ラバンジン(ハイブリッド)ラベンダ−  最終更新 H14.4.15 品種詳細はこちら
Lavandin lavender :Lavandula x intermedia
育てる:
香水の原料用に、品種改良によって作り出されたこの品種。 安価な精油しか採れないですが株が大きく、
暖地で育つスパイクラベンダ−(Lavandula latifolia)と、花穂がきれいで香りの良いイングリッシュラベンダ−を
掛け合わせて両方の長所を持つラベンダ−として作りだされました。
香りは様々ですが、香料用に育種された品種は、甘い香りが強くどろんとしたイメージです。
 一般的に花は長く、大きく3裂(矛型)します。花はイングリッシュ種に近い花穂で、株は1mちかい大株という
大雑把さです。チップは有毛でその毛の色が花色の全体のイメージを決めます。
イングリッシュ並みの耐寒性をもちながら、スパイクラベンダー並みに耐湿性も併せ持ち、関東以南の暖地でも育つ
丈夫なラベンダ−です。 花期は一般に遅く暖地では7月上旬から下旬。 寒冷地では7月上旬から9月まで咲き続けます。
結実しない不念性で、芯木が直立しますので、実生や取り木、株分けによる繁殖ができません。
増殖はもっぱら挿し木で行います。 

利用:
鉢バナや切り花として暖地にも流通しています。 通常はドライのチップに加工され、化粧品等の香料原料用に出荷されます。
たくさんチップが着くので、精油の収量は単位面積当たりイングリッシュ種の3〜5倍採れますが、
得られるエッセンシャルオイル(精油)には、カンファーなどの刺激成分が多く含まれることから、一般のラベンダ−とは別に
ラバンジンという名前で主に香料用途で精油が売られています。
香り質はリナロールアセテートが多く、甘さが強い芳香剤に近いにおいがします。
樟脳成分が多いことから、お茶や料理原料としては特殊用途に限られ、飲用、食用にはあまり適していないようです。

品種集めの憂鬱:

ラバンジンは不念性といって、種子が希にしかつかず、実生による品種の交雑はありません。 
従って、品種の混乱は本来起こりにくいはずなのですが、実生出来ない故、苗を海外から持ち込まざるを得ず、持ち込み屋
さんが活躍してますが、種苗のIdentifyをしっかりやれていないこと、あるいは利殖を考えた意識的な誤記名や造称が頻繁に
行われています。 その結果、日本に持ち込まれた品種は形質的に文献と一致しない物が多いようです。
もともとフレンチのように外見の差異が現れにくい品種なので、同じ品種でいくつ物流通経路を経ているうちにいくつ物名前が
勝手に加えられてしまって、結果日本にはいくつもの同じラベンダ−が違う名前で流通しているという状況になっています。
現在は品種の同定に精油の成分比率を用いなければならないほどで、品種名はあまり関係ないというのが世界的な流れです。
何を持って標準のラバンジンと呼ぶのかは難しく、タスマニアで栽培されればタスマニアン、ブライドストゥ地方ならブライドストゥ、
プロバンス地方ならプロバンスというように、本来同じ掛け合わせで出来た品種が栽培地域差によってちがう名前をもらっている
現実が世界的にも見られます。 日本での呼ばれ方の中には、インターメデェート、ハイブリッド、ラバンジンなどがあります。


H14.4.14現在、34品種(怪しい重複品種2種を含む)を栽培しています。そのうち25種の写真を公開しています。
更新情報:
13.2.28
Nz由来Doutch MiLLを某所から仕入れました。
13.4.10白山貿易さんのバーゴールデンを載せました。
13.11.10 JSのシルバーヘッジを載せました。
14.4.15 一部写真を更新しました。


 

英名 和名 Photo Topics
Ales アレス 萼が銀色で、濃紫花と映える。樹勢はおとなしめ。香りはスーパー並に強く甘い良香。
Arabian night
(41/70)
アラビアンナイト =Super plant C
フランス産のSuper(1956)がニュージーランドに輸入された際、横に広がりやすい性質(typeC)として分類されたものが、Arabian knightの名称で流通している。
もともとのフランスでの名称がImpress purpleなので、厳密にはImpress purpleの選抜種の一つという位置付けだろう。萼、花共に濃紫。グロッソより薄目の花色。香りは渋め。やや立性が強く樹型が乱れやすい。
Bargolden
(Goldenberg)
バーガーデン/
ゴールドバーグ

グロッソの金斑選抜品種で、花の形質はGrosso
と同じ。斑が安定していてきれい。
(デジカメ写真なのでサムネイルのみ)
Bogong/
Miss Donnington/
Vera int.
ボゴング/
ミスドニングトン
=Bojong,Byjong,Bygong または Miss Donnington.
イングリッシュ系のMissDonnington(=Boweles early)とは別種なので要注意。同じ品種が、NzではBogong、AuではMissDonningtonと呼ばれていて、それぞれの名前で日本に輸入されて別名で売られているので、非常に混沌としている。特に中部関西で流通しているラバンジンのベラという品種は本種と同じである。単にラバンジンというと本品種をさすほどポピュラーかつ大量栽培に適した品種。
Bridestowe ブライドストゥ オーストラリアタスマニア、ブライドトゥ地方に商用栽培されているラバンジン系ラベンダ−の総称で、特徴的なラベンダ−品種を特定している名前ではない。ややわい性。、ボシストによく似た短い花穂。銀色の萼に非常に薄い紫の花穂が着く。 香りは甘く、有る程度は強い。
Dilly Dilly ジリージリー もともとは1972フランス産のグロッソがNzに持ち込まれた際
派生した呼び名のひとつで、厳密にはGrossoやWilson's Giantと同じ品種である。香りが甘く強め。樹勢はややわい性の品種で横に崩れやすい。黒紫の萼に濃いめの赤紫花が咲く。
日本へ持ち込まれたNz産のこの品種は、グロッソに比べ花穂が太く、匍匐しやすい。
Douth mill ダッチミル NP 1920頃まで、ヨーロッパではラバンジンを総称してダッチと呼んでいたが、現在は英国シール農園産のGrey datchのことを指す。一部NzなどではDotch Veraとか、単にVeraとも呼ばれているが、VeraはL.a.の総称なので、混乱をきたしている。
私的にはVeraはL.a. DatchはL.xi.のGrey Dotchのことと理解している。本種はNz産のダッチヴェラという品種で銀葉の中型のラベンダ−で、花穂が長く湾曲しやすい。 香りはショウノウ臭が強く、スパイクに近い品種である。
Edelweiss エ−デルワイス わい性で株が横長に広がる。白花が穂に散らばって付くため非常に綺麗。香り弱い。日本ではわい性長穂種が流通しているが本当は大型らしい。
Folgate blue フォルゲートブルー イギリス原産のFolgateはL.a.で、国内にも流通している。
本種はニュージーランド産のL.xi種で、濃紫の萼に紫色の花が咲くため、全体に色濃くみえる。大型種だが、香りが弱く、樹型も乱れないので観賞用に適する。
Grappenhall グラッペンハール NP =Gigantea
最近まで日野春HGで発売していた。L.a.であったが、
文献ではL.xi.である。この品種は明るい紫色の花穂が特徴的なラバンジンの総称。
Grey hedge
/Chaix
グレイヘッジ/
チェイクス
NP 1980代フランス産で、Nzに持ち込まれた際Chaixという名称が与えられた。花がつきにくく、付いても少量なので、花として利用される品種ではなく、銀灰葉の立派な株が垣根用に愛用されている。
Gray lady グレイレディ 綴りから考えてアメリカ産か。同名のL.a.があるので要注意。
緑長葉で樹勢強い。耐寒性は同グループの中では弱い部類。 花茎が非常に長く、花穂も燦然と長くなる。
銀色の萼にややくすんだ白紫の花穂を付けるが、全体として目立たない。ショウノウ臭が強く、利用しずらい。
Grosso グロッソ フランス産の精油原料用のラベンダーで、香りが甘くショウノウ臭が全くない良好種。花色も濃く丈夫で育てやすい為世界中で好んで育てられている。 花穂も長くクラフトにも使いやすいため、最も人気のある品種である。
Hidcote Giant ヒッドコートジャイアント ヒドコートの名称がついているが、本種はラバンジンの一種。
ヒドコートのように濃花が、長い花枝の先に短くつく姿がヒドコートに似ているためこの名前が与えられものと思われる。
幅広の銀葉も特徴的でL.Latifoliaの形質が強いラバンジンといったいでたち。
Impress purple
(41/70)
インプレスパ−プル =Arabian night
フランス産の固品種で、SussexやArbian knightの派生本で、Superの一種と考えられている。
萼、花共に濃紫。グロッソより薄目の花色。香りは渋め。やや立性が強く樹型が乱れやすい。
Large white
Intermediate alba
Lavandin alba
ラージホワイト 樹勢の勢いが良く、長い花穂に大きめの花穂が白くまとまって付く。香りは弱めで、湿気に弱く立ち枯れしやすい。耐寒性もやや劣る。労株になると木質化しやすい。
1880以前より栽培の歴史がある固産品種。
intermadiate alba (=hidcote white)
は、本種と同一種と思われるが当園産のものは花穂間が広く産然となり、別種とも見受けられる。

花穂の白に、ごくまれに紫花がまじる新品種も
本種から育成中。
Lavandin
ラバンジン NP 交配原種らしい。大和園芸産。
Nz産であれば、Bogongと同じだと思われる。
Lullingstone castle ルリングストーンキャッスル NP 1990初期イギリス産のラバンジンで、銀葉の樹形が美しく
ボーダー用の垣根にGreyhedgeと同じように用いられている。
ただし、花穂は普通のラバンジン並に付き、花も楽しめる。
Nicolii ニコリ NP 1992Nz PeterCarter氏作出。中間的ないでたちで、Ploughman農園ではL.a.に分類していた。銀葉のやや小型の樹勢で、ホウが銀色の綺麗な花が咲く。 花後にそば粒のように黒い花穂が残るので、独特の茶色い花に見える。
Old English オ−ルドイングリッシュ NP 1930年代イギリスシール農園産のラバンジンで、広葉が特徴的で、薄目の紫花が長目の花穂につく。香りはやや弱め。刈り込み時期を間違えると着花しない。一般に特定の品種名を指す場合と、販売目的でラベンダ−一般をさして総称で呼ぶ場合があるので要注意である。
Oldens blue/
Super sebirian Blue
オルデンスブルー/スーパーセビリアンブルー ポーラ化粧品研究所産。種苗登録名オルデンスブルー。
樹勢よく横に広がる。淡目の紫花が樹型良くまとまる。日清製油が商標品種スーパーセビリアンブルーの名前で全国園芸店で販売している。耐寒、耐暑性に優れる品種ということだが、湿気に意外と弱く、関東では3年目に枯らす人が多い。
Provence プロバンス 淡青色で立性の中堅手。やや薄目の紫花。ガクは緑色。8月上旬まで咲く。緑葉。フランスの主要精油原料。
Provence blue プロバンスブルー 幅広の大きめな銀葉に薄目の紫花が付く。ガクは濃紫色で赤紫花が咲き、花の密度も濃く大きく見映えもいい。日清製油の商標登録品種で国内流通しているプロバンス種とは別種。
Scottish Cottage スコテッシュコテージ 1990初期にイギリス経由でNzに持ち込まれた品種で、
Grey hrdgeと形質的にはほぼ同じ。多少花がつきやすい程度。銀葉がやや樹勢乏しい他は特徴に乏しい薄紫花。香り弱い。
Seal シール 1935イギリスシール農園産の固品種で銀葉で樹勢強い高性種。花穂は短めで色は薄目だが、香りは甘く強い。加工品原料として今なお商業栽培されていて、このラベンダ−で作ったバックは2年も香ると評判だととか。
Sevirian A セビリアンA ポーラ化粧品産でスーパーセビリアンブルーの選抜元と思われる。花茎は長目で花穂は短め。黒紫色の萼が白い毛に覆われ、咲く花も淡い紫のため、全体に薄くぼやけた印象である。 香りは全くと言っていいほどなく、香料原料には成らない。
Sevirian blue セビリアンブルー NP オルデンスブルーの選抜元かと思ったら、NZから持ち込まれたれっきとした品種らしい。Bogongの別称のひとつと考えている。
Silver edge シルバーエッジ
=Walberton's Silver edge
=Walvara,Tim's Variegated
2001から ハルディン篠原を通じて全国発売された。英国Walberton農場にてTimさんによって発見された品種。シルバー葉み白い斑が見事に入る。
Super/
PlantA
スーパー もともとは1956フランス産のラバンジンであったが、良質な精油を産出し、花色も濃く、樹勢も強いことから、アメリカを中心に商業栽培の主力品種となっている。その為か亜種的なものが多く、同じSuperの名前で3種類のものが流通している。
PlantA 
 藪性高性種で直立。花穂も長く幅広葉。アメリカ産で日本に入っているもの。 同じ形質でイギリス経由で入ったものはSussexの名前で売られている。

PlantB 
 半立性で中背。枝も脇に広がり花帆も短い。

PlantC =Arabian knightとして販売されている。
花色がやや薄目の紫花で非常に長い幅広葉。
Sussex サセックス フランス原産のラバンジン(Super)が英国経由で広まったもので、Super Plant C (Arabian night)より若干花穂が長い。
この4品種は現在外見上の際は見分けがつけにくく、えられた精油の微量な成分の違いが同定に用いられている。
日本に流れている品種は、流通経路が明らかでない限り、
品種名を主張するのは無意味に近いかも?
Wilson's Giant ウィルソンズ
ジャイアンツ
もともとは1972フランス産のグロッソがNzに持ち込まれた際
派生した呼び名のひとつで、厳密にはGrossoやWilson's Giantと同じ品種である。香りが甘く強め。樹勢はややわい性の品種で横に崩れやすい。黒紫の萼に濃いめの赤紫花が咲く。
日本へ持ち込まれたNz産のこの品種は、グロッソに比べ花穂が太く、匍匐しやすい。
Yuulong ユーロング 1986オーストラリア国立植物園産のラバンジンで、非常に大株になる強め樹勢に薄紫の3本矛状の長い花穂が付く。樹型も乱れやすい。 明るい蛍光色のような紫色の花穂が特徴的であるが、私的にはケバイ匂いが嫌いだが、オーストラリアでは良香りのお奨め品種とされているらしい。