空色の言葉




タロットポエム

41力(VIII)

自分に出来ないから
人にばかにされたくないから
いつも強がってみせる
防御してみせる

本当はとても弱くて壊れそうなのに……
手を差し伸べてくれる人はいない
見ないまま振り切ってしまう

あなたの事好きだよ
でも自分がキライだから……
とそこで思考は止まるんだ


42戦車(VII)

愚かだとあなたは笑う?
努力が報われるとは限らないと
見返りなど期待するだけ無駄だと
奇跡など霧の中の幻想でしかないと……

あなたのココロを支配しているのは疑惑
あなたは世界を憎み
背を向けているから

だからこそわたしは一生懸命努力したい
たとえあなたに嘲笑されたとしても
信じている

私が救いたいのはあなた一人だから……


43太陽(XIX)

雪しか見えない雪原
半ば凍りつき
純粋に透きとおる白色のガラス
この地は寒さと寂しさだけを彷彿とさせる
広大で見渡す限り雪が舞い踊り生きている
けれどその躍動と広大さは
寒さに閉じ込められてしまう

痺れるような尖った気温
凍えそうな木々

いつか来る日を想う
ステンドグラスのような朝日に照らされたガラス
朝日がぬぐう最初の時間
その時わたしはきっと思うから

生きていてよかった……

その時までこの寒い地でふるえながら
夢見続けながら笑顔でいたいんだ


44審判(XX)

目を閉じた時
その瞳が見えた
なだらかな髪の流れと共に
瞳は和らぐ

救われる
言葉が跳ねる
声も何もないけれど
意志は一瞬より短い時間で
包まれた

反らすことは考えない
その偉大さに
わたしは太古から気づかされているから
心が背くことは
ない

息はやがて止まり
何も感じなくなる
霧の住まう空間に眠る

次の目覚めは
どの時の中でどの空間で
始まるだろう

生き始めても
死に始めても
私はまた魂を受ける
その大きな恵みは
前にいた自分を忘れてしまっても
いつもいつも心で
あの穏やかな微笑みと瞳と
安堵の泉へと浮かべてくれるその人を
忘れはしない


45愚者(O)

愚かだと笑われても
あなたの側に近よる
ひざまずき手を取り
口づけをする

遠くの嘲笑が聞こえる
得にもならないことだと
罪の意識も感じずに
悪意に似た気持ちを投げつける

あなたの澄んだ瞳を見る
そのぼろきれに近い衣服は
尊さを隠しきれていない
目には卑屈も自己嫌悪も
怒りも浮かばない
優しく微笑んでいるかのような
無限に変わらない許容の面立ち

あなたは許している
自分に自信があるから
世界の明るさを信じているから
どんなことも希望に変えて
進んでいる

代償はいりますか?
その問いに
わたしは濡れ始める瞳を揺らし
顔を横に振る
あなたは代償に見合うだけの
微笑みを残すと
進みはじめる
その先にあるものは
つねに希望で
あなたが歩く道には
白い花々が咲き
先に待つ運命を保証してくれる

涙を拭いたその手には
一握りの金

わたしはあの人と同じ道を歩くために
走り出す
わたしの人生はどんな形に変化しても
あの人の側で感じられるものがあるなら

全速力の息も
ちっとも辛くない


46塔(XVI)

上手く行く気がした
ひらめいた
先へ進んでいた

何もかも肯定して
うなずいて
振り返らず
否定を受け流し
ひたすら急いで
進んだ

予感に動かされ
人には構わずに
何も気にせず
進めば良かった
それは私の望むことだった

たどり着く前に
一瞬も迷わなかったのか
反省をせず希望にしがみつき
前向きであったけど
良心的であったのか

急げば報われるはずだった
それは私らしさ
自分の意義だと思っていた

たどり着けるという
予感は当たった
何もかも犠牲にして
進んできた私に
開かれるゴール

考えたのはそこまで
物語は続くのに
私にそこからの道は見えない

ゴールした私は
誰に誉めてもらうのか
振り返ってしまえば
また転落し
登りだすことになってしまうのに

ここまでの道は
登っていた意味は

わたしは反省して始めるのだろうか
犠牲にしたものを取り戻すこともできず
同じラインから
また進むのだろうか



47節制(XIV)

満たされる喜び
枯れることのない空気と水に
幸福の意味を
今まで理解していなかったことに気づく
遠くまで流れて
また戻ってくる
果てない営み
何も無駄にせずに
終わりという言葉さえ
感じさせない

疑問ばかり
不満ばかりだった
亡くしてはじめて気づく愚かさ

それでも気づかせてくれた
その一滴は
何にも増して貴重で
豊かだった

途絶えないで
こんなに綺麗な色をして
希望の意味に気づかせてくれる

わがままだと言われても
途絶えないでほしい
本当に大切にする意味を
考え続けていきたいから


48吊られた男(XII)

この思考は
一体どこから来るんだろう
とめどなく溢れる思い
感覚
どこに源があるんだろう

肉体に宿ることがない
ふわふわ浮いた感覚

どこか別の場所に源がいて
その言葉が頭から溢れているのかもしれない

大切な感覚を
相手に伝えたくて
それなのに表現できないもどかしさ
ジェスチャーなどでは
到底不可能

見えるものよりも
もっと奥底に
あるんじゃないのか?

大切な想いが
自分だけの真実が
伝えたいと炎を微かに揺らす

だけどまだ秘密にしている想い
肌で感じるよりも
不思議な空気に似た感覚

目を閉じると
ときにふわっと
思考の溢れる場所に
連れていかれそうになる


49死神(XIII)

悲しい響き
避けられない道
青白い煌き
なのに何故あんなに奇麗なんだろう

湿った香り
何もない部屋

待つ
足音を

毎夜微かに響く
命の儚さを知らしめさせられる
抵抗する力さえなく
泡のように消えていく

けれどここから見える窓の外には
優しいブルーの淡い光
まるで月の光に同調するように
安らかに昇っていく

その光を眺めながら
私はいつしか眠りについている
翌朝元気な太陽の声が
耳たぶに触れる

肉体の滅びは
魂の滅びじゃないんだと気づく
安らかなあの光は
来世への希望なんだ

目覚めの瞬間ふと思った


50裁判の女神(XI)

罪の重さに違いはあるの
違う種類 同じ名の罪
罪という名前に触れてしまえば
元には戻れないの?

想像の中の罪
表面化しなければ

永久に許される?
裁きの神々の基準なんて
分からない

犯してしまった罪を
ホントウに償う方法はあるんだろうか

分からなくて
自分の砂時計が
止まってしまいそうになる

平等の意味を
罪と評議 裁判の意義を

私の手を染めた赤い鮮血
罪の名は?

判決を静かに待つ
一体誰が下すんだろう
法では裁かれない
誰も傷つけていない

傷つくのは自分の心だけ
女神の衣の切れ端が
視界の片隅に揺れた


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