|
●全身的副作用について ステロイド外用剤は通常の使用量では効果も副作用もぬった場所にしかでません。もし全身的な副作用を出そうと思えば中程度の強さのステロイド外用剤で1か月に5グラムチューブで最低100本は必要です。これは実際には皮膚科専門医では処方されることの無い量です。全身的な副作用が出るような誤った情報を流しているのはアトピービジネスや、世間のうけをねらう一部のマスコミです。例えば、某TVではステロイド外用をやめて劇的に症状の改善した患者にじつは免疫抑制剤の内服療法が行われていた例や、某民放のキャスターによるステロイド外用剤の恐怖をあおる偏向報道などが悪いのです。 ●局所的副作用について ステロイド外用剤の副作用の出やすさや種類は、年齢によっても違い、顔、首、体など、ぬる場所によっても違います。したがって、年齢や場所により、使う薬の種類を変えます。顔用、首用、体用などと、何種類も処方されるのは、このためです。 ●しゅさ様皮膚炎 最も困る副作用はおとなの顔に起こるもので、しゅさ様皮膚炎と言われるものです。これは、通常数か月連続して、ステロイド外用剤をぬり続けた場合に起こる可能性があるものです。1週間や2週間では起こりません。また、小学生以下の子供では通常起こりません。これは顔がほてるなどしますが、外用をやめても、長期間(ぬっていた期間の倍とも言われるが人により異なる)続き、患者さんの苦しみも続きます。皮膚科医では良く知られた副作用で、皮膚科医はかなり注意をしていますので、皮膚科専門医ではまず起こらない副作用です。薬局での売薬や、専門医以外での処方で起こることがほとんどです。これを防ぐには、自分の判断で顔に薬をぬり続けたり、体用にもらった薬を顔にぬったり、他人の薬をもらってつけたり、違う病気でもらった薬をぬったりしないことです。 ●赤ら顔 おとなのアトピー性皮膚炎でときに起こるもので、これも一度おこると赤みが取れるのに時間がかかりますので、かなり気を使う必要があります。これを防ぐには、おとなのアトピー性皮膚炎では顔に使うステロイドを極力へらし、できれば使わないこと。特に、赤いだけでかゆみのない場合は使わないことなどが大事です。 ●毛のう炎 塗っている場所にでることがありますが、塗るのをやめると比較的すみやかに治りますので、それほど心配はいりませんが、比較的多い副作用です。押すと痛い発疹がでた場合は外用を中止するように気を付けます。 ●皮膚が薄くなる 尋常性乾癬(じゅんじょうせいかんせん)の場合、アトピー性皮膚炎に比べ強いステロイド外用剤でなければ効かず、また自然治癒が少ないため長期の外用を必要とするため、若いころは良くても、年とともに、皮膚が薄くなったりします。またもともと高齢者では年と共に皮膚が薄くなるので、尋常性乾癬の場合や高齢者の湿疹の場合は強いステロイド外用剤を大量に使わないよう気を付ける必要があります。アトピー性皮膚炎は子供のうちに治り切る場合が多く、また成人の場合でも30歳台から遅くとも40歳台には治りきり、しかも乾癬などに比べ弱いステロイド外用剤でコントロール可能なためそれほど心配はいりません。 ●毛細血管の拡張 顔に強いステロイドをぬり続けたりしたときに起こります。主に見た目だけの問題ですが、治るのに時間がかかるので、注意がいります。他に、ケロイドや白斑の治療では、この副作用がでるぐらいの強いステロイド外用剤でないと、効果が出ませんので、これらの病気の治療では多少はやむを得ない副作用とも言えますが、なるべく出ないようにします。 |