M-6の写真
ONKYO M6
2WAY BASS-REFLEX TYPE SPEAKER  SYSTEM
                                ¥52,000

1976年にオンキョーが発売したスピーカーシステム。1975年にプロトタイプが発表され,中 級機ながら
大口径ウーファーを搭載し,鳴りっぷりの良さが高い評価を受け,人気モデルとなりました。

M6の最大の特徴はクラスを超えた強力なウーファーにありました。31cm口径で,マルチコル ゲーショ
ン付シートコーンを採用していました。
ウーファーを駆動する磁気回路は,10,000gaussの高磁束密度を確保する 180φ×95φ×15mmの
大型マグネットと78φmmのロングボイスコイルを用いた強力なもので,ポールには電流歪を低減させる
銅製ショートリングを付けたものでした。

M-6のウーファー特殊耐熱性樹脂板採用蝶ダンパー

ウーファーのエッジには,大入力に強く小振幅時の歪みを減少させた特殊成型2層発泡ウレタンエッジを
搭載していました。これは,適度の内部ロスをもつ発泡ウレタンを,コーン紙側が高密度に,フレーム側の
密度が低くなるように,特殊成型をほどこした二重貼り合わせエッジでした。これにより,コーン紙のスム
ーズな動きと内部ロスの吸収におけるすぐれた特性を実現していました。
ダンパーには,耐熱性にすぐれ強度が高く,すぐれた応答特性を持つ特殊耐熱性樹脂積層板を,初めて
蝶ダンパーとして実用化し,搭載していました。この新しい素材は,ダンピング特性と機械抵抗がすぐれて
いることを生かして,ウーファーのボイスコイルボビンにも採用され,低域特性をフルに発揮させるようにな
っていました。
このウーファーはフルレンジに近いワイドな特性を持ち,ファンダメンタル帯域をカバーすることができ,定
位感とまとまりのよい再生につながっていました。

M-6のトゥイーター

トゥイーターは,4cm口径で,ヤング率の高く軽量のチタン振動板と,軽く内部ロスの大きなカーボンコーンを
組み合わせた複合振動板トゥイーターを搭載していました。物性の異なるチタンとカーボンコーンを組み合わ
せることで,すぐれた過渡特性と高能率を誇る伸びのある高域再生を実現していました。
トゥイーターとバスレフポートは,取付位置が対称で同一寸法になっており,簡単に取付位置が変えられるよ
うになっていて,ユニット配置をL・Rで左右対称にすることができるようになっていました。

キャビネットは,20mm厚米松合板のバッフル板と18mm厚針葉樹チップボード側板を用いたもので,計算
された補強材を使用した減衰特性のきれいなキャビネットとしていました。仕上げはポリウレタン塗装として
ハードな感じの外観としていました。

M6にもう一つ特徴的なものとして,「モードセレクター」が付いていました。これは,通常見られるトゥイーター
等のユニットごとに音圧レベルを変えるレベルコントロールに対して,ユニット相互のクロスオーバーの変化ま
で考慮に入れた再生音エネルギーの分布を代表的な3つのパターン(通常のフラットなパターン,高・低音を
強調したパターン,中高音を抑えめにしたパターン)に切り換えるようにしたもので,聴く音楽や部屋の状況,
好みに応じて簡単に切り換えが楽しめるうようにした機能でした。

以上のように,M6は,当時としては,クラスを超えた大口径の強力なウーファーを搭載したシンプルな2ウェ
イとして広いダイナミックレンジを実現し,鳴りっぷりの良さを誇り,人気モデルとなりました。その後,マーク2
3としてロングセラーモデルとなりました。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。


100W・95dB/W・大口径ウーファ。
秀逸なリアリティと定位,
音楽に酔う−この感動。
ドラマチックな,M6です。
◎楽音の表現力を左右するダイナミックレンジ
◎広大なミックレンジ化のための二面作戦
◎微少入力時の秀逸なリニアリティ
◎すばらしい音像の定位
◎豊かな表現力をもつ大口径ウーファ
◎特殊成型2層発泡ウレタンエッジ
◎銅ショートリング付強力磁気回路
◎特殊耐熱性樹脂板採用蝶ダンパー
◎複合振動板トゥイーター
◎左右対称型可変
◎音響特性のよいキャビネット
◎最適モードが選べます
●M6主要定格●


形式 2ウェイバスレフ型
インピーダンス 8Ω
最大入力 100W
再生周波数範囲 30〜20,000Hz
クロスオーバー 2000Hz
出力音圧レベル 95dB/W/m
セレクター 3段階モードセレクター
使用スピーカー 低音用:31cmウーファ(W-3503A)
高音用:4cmトゥイータ(TW-406A)
寸法 392W×680H×375Dmm
重量 23kg


M6Uの写真
ONKYO M6U
2WAY BASS-REFLEX TYPE SPEAKER  SYSTEM
                                ¥55,000

1977年,M6はM6Uへとモデルチェンジされました。ハイパワー,高能率,広ダイナミックレ ンジ,明確な定
位感という設計ポリシーを受け継ぎつつ,各部を改良,より強化した内容を持っていました。

ウーファーは,W-3503Aから改良されたW-3505Aへと変更されていました。コイルとボイスコイルの間には
新たに亜鉛ダイカスト製の補強リングが設けられ,foを下げて低域の拡大を図るとともに,コーン紙の振動モード
の安定化を図っていました。ウーファーのフレームは,M-6に比べて20%重量増を行った新しい黒色仕上げのダ
イカストフレームが採用され,共振が低減されるとともに,ウーファー自体の重量増,バッフル板との接触面の剛
性アップによりバッフル板の補強の効果も得られ,低音のパワー感のアップと定位感の改善が実現されていまし
た。
トゥイーターは,TW406AからTW-410Aへと改良され,複合振動板は受け継がれつつ,細かな改良がなされて
いました。目に見える点として,新たにパンチングメタルによる保護ネットが設けられていました。

ネットワークの改良も行われ,トゥイーター回路の補償回路の強化が行われるとともに,モードセレクターの効果も
より明確に出るようになっていました。

以上のように,M6Uは,M6の各部に改良が施され,より力強い音をもつ1台となり,人気モデルとなりました。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。


一段とあざやかな広ダイナミックレンジ。
M6,遂にマークUへ
◎豊かな拡がり感を加えて,音楽的に更に充実
◎魅力あふれる低音を再現する大口径ウーファ
◎高調波歪の低減を図って歪対策も万全な
 銅ショートリング付強力磁気回路
◎超耐熱性樹脂積層板・蝶ダンパー
◎強度・リニアリティに優れた特殊成型エッジ
◎低域再生を補強する亜鉛ダイカストリング
◎チタンカーボン複合型4cmトゥイータ
◎公表のモードセレクターも新しくなりました
●M6U主要定格●


形式 2ウェイバスレフ型
インピーダンス 6Ω
最大入力 100W
出力音圧レベル 95dB/W/m
最大出力音圧レベル 115dB/m
再生周波数範囲 28〜20,000Hz
クロスオーバー 2000Hz
キャビネット内容積 65リットル
セレクター
使用スピーカー 低音用:31cmコーン型(W-3505A)
高音用:4cm複合型(TW-412A)
寸法 392W×680H×375Dmm
重量 24kg
その他 前面操作型式段階モードセレクター
サランネット着脱式


M6Vの写真
ONKYO M6V
2WAY BASS-REFLEX TYPE SPEAKER  SYSTEM
                                ¥56,000

1979年には,M6UはM6Vへと2度目のモデルチェンジとなり,このモデルが最終形となりま した。外観的
にも大きく変化が見られ,2ウェイの名機として人気を得ました。

ウーファーはW3511Aへと改良され,口径,基本構造はそのままに,ポリアミド系繊維材による ダンパーの採
用,エッジ等の支持系の素材,形状の厳選・見直し等が行われていました。音楽のファンダメンタルが集中 する
中低音をしっかり再生するシステムのベースとして強化が行われていました。

トゥイーターは,TW419Aへと改良され,口径25φ,厚み20μのチタンダイヤフラムとカー ボンコーンを組み合
わせた複合型トゥイーターとしてより強化されていました。19000gaussの高磁束密度を実現した 強力な磁気
回路でドライブされ,40,000Hzまでの超高域までの再生を可能にしていました。磁気回路のギャッ プ内には
磁性流体を注入し,温度特性と歪特性を大幅に改善し,大入力化が図られていました。
トゥイーターには,新たに音響レンズが付加され,左右30度方向の指向性も完全にクリアする構造となっ ていま
した。

ネットワークも改良が施され,低損失のアルミ電解・有極コンデンサを各々2個つきあわせ接続する 構造をとると
ともに,チョークコイルには低歪率のケイ素鋼板コアを採用していました。併せて,内部の配線材料にも低 抵抗材
を使うなど,低損失・低歪率ネットワークをめざして強化が行われていました。

以上のように,M6Vは,M6シリーズの最終形として,広ダイナミックレンジをめざした設計をさ らに高め,高い完
成度をほこる強力な中級機としていました。2ウェイの中級機ながら,瞬間最大600Wまでのリニアリ ティと95dB
の高能率を両立させた設計は,鳴りっぷりの良さとともに,2ウェイの名機として記憶に残るものでした。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。


飛翔への,マークV。
−ひとつの個性が,普遍へと昇華した。−
◎スピーカの流れを変えたM6が,マークVに なった。
◎5年目のマークV。完成美の世界です。
◎豊穣な低音を再現する大口径ウーファ
◎音響レンズ付4cmトゥイータ
◎音質を重視した低損失ネットワーク
◎完成度を更に高めたキャビネット
◎自然な音場創生に役立つモードセレクター
◎モードセレクターの効果を更に高めたM6V
 
●M6V主要定格●


形式 2ウェイバスレフ型
インピーダンス 6Ω
最大入力 120W
瞬間最大入力 600W
出力音圧レベル 95dB/W/m
再生周波数範囲 30〜40,000Hz
クロスオーバー周波数 2000Hz W12dB/oct,TW18dB/oct
キャビネット内容積 65リットル
セレクター
使用スピーカー 低音用:31cmコーン型ウーファ(W-3511A)
高音用:4cm複合型トゥイータ・音響レンズ付(TW-419A+AL60)
寸法 392W×680H×385Dmm(Dはサランネット含む)
重量 24kg
備考 前面操作型式段階モードセレクター
サランネット着脱式
左右対称型キャビネット
※本ページに掲載したM-6, M6U,M6Vの写真,仕様表等は,
 1976年10月,1978年7月,1979年9月 のONKYOのカタログ
 より抜粋したもので,オンキョー株式会社に著作権が あります。した
 がってこれらの写真等を無断で転載,引用等をするこ とは法律で禁
 じられていますのでご注意ください。
                        
 

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