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●『混合性結合組織病(MCTD)』とは
混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease: MCTD)は、臨床的に全身性エリテマトーデス(SLE)様、強皮症様、多発性筋炎様の症状が混在し、かつ血清中に抗U1-RNP抗体が高値で検出される病気です。今日では一般にMCTDは膠原病の重複症候群の中の一つの病型とみなされています。
男女比は1:13〜16とされていて性別では圧倒的に女性に多い病気です。年齢では30〜40歳台の発症が多いようですが、小児から高齢者まであらゆる年齢層に発症し、約3000人の患者がいるものと考えられています。
●レイノー現象
寒冷刺激や精神的緊張によって起こる手指の蒼白化をレイノー現象とよびます。MCTDのほとんど全例に認められ、初発症状であることが多いようです。血管の可逆的な攣縮によるもので、皮膚の蒼白化、チアノーゼ(紫色)、紅潮を経て数分から数10分で正常の色調に戻ります。しびれ感や冷感を伴います。
また、手の腫脹、手背から手指にかけて腫れぼったくなり、指輪が入りにくくなる症状が約70%にみられMCTDの特徴的な症状と考えられています。
●SLE様症状
SLEによく似た症状として発熱、顔面紅斑、リンパ節腫脹、多発関節炎、漿膜炎(胸膜炎および心外膜炎)が認められます。関節症状は特に頻度が高く、通常は一過性で治療によく反応しますが、まれに慢性関節リウマチと区別のつきにくい慢性の関節炎や関節変形をきたすことがあります。腎症状(蛋白尿や血尿など)は約20%に認められますが、ネフローゼ症候群や腎不全などの重篤な腎障害は少ないとされます。
●強皮症様症状
強皮症によく似た症状として手指に限局した皮膚硬化、肺線維症(間質性肺炎)、食道運動機能低下が比較的高頻度に認められます。しかし、皮膚硬化が肘を越えて全身に及ぶことはまれです。自覚症状として、肺線維症があると空咳や息切れがでることがあり、食道の運動機能が低下すると食物(特に固形物)を飲み込みにくくなります。
●筋炎様症状
躯幹に近い上下肢の筋肉の筋力低下や筋肉痛を認めることがあります。疲れ易い、しゃがみ立ちができない、階段の昇降ができない、髪の毛をとかなせい、重い荷物を持ち上げられない、などの症状が出現します。血液検査では血中のクレアチンキナーゼ(CK)、GOT、LDH、アルドラーゼなどの筋肉由来の酵素の値が上昇します。しかし,全く立てなくなったり、寝たきりになったりするほどの重症の筋症状はMCTDではまれとされています。
●肺高血圧症
MCTDの5〜10%に合併する肺高血圧症は重篤な合併症です.自覚症状として動悸、労作時息切れ、胸痛(胸骨後部痛)を訴えます。進行性、治療抵抗性のものは原発性肺高血圧症と類似しています。
●無菌性髄膜炎
MCTD患者に解熱鎮痛薬のイブプロフェンを使用すると、無菌性髄膜炎を誘発することがあります。理由は不明で、頻度も多くはないと考えられますが、MCTDと診断されたらイブプロフェンを含有する鎮痛薬は使用しないほうが無難です。
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