サイト名変更についての解説
written by ガードクソン


三点倒立。ソスペチョソ体育百科事典(Enciclopedia de las gimnasias 'SOSPECHOSO')にはこう記されている。

1)頭と両手の三点を指示点として行う倒立。
2)辺境バスク族※1の最も基本的な瞑想姿勢。バスク=オダグ=アマ(発音通りに表記するならバスコダガマ)※2
3)中世ポルトガル人に当時もっとも親しまれた健康法※3。愛好家の中にはバスコ=ダ=ガマなどもいた。

きっと誰もが同じ疑問を持つであろう。「何故全く異なる二つの文化で『ばすこだがま』というありきたりでない言葉がキーワードとなっているのか?」と。
誠に残念であるが、その答えは未だみつかっていない。
しかし、更なる興味を湧かせる、こんなエピソードが残っているので紹介しよう。

ご存知の方もいるかも知れないが、バスコ=ダ=ガマは喜望峰到達に前後して辺境バスク族と交流し、彼らの多大な援助を勝ち得ている。
そしてそのエピソードこそ、上記辞典に記載されている事柄を包括しているのである。

「オン アブ イオダ バスク オダグ アマ」というシンプルな伝承が辺境バスク族にはある。
「オン アブ イオダ」とは「海より来たる」、「バスク オダグ アマ」とは「人と魂と神」という意味で、後者はほぼ熟語のような意味合いでつかわれ、そのままの意味以外にも「全きもの」もしくは「秩序」などの意味でつかわれる。この伝承の場合は様々な意味を含むので、あえて「バスコダガマ、海より来る」とするのがよいだろう。
こんな伝承を持つ彼らのもとに、航海士バスコ=ダ=ガマはあらわれた。
それもただその名を持つというだけでなく、日々三点倒立をかかさない人物として。
辺境バスク族の民にとってこれ以上の祝福があるだろうか。当然、民をあげての歓迎は、辺境バスク族史上類を見ないものとなった。
そしてまた幸いなことに、バスコ=ダ=ガマはコルテスのように残忍な人物ではなかった。それどころか、ポルトガル人航海士としては1・2を争うほどの紳士的な人物だったのだ。この二者間に固い絆が結ばれたことは言うまでもない。
こうして、神の祝福を確信した一族に歓待を受け、その惜しみない助力によってバスコ=ダ=ガマは彼の目的の一つであったスパイス航路の開拓という難事業を成し遂げたのである。

ポルトガルの繁栄はスパイス航路なくして有りえなかった。
スパイス航路獲得のためには、是が非でも喜望峰をこえる必要があった。
その喜望峰をこえる旅は、おそらく辺境バスク族の助力なくしては完遂できなかっただろう。
そして、航海士がバスコ=ダ=ガマであったからこそ辺境バスク族は力を貸したといえる。
駄洒落としてもお粗末すぎるような偶然はしかし、一国の繁栄というとてつもなく大きな結果をもたらしたのだ。

大抵の人は「三点倒立」に対して「コミカル」もしくは「三流」というイメージを持っていて(そうでないという人はよほど特殊な環境にその身を置いていたに違いない)、あまり重要なことだとは感じていない。しかしそれが自然なのだ。エピソードのない事柄に重みを感じることは難しいのだから。
だからこそ我々は今回、サイト名を変更した。この歴史的に重要な、神の気紛れがおこしたとしか思えぬ出来事を世に広く知らしめ、またその恩恵にあずかるべく、我々の友情を記念して。

視力矯正センターにて。一人ポッキーゲームをしながら。200×年10月

※1:辺境バスク族は大航海時代にアフリカ大陸南部で呪術的な勢力を誇っていた部族。一般的に著名なバスクと区別する為、日本では便宜的にこの呼称を用いることが多い。バスクは「我々・私・人・生活」などに始まり少なくとも50以上の意味を持つ。

※2:バスク=人、オダグ=魂、アマ=神であるが、「土地は始まりからあり、生き物はいつのまにかそこにいた。人と魂と神は海からやってきた」など伝承中にしばしば登場し、別の意味(秩序・全きもの・統べる者など)を持つことも多く、辺境バスク語の最も重要なイディオムであり、外国人にとって使いどころの難しい言葉である。また、彼らの瞑想姿勢の第一形及び最終形(どちらも三点倒立)の呼称であることからもその重要性がうかがえる。

※3:三点倒立は当時のポルトガル人の一般的な健康法。貴賎を問わず爆発的に流行した。この健康法の提案者はイングランドの博物学者ジョン・スミス(興味深い人物なのでそのうち紹介しよう)だが、本国ではほとんど相手にされていなかった。余談ではあるが、三点倒立の際に当時のポルトガル人たちがよく発した「アチャケー!」という言葉がある。「頭頂部が痛いよぉ!」という意味なのだが、発音しないHから始まる言葉で、現代のアルファベットで表記すると「HACH−ACHE」(直訳すると「頭の頭(頭頂部ぐらいの意味)の痛み」)となる。実はあの「暴れハッチャク」の語源はここにあるのだ。本来「アチャケ」というところを「ハッチャケ」と読んでしまったのは仕方のないところだが、主役の子がどうしてもうまく三点倒立できなかった為にたんなる逆立ちやブリッヂになってしまったという事実は残念でならない。



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