『ベーチェット病』とは

ベーチェット病は、厚生省の特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されている難病の1つであり、現在我が国では、世界で最も多い15,000〜18,000人の患者が存在すると推定されています。発病年齢は、男女とも20-40歳に多く、30歳前半にピークを示します。
主症は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍や外陰部潰瘍、虹彩炎、ブドウ膜炎など目の症状、皮膚の発疹などです。
そのほかにも関節炎、消化管病変、血管病変、中枢神経病変などが認められる全身性炎症性疾患で、症状の憎悪と寛解を繰り返しながら慢性の経過をたどります。そして、重症になると失明し、脳や末梢神経が侵されることもあります。発症の好発年齢は20歳から40歳代で、症状憎悪因子として過労、寒冷、気圧配置の変化、感染、外傷などが挙げられています。


皮膚症状

下腿伸側や前腕に結節性紅斑様皮疹がみられます。また"にきび"に似た座瘡様皮疹が顔、頸、胸部などにできます。皮下に血栓性静脈炎がみられることもあります。皮膚の被刺激性が亢進するので、『カミソリ負け』を起こしやすかったり、注射や採血で針を刺したあと、発赤、腫脹、小膿疱をつくったりします。(針反応)

眼症状

この病気でもっとも重要な症状です。ほとんど両眼が侵されます。前眼部病変として虹彩毛様体炎が起こり、羞明、瞳孔不整がみられます。後眼部病変として網膜絡膜炎を起こし、失明に至ることがあります。

その他の症状

外陰部潰瘍:男性では陰のう、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣粘膜に有痛性の潰瘍がみられます。

副症状

●関節炎:膝、足首、手首、肘、肩などの大関節が侵されます。非対称性で、変形や強直を残さず、手指などの小関節が侵されない点で、慢性関節リウマチとは違います。

●血管病変:この病気で血管病変がみられたとき、血管型ベーチェットといいます。圧倒的に男性が多いといわれています。動脈、静脈ともに侵されますが、静脈系の閉塞がもっとも多く、部位では上大静脈、下大静脈、大腿静脈などに好発します。次いで動脈瘤がよくみられます。

●消化器病変:腸管潰瘍を起こしたとき腸管型ベーチェットといいます。やはり男性に多くみられます。腹痛、下痢、下血などの臨床症状を示します。部位は回盲部が圧倒的に多く、その他、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れ、穿孔して緊急手術を必要とすることもあります。

●神経病変:神経症状が前面に出る病型を神経ベーチェットといいます。難治性で、もっとも予後不良です。これも男性に多いのが特徴です。ベーチェット病発症から神経症状発現まで年限がかかり、平均6.5年といわれています。片麻痺、髄膜刺激症状、小脳症状、錐体路症状など多彩です。精神症状をみることもあります。眼病変を欠くものに多いといわれています。

●副睾丸炎:男性患者の約1割弱にみられます。睾丸部の圧痛と腫脹を伴います。

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