空色の言葉





251普通<狂気

追わないで何も
ここでいよう
浮かぶものはないなら
進歩しなくても
ここでいよう

走りたいのに
人と同じにしたいのに
わたしはためらう

ここで自分でいる
考え込むことは
滅多にないけれど

気づかないふりをしていたかった
自分と他人の差なんて
普通と狂気の違いなんて

わたしは特別でいたかった
変人じゃなくて
ただそれだけだったのに


252抜き取られる翼の意味

むしり取った翼は
誰のもの?
だれも見むきもしない

わたしはなぜ
むしり取るのか

わたしを見た気がした
翼を引き抜いた時

抜かれた場所から広がる
わたしの中の悪が
黒い部分が

……そうじゃない
そこに覗いたのは悪じゃない
それはわたしの本音

善の仮面をかぶりたくない
だからむしり取って
わたしは生まれた

むしり取った翼に
価値なんてない
少なくとも今のわたしには


253自己取得

私を返して
いつも愛してた
変わらないまま
その自分で良かったのに
どうして変わりたかったの?
自信なかったけど
価値はあったのに
どんなものより
かけがえなかったのに
失ってから気づいても
何もかも遅すぎる
涙はとどまらない
後悔の涙
望んでいた私なのに
今は何も興味がない
明日の私じゃなく
過去の私を返して
私の中で生かして


254痛み

わたしはどうしたい?
何も考えずに
いたいのに
悲しみは通りすぎて
水滴になって
落ちていく

だったら見なければいい
いつか落ちていく
わたしの中に眠る鼓動を
一つ残らず
流しきる

残るものなんてなくていい
どうしたらいいかも知らないから
愛してるなんて言葉
いらないよ
わたしはただ知りたいだけ
悲しみにぬぐわれた心を
逃げないで
見つめたいだけ

それができればいいのに……


255まなざしの影

君の言葉は本物だね
僕には分からない
愛しているだけで
何も見えない心は

僕になにがある?
この芝生より狭いんだ
僕の全ては
それでもいいのか?
君の心が分からない

愛するって言葉が分からない
一人で泣いていてもいいかな
今だけ
誰にも邪魔されたくはないんだ

君の暖かなそのまなざしにも……


256日記

何でもいい
ただ書いていたい
欲望のまま
目新しい知識もなしに
書くだけでいい
気もちの深くに何かが沸くから

出会った時から
ずっと想ってた
あなたしか見えなかった
感じているだけで
動けずにいたの

日記は五冊を超えて
わたしはまだあなたを見てる
日記の厚みはわたしの気持ち
どんなに愛していても
届かない気持ちはあるから

つぶやくように囁いた声に
あなたは全く反応してくれない

いつも聞いていないのか
それとも聞いているのか

わたしは何度も囁いているけど
やっぱり今日もあなたに打ち明けるね


257資格

わたしには出来ないんだよ
恋なんて知らない
誰かが大切じゃない
一人でも平気

強がりなのかなんて分からない
でも真実は曲げない
わたしの時間は一人で
それはわたしを満たしてくれる

間違っているなら
治したいけど
どんなに叫んでも
答えはないから
正しい道が分からない
自分で決めることもできない

わたしには資格がない
資格なんていらないって
あなたは言うかもしれないけど

わたしは資格が欲しいのよ
どうしても自分で自分を
認めたいのよ


258目覚めの後

その日目覚めの後に見た夢は
緩やかにわたしを包み込む

永遠が続くように
全てを忘れるように
その一時は
時間の流れさえ忘れている

楽しさでも絶望でもない
眠りの中で感じたままの想い
それより無限に感じている
わたしの中で
今生まれては混ざり合い
溶かし合って
違う想いになって
再びわたしの中へ注ぎ込む

その穏やかな時に
警戒を忘れ落ち着いた瞳で
ぼやけた景色を見ていた

目指していた夢
希望を感じた日
警戒のない意識の中で
そんな一瞬が輝く
それは何かを待ち焦がれる気持ちに似ていた

抱えきれずにわたしの周りで溢れている
たくさんの感情は
夢見た時に生まれたもの
幸せな思いで目覚めた朝を
何度も間隔を空けて思い出させる

希望が見えなくなっていても
心に余裕がなくても
わたしはその膨大な夢から沸き上がり
どこまでも広がっていく明日を感じる

ずっと忘れない
夢の後で巻き上がる感情は
どんなに絶望的でも
決して消えはしないローソクのように
闇をほのかに照らす光だから


259進むべきかそれとも……

何かを諦めないで
何も諦めることない
進む道がないなら
作っていけばいい

本当は前を見てる
目隠ししてるだけで
すぐ進める
この瞬間から
始められるのに

なぜ後ろばかりなの?
ここで止まりたいの?
何度も繰り返したセリフ

あなたと一緒に進むなら
ここを一歩踏み出すだけ
でも自分と共に残りたいなら
このままで……変わらない
進むことを夢見たまま
何もかも
終わってしまう


260僕の……

知ってた?
言葉は無数のトゲで
何を叫んでもどんなに伝えても
人を傷つけるだけなんだ

だけどそれは僕が言った言葉だけ
他の人が同じセリフ言えば
きっと微笑みが浮かぶんだ

僕はなんで他のひとじゃないんだろう
どんなに望んでも
僕のこの気持ちは
言葉は
伝わり方は
変わりはしないんだ

それは僕であるってこと
僕が大嫌いだったのは
誰でもいい世界
区別なんてなくて
個性なんて無視されて

悩んでいるってことは
ここにいる僕は
個性ある人間ってことだ

気づきもしなかったなんて
嫌悪してたなんて
馬鹿だよね
僕は



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