く星歌に嫌悪にも似た恐怖を覚えるツナ。隣にいるリボ ーンは何も言わずその異様な情景を見ていた。
「ずっと一緒にいましょう。死んでも私のものよ。誰にも触らせはしないわ。ねぇ、骸?」
服を骸の血が染み込み少しずつその色を侵蝕していくのも気にせずに髪を撫で続ける。そこにまた別の色が加わる。
それもすぐに赤くなって服に染み込んでいく。
それは非常におかしな光景だった。微笑みながら死体を抱いているだけでもおかしい。けれどもっとおかしい。なんで。
「なんで、泣いてるの・・・・?」
心に浮かんだそのままの疑問をツナが声に出すもそれは彼女には聞こえていないようで。
不思議な泣き方だと思った。嗚咽もなにもなく、顔を歪ませながらでもない。微笑みにそのまま涙を加えたような泣き方だった。
これも、俺が知らない一つの感情なのか?そして、こうまで綺麗に泣ける人がいるのかと。
普通に泣くよりずっと悲痛な泣き方にツナはそれ以上その光景を直視することが出来なかった。
骸、これからもずっと一緒よ。
その瞳も私のものになるの。
それは、とても、とても、幸せなことよ?
私が死ぬまで、貴方を愛してあげるわ。
もう、その声が聞けなくなるのは残念だけど
私はとても嬉しいわ。
世界一綺麗な私だけの、お人形さん。
微笑みと涙のアンチテーゼ
(その瞳も、体も、記憶も、心も、すべて)
*アンチテーゼ(=ある主張や方式に対抗するために出された主張や方式、ある物事に対しての矛盾)
―皇星歌様あとがき―
とにかくはい。すいません。
わかってますよ。文が可笑しいこと位。
なんでこうシリアスばかりなんだろう・・・?
皇星歌様から頂きましたv
骸様の夢小説2つ目です・・・!
皇星歌様の書く小説、雰囲気がとても素敵で引き込まれます。
それに骸様がとても格好良くて・・・!
主人公も魅力的です。
ラストの方で涙が・・・(涙脆
こんな素晴らしい夢小説をありがとう御座います!
これからも宜しくお願いしますね^^
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