日米戦争と戦後日本 (講談社学術文庫)



日米戦争と戦後日本 (講談社学術文庫)
日米戦争と戦後日本 (講談社学術文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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うーん

小泉元首相が読んで、ブッシュ大統領に早い段階からのアフガニスタン戦後復興の計画策定を説いたという。

 第二次世界大戦後の世界を見通した政策を、開戦時から検討していた当時のアメリカも偉大だが、戦後日本のために外交戦に努力した吉田茂はじめ戦後日本の指導者たちにも敬意を表したい。

GHQの研究に関してとてもいい良著ですね!

とても良書です。

一部引用
「原爆投下目標 京都の除外と 天皇制の保障」

トルーマン大統領の政治顧問であったステムソンは
★京都を原爆投下の
優先第一目標としてきた、軍部、国務省の方針に
反対して大統領へ意見を述べた。
米国軍部や国務省の原爆開発の関係者によると
「京都は千年の都であり日本における
知的、文化的中心であるゆえの
日本人に対する★心理的ショックの大きさが重視された。
実施関係者にとっては京都は実験地としては
周囲を山地に囲まれて地形的意味で☆最適であった。」と。

しかし、戦後の日米関係を展望して
そうした京都への原爆投下が残す対米感情の永久的なしこりを考慮して

「このような★無分別な行為によって生じる悪感情は、
戦後長きにわたって日本人が、
★ロシア人で無くわれわれと
和解することを不可能にするかもしれない」

すなわち
「米国に好意的な日本人という
我々の政策上の要請を阻害する」結果となる 。
ステムソンはそうトルーマンに訴えて
京都を原爆投下の第一目標から除外するよう求めて。
トルーマンは即座にステムソンへの同意を、強く表明した。」

またもう一点は★天皇制の問題であった。
「ポツダム宣言」草案では、パーキンス新国務長官の修正によって
天皇制存続に関する言及部分は削除されていた。

24日ステムソンはトルーマンに対して
天皇制存続を声明文から削除せざるを得なかったことへの
遺憾の意を表し、

このうえは
「もし日本人がこの一点ゆえに戦い続けるようであれば、
大統領が外交チャンネルを通じて
口頭で保障を与えることを考えて、
注意深く事態を見守ってもらいたいと思う」と要請した。

トルーマンは、その事は自分も考えており、
そのように取り計らおう、と即座に約束した。



随所に明晰な見解や古典より引用した
文脈が展開されていたり
戦後の日本と米国との関係史での重要な観点や記述があり、
極めて秀逸な論文だと感じました。


現在この方は★厖大の学長でしたですよね。
過去の分析は今後の日本を考える上で示唆に富む

 実証的な分析なのだろうが、読み物風で素人にもわかりやすい。

 小泉元首相が読んで、ブッシュ大統領に早い段階からのアフガニスタン戦後復興の計画策定を説いたという。

 第二次世界大戦後の世界を見通した政策を、開戦時から検討していた当時のアメリカも偉大だが、戦後日本のために外交戦に努力した吉田茂はじめ戦後日本の指導者たちにも敬意を表したい。

 現在は、冷戦も終結し、旧東欧や中国・インドなどが国際経済社会で力を発揮しつつある。戦後レジームとは異なる新たな環境において、日本の採るべき道を考える上で本書は参考になると思う。
戦後日本の初期条件

著者は日本外交史の権威であり、特に占領史研究の第一人者。本書は、そのような著者が戦後日本の初期条件としての占領期をクリアーに描き出すものである。

米国はアジア太平洋戦争開戦直後から、戦後構想と対日占領政策を練り始めていた。構想は根強い「ハードピース」論者と「ソフトピース」を企図する「知日派」との間の葛藤、ポツダム宣言を経て、天皇制と日本政府を温存しつつ日本の非軍事化と民主化を進める路線として結実していく。

そのような改革路線を、GHQは日本に対して強制していくことになる。そして吉田茂ら、したたかな日本の保守指導層は、「非軍事化と民主化という強制を積極的に受容し協力することによって浮かび上がっていく」ことを試みていくことになった。結果的にはそのような路線は、敗戦という国民的原体験から要請される平和主義に適うものとなり、戦後の日本の政治外交を規定し続けることになる。

占領期には戦後日本再建を目標とした「日米共同作業」の過程が見られた、とする著者の表現は的確である。確かに、巷で叫ばれるような勝者による敗者への改革の「押し付け」などといった議論がいかに単純であるかは本書を読めば一目瞭然であろう。(著者自身、偏狭かつ単純な「押し付け論」にはかなり批判的である)

今日、「戦後の清算」などといった言葉が軽いノリで叫ばれる。そんな中、そもそも「戦後」とは何だったのか、じっくり原点に戻って考えようという方にお薦めしたい。ダワー『敗北を抱きしめて』、古関彰一『新憲法の誕生』、中村政則『象徴天皇制への道』などと並んで占領期の日本を考える上で有意義な一冊である。

コンパクトながらインパクトある良書

 戦後占領史の第一人者のひとり、五百旗頭真氏の著書の文庫化をまず歓迎したい。
 氏は実証的研究で知られる研究者であるが、あとがきで著者自ら記している通り、本書は物語的な色彩がつよく、一般読者には却って楽しめる内容となっているように思われる。
 国務省には親日派・知日派と強硬派の両派が対立状態にあったこと自体はよく知られているが、最終的に前者がリーダーシップを握ったことは良識というより多分に偶然(日本にとっては幸運)に左右されたこと、また日本の官僚が占領を逆手に取って戦前から狙っていた国政の改革を実現しようとしていたこと、などは非常に興味を惹かれる内容である。
 現在、氏の著作としては中央公論社の「日本の歴史 戦争・占領・講和」や読売新聞社の「占領期」が入手しやすいと思われるが、どちらもお勧めである。本書で氏の著作に興味を覚えた方はぜひ一読されたい。



講談社
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