the TV series layer:06 story
「人と人が繋がれば、微かな声だって大きくなる。人と人が繋がれば、命だって長くなる。だから…」
玲音の部屋。ドアの隙間から薄らと、青白い光と鈍い機械音が漏れている。玲音の父、康雄はそれに気付きドアをノックする。
「玲音、入るよ。」
康雄が部屋の中に入ると、そこには異形なる空間が広がって居た。部屋には、かつての物とは思えぬ程に増設改造が施されたNAVIがあり、床は冷却水で水浸し、上には仮想モニターが浮き上がっていた。それらを見て驚き、そして辛い顔をする康雄…。
玲音は、そんな父をよそに仮想モニターに吸い込まれる。
「ありがとう。でも、そこのレジスターだったら…あははは…。おかしい、それ…。」
ワイヤードの者達と楽しそうに話す玲音。そんな中、玲音は思う。
「どうして、皆そんなに優しくしてくれるの?ねぇ…ナイツの皆…。」
学園内、休み時間。玲音は独り携帯NAVIに向かい文字を打ち込んでいる。そんな玲音を見て、友人のありす達が声を掛ける。
「ネットパルなんかじゃ無くて、また私達と遊びに行こうよ!」
玲音は、はにかみながら頷く。そんな玲音を見て、すこし不安になるありす…。
昼の繁華街。玲音と友人のありす、樹莉、麗華は、街にくり出し気楽に楽しむ。そんな中、麗華が変な子供の仕種に気付く。その子供は、両手をかざし空を見上げていた。玲音は、気になった。
しばらく歩くと、また同じ光景を目にする。また、そしてまたも…。不思議に思った玲音は、その子供達の見上げる方向を見る。
するとそこには、雲の隙間から神々しい巨人の姿が…。そして、その巨人はまぎれも無く玲音の姿をしていた。
「…玲音!?」
ありすも、それに気付き声も出ない。巨人は、またすぐに雲の隙間へと隠れていった。
その夜、岩倉家の居間。玲音の姉「美香」と、母「美穂」が居た。母は美香に話し掛ける。
「最近、美香は帰りが早いのね。その代わり、玲音の帰りが遅いのね…。」
しかし、美香の目は空ろに宙を彷徨うだけだった。
玲音は、自室に帰りNAVIに向かう。「コネクト・ワイヤード。」
一人の「口」が玲音に近寄って話し掛けて来た。
「あんたが玲音か?そこまでリアルワールドの時の姿で、ここに来れるとは大したもんだね。」
「ふんっ。口だけなんて、チシャ猫気取り?」玲音は「口」を言葉で一蹴する。
「キシャシャシャシャ…。俺の力じゃ、これが精一杯なのさ。それより、何を捜している。力になるぜ…。この辺りじゃ、玲音を助けたってだけでも、英雄になれるのさ…。」
「小学生に流行っている遊び…。」玲音は不機嫌そうに相手をする。
「遊び?あんたにはアレが遊びに見えるのか?…おっと、リザルトが帰って来た様だぜ。」
玲音の眼前に、白衣を着た一人の老人の姿が浮かび上がった。「子供殺しの化学者…。」
それと同時に、「口」は去って行く。そして、去り際に吐き捨てる様に…。
「キッズ…て、何か聞いてみな…。」
ワイヤードの奥々。そこには、限り無く美しく、限り無く優しい空間が広がって居た。その中心には、一人の老人が横たわって居た。彼こそが、「子供殺しの化学者」ホジソン教授だ。
「随分、生々しい姿だね。お嬢さん…。」
「ホジソン教授、一体今何が起こっているの!?そして15年前の実験、貴方は何をしたの!?」玲音は、老人に問いただす。
「私は、子供達を殺すつもりはなかったんだ。…実験のデータは全て捨てたはずだったが…。誰かが、ゴミ捨て場を荒らしたのだろう。」
「15年前のケンジントン実験の事を教えて!」玲音は更に老人を問いただす。
老人は、15年前に事を話し始めた。
「サイ。超心理的な能力は、微弱ながらも大抵の子供が持っているものだ。とは言えそれらを束ねれば、膨大な力になる。我々は、アウター・レセプターと言うものを使い、それを実現した。それこそが、15年前の実験、そしてキッズの正体だ。」
「何を期待したの!?子供達の事は考え無かったの!?」玲音はきつく問う。
「予測の付か無い事を見たかったのだよ。思いは叶った。そして…」
「もういい!もうやめて!!」玲音は叫んだ。
「私はキッズを二度と復元出来無い様に粉砕した。しかし、あの機械の設計図がワイヤードの何処かに流れしまい、誰かの手に渡ったのだろう。そして、復元された。さらに、アウター・レセプター等を使わないでも現象を引き起こせる様にアップデートまでして…。」
「誰が、何の為に…」
「ふぅ…私は疲れました…。そろそろ失礼させていただきますよ。お嬢さん、貴方は強い。キッズを復元した悪戯者とは別種の…」
そう言い残すと、老人は姿を消した。同時に、優しさに包まれた空間も…。玲音は、考える。
「悪戯者…!?」
玲音は、リアルワールドに帰って来た。
「うるさい!あんた達何なの!?どうして私に色々教えようとするの?ただ面白いから?自分達に出来て面白ければ、何でもするんだ!?それだったら、ただの猿ね!」玲音は、NAVIに向かって叫ぶ。
「ねぇ、どうして誰も答えないの?誰も答える気が無いの!?」
玲音がフと天上を見上げると、2個の赤い点が明滅していた。ハッっとなる玲音。窓から表の路上を見てみると、そこにはあのゴーグルを付けた二人の黒服の男達が居た。玲音は、急いで部屋を出て黒服の男達の元へ走る。
「あんた達が、ナイツね!?」玲音は黒服の男達に迫る。
「伏せなさい。」黒服の男が言う。
バシャァァァァァァァンッ!玲音の部屋の窓ガラスが割れる。
「なっ、何なの!?」驚く玲音。
「貴方の部屋の冷却システムに、パラサイトボムを送り込んだのでしょう。」黒服の男達が答える。
「人事みたいじゃない!」憮然とする玲音。「私達じゃ無い。」
「じゃあ、誰よ!?」黒服の男が答える。
「ナイツです。」
その場に立ち尽くす玲音…。
to Be continued
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