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日中戦争がよくわかる本 (PHP文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 96143 位
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20項目の問いに分けられた内容充実度◎
長きに渡る日中戦争の要点を収めた良本です。
写真や図も多く◎
ただ、中国内の地名など地理的に詳しくないと何度も地図を参照したりして
復唱してしまいがちでした。
そして個人的にはもっと日本軍の蛮行・残虐さを掘り下げてもよいかとは思いました。
これを読むと日中戦争が始まる以前の事柄(満州事変)や
戦後の内戦(国民政府軍と共産党軍)のことも詳しく知りたくなります。
わかりにくい戦争を、わかりやすく解説
日中戦争はわかりにくい戦争だ。どうして起きたのか、なぜ長期化したのか、なぜ列強の反発を招いたのか、なぜ止められなかったのか、日本の思想は世界に理解されなかったのか、そして、なぜ太平洋戦争につながったのか。
本書はそのような全体像をつかみにくい日中戦争について、現代に生きるわれわれにも理解できるようにかなり腐心して記述してあるように思う。ちょっと極端な表現もあるが、そのような点で比較的わかりやすい著作だろう。
日本軍は勝ち続けた。そして当初の目標は次の目標にすり替わって戦線は拡大する。そしてまた勝つ。しかし、勝てば勝つほど自らの戦線の拡大によって苦境に陥る。次々援軍を送り、国家総動員法が必要になる。食料は現地調達だから徴発という名の収奪が発生し、ゲリラ対策の掃討と共に戦線の拡大が反日感情の拡大も生む。そして、ほとんど常に勝ち続けている筈の日本側が、日清戦争以降得たものをすべて返すように中国側に迫られ、実際にそのようになってゆく。このような不思議な戦争の実態を、なるだけあますところなく、しかしポイントをはっきり浮き立たせて記述してあるという点で、高く評価したい。
満州事変と日中戦争を理解しないと太平洋戦争を理解することは難しい面があるので、第二次世界大戦史に関心のある方は本書も含めて何冊か読んでみることをお勧めする。
日中戦争の推移を知る上で役立つ
著者と私の歴史観はかなり異なっているようであるが、日中戦争の推移を知る上では役立つ著書である。
「『よく告白してくれた、彼は心から反省している。だから無罪だ』と、中国側が賞賛したケースを目の当たりにして」、「戦犯管理所に収容され、何回も何回も供述書を書き直させられ、ついには自分の行為を『銃殺になる覚悟で』包み隠さず書きつづって、“無罪判決”を与えられ、日本送還となったひとり」の証言が多用されている。そのような状況下の証言に疑義を抱いていないところからすると、著者はその裏付けとなる客観的事実を掴んでいるのではないか? もしそうなら、それを明記すべきである。そうすれば本書の価値はより高まっただろう。
文庫で写真地図180点以上! 入門書として「ほぼ最良」の出来です。
収録された「写真・地図・戦場図」は180点以上! その中でも「西安事件から生還した蒋介石を祝う行進(先頭に蒋の巨大な肖像画)」「上海事変の契機となった大山勇夫中尉の遺体搬送」「最後の支那派遣軍総司令官となった岡村寧次大将」など、迫力ある貴重な写真が数多く含まれています。
また地図関連も、冒頭の「中国全土図(これが無いと話にならない)」から「終戦直前の日本軍による占領地域」など手堅く押さえられています。
特に日中戦争が起こる原因となった日本の『北支分治工作』について「これでもか!」と言わんばかりに、地図を多用し噛み砕いて説明している部分は特筆に価します。これだけでも本書を推薦する理由となるでしょう。対象となった河北省・山西省・山東省・綏遠省・チャハル省の5省は「見開き2ページ」の詳細な地図が載っています。
また「南京市街略図」は、戦史叢書でよく目にするような無機質な地図ではなく、イラストに近いイメージで表現された珍しい地図です。絵は稚拙かもしれませんが、政府機関の位置などが非常に分かり易く「目からウロコ」で一見の価値ありです。ただし、肝心の南京事件については諸見解を挙げるだけですから、左右派ともに期待しない方が良いでしょう。
さらに「徐州作戦」や「武漢攻略戦」「重慶爆撃」「洛陽攻略戦」「江南殲滅作戦」「長沙作戦」などの戦場図も少なからず収録しており、日中戦争というデリケートな、ともすれば感情的になりがちな議論に「合理的な視点」を与えています。言葉を100万語費やすよりも、戦場図を見た方が理解が早いという事がある訳です。
以上、ビジュアル面ばかり述べてきましたが、個人的には『大陸打通作戦』に1章を割いている点が好ポイントです。史観として左傾向が強いのが難点ですが、これだけ日中戦争が分かれば、入門書として「ほぼ最良」の出来でしょう。
PHP研究所
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