空色の言葉 21流星の証 降り注ぐ星をただ見ている この星の一つ一つの生命 ぬくもり 燃え尽きているのは 悲しい事なのかもしれない ゆっくりとわたしの長い髪が宙に浮かぶ わたしは神を想う 自分の星が燃え尽きていくのをただ見ている神の姿を 今の私みたいに 長いロープをひるがえさせながら 立ち尽くすことしかできないのかもしれない でも繰り返す 歴史無限の生命 何を失っても何かが生まれている それが星なのかもしれない 命の証 まだわたしの惑星は生きている 青い水をたたえて もしもあの星たちのように燃え尽きたとしても 希望は失わない きっとまた繰り返す また人は生きようと信念を持つ そして緑と水の惑星は誕生するのだから 22聖夜 静かな夜 あんなに輝く星たち ひとつだけもって帰ろう そして家のランプにしよう 銀の包装紙に金のリボン 緑のモミの木に黄色の鈴 すべての時間が無限になる日 星の明かりのポストは 優しい光を世界に送る 23静かな竪琴 優しい光がこぼれるひんやりした空気 山にかかる白色の雪原 薄いブルーを淡く包みこむ柔らかな雲 わたしはその中で何かを感じている 大好きなものたち 裏切られても求め続ける 妖精の粉を受け取る鮮やかな薔薇 生きるためにミノタロウスの盾で必死に闘う蜘蛛 エルフの魔法で息づく楓 全てが平和で全てが悲しみで ……全てはこの地に根付いている そしてそんな地で生きられることが 何より幸せだと思える グリンダの魔法が南風に乗って飛んできたんだね 明日もまた世界は息づいていく 24無限 草の上にトサッと寝ころぶ 上に見えるのは空だけ 雄大に瞬間瞬間動いている それとも地面が動いている? 一人の力ではどうすることもできない大きさ 追いつこうとしても永遠に追いつくことなどできない 無限のナゾだから いつか他の生き物が この地でこうして同じことを思うのだろうか? 無限のナゾは解けているだろうか? 25優しい季節 春の風の予感 澄んだ空気 全てが生きている実感できる 椅子の上からポンととびはねたときのような 風船を大きく膨らませたときのような 未知と驚きと喜びと…切なさ 手を大きく広げて全身で受止める 遠くでちょうちょが舞いリンプンをふりおろす まるで春のゆるぎなく優しい粉のようだ 26森と月の神話 すてきな花びらのドレスを着て 樫で出来たヒールを履いて 蔓で編んだカバンを持つ 軽やかな足取りは 森の小道に安らぎをもたらす 森のお姫さまは小さな舞踏会へと出かけていく 手には蛍が住むランタンをかかげて 湖の令嬢に妬まれながら 満たされた月の光のもとへ 待ち焦がれた月の王子さまの 淡いきらめきをうけながら お姫さまは穏やかな笑みを浮かべる お姫さまと王子さまは 森と星の音楽に合わせてワルツを踊る 美しい光と自然の調和に 森も空もうっとりと魅了される 時間すらその美しさに時を止めたかのように…… やがて日の王がこちらへとゆっくり歩いて来た 月の王子さまは 急いでお姫さまの手の甲に口づけをする 今度また会う日までお互いが光輝き続けられるように…… 日の王が雲の少女の肩に乗り完全に姿を表す 森が昨日より一段といきいき息づいているように見える 空と森と自然がなぜこんなに生き生きしているのか、 日の王はまだ知らない 27優しい場所 優しすぎるから わたしはあなたの手の感触に涙をこらえている あなたが心配そうに覗くから わたしは微笑んでみせる 暖かくて 永遠の場所がここにある 手は温度を伝え、ぬくもりは心を暖める あなたの優しさは悲しいほどに強いから わたしは凍える事が決してないの…… 28雲 ふわふわしてる 柔らかくて羽毛のようだと思う わたしは雲を見上げてそう考える だって夏の空に浮かぶ雲は信じられない程大きくて どんなに重いものでも バウンドさせてしまいそうだから 雲の上に乗れたら わたしは早速駆け足で いたずらっこみたいに 雲間を飛び回るんだ 29郷愁 快い音 空気の流れ香り 全てがここにいるわたしに染み渡り 遠い記憶を呼び覚ます あの懐かしさ嬉しさ切なさを いま体現しているのに なぜ完璧にあの時ではないんだろう 記憶の中のあの風景は なぜこんなに遠いんだろう もう一度だけこの景色を 遠い昔味わった感激を今ここで感じたい でも今は現実 時はさかのぼらない そう気づきたくなくて わたしはいつまでもこの場所を動けない 30水 あなたへの気持ちは溢れだす まるで止まらない湧き水のように 気持ちには際限がないように…… わたしは柔らかい表情で庭園に座る 溢れている水をただ見つめている それだけでまた気持ちが沸き上がるから 行動なんてしなくても ただここにいるだけ こぼれ落ちる水の量は増えていく その水をいくらすくおうとしても きっと手からすべり落ちてしまう きらきら光りながらも誰かのものになりはしない… 溢れだす水に 優しい色のはなびらと思い出と友情と いろんなものを浮かべてみたい その水は一瞬、瞬く色を見せてくれるから そしてその色は多くの人をひきつける わたしの大切なあの人も…… |