| お、文若。美味そうな葡萄を持っているなぁ。一つくれよ |
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| こらこら!駄目です!!(さっと皿を上に上げて) |
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| なんだよケチ臭いな。 そんなに沢山あるんだから一粒ぐらいくれたってかまわないだろう? |
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| 駄目といったら駄目です!これは曹丕子桓さまのところへきた贈り物で 今からお届けにあがるのですから |
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| えぇ、そうですよ |
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| ふーん。でどこにそんな記述があるんだ? |
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| どこにって・・えぇと・・ |
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| 正史にそんな記述、見た事が無いぞ? |
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| だけど、皆知っていますから・・ |
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| 文若にして歯切れの悪い返答だなぁ(苦笑) お、丁度あそこに曹丕さまの四友の1人がいるから、あいつに聞いて みよう。おーい!仲達ー!!! |
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| あぁ・・暑い暑い。こう暑くては首も上手く180度回らんな・・。っと? 奉孝ではないか。何をしているんだ?文若も一緒か。美味そうな葡萄だな。 曹丕さまへ届けるのかな? |
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| はい、そうです |
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| で、仲達。曹丕さまが葡萄を好きってのは一体何処から出た話なんだ? |
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| それはな唐代の文人、段成式の著した「酉陽雑俎(ユウヨウザッソ)」という 書物で知る事が出来る。この本は古代中国の植生とか食性をまとめてい る本だ。 そこに葡萄に対する記述があってな。そこに魏の武帝(曹操)の言葉として こういう記述が紹介されている。 |
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| 「夏から秋にわたり、まだ暑気が残る頃や、酒によって二日酔いに悩んだとき。 露を手で押しぬぐって食すと、甘みがあっても甘ったるくはなく、酸味はあるが 酸っぱくない。ひやりとするが歯に染みない。味が残って汁気が多く、蒸暑さを 除き、渇きをいやす」 (『類聚』87引、『御覧』972引、『大観本草』23引。『全三国文』6による) |
| 曹丕様の?しかし曹丕さまは葡萄なんかが好きなのか? |
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| これは魏の武帝(曹操)のものとされているが、実際文献上、曹操の言葉 としてこの記述が無い。 故にこれは恐らく間違えで、正しくは曹丕子桓の言葉では無いかとされている |
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| ふむふむ |
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| 曹丕様はこう続けられている「さらに醸して酒にすると、麹の酒よりも甘くて、 酔い心地がよくてさめやすい。これを口に出していうだけでも涎が出てしまう。 まして実際食べた場合はどうだろうか。よその果物でこれに匹敵するものは あるだろうか?」 |
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| ふふ・・べた褒めだな。涎が出るほど好物なのか。 |
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| そして蛇足だが楊貴妃が愛したライチについて曹丕さまはこう仰っている。 「ライチを口にしてみるとその味が薄い事を知った」と。なんだか残念そうな 口調だな(笑)曹丕殿はライチよりも葡萄の方がお好みと見えるな。 おっと、楊貴妃は時代が後だなどという突っ込みはなしだからな |
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| う・・・くそ。先を読まれたか(苦笑) |
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| 先を読まれたのではなくて、あなたが単純すぎるだけですよ(ぼそ) |
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| ま、とにかく、どこからきた言葉かってのはこれで解った。 ありがとう仲達。礼はこの葡萄で・・・ |
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| それは遠慮しておこう(笑) 曹丕さまのお気に召さぬ事をすると何が起こるか解らないからな |
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| えっと・・・では私はこれで失礼いたしますね(ダッシュで葡萄を持って立ち去り) |
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| おっと・・逃げたか。ま、気になることは知れたので好しとするかな |