空色の言葉





261淡い恋玉

恋に溺れるような
そんな気持ちを夢みてた
こんな風に静かで
波一つない
夢には見ない
水のような恋は
わたしの理想じゃない

いつも思っている
運命の王子様が迎えにきて
わたしに微笑みかける
薔薇を一輪差し出し
わたしは永遠を手にいれる

考えているとどこまでも続く
暖かな気持ちになる
それでも今となりにいるあなた
あなたの微笑みを見ると
やっぱりこんな恋でも

わたしの一番の理想の気がする


262奇跡?

本当はどうしたかったんだろう
一面の白にたたずんで
涙をためて
わたしは風に巻き上がる髪を見上げる

何もしたくなかった
特別な日も
寒さに消えてしまいそうだった
奇跡なんて起こってほしくなかった

どんな結果でも
見えていた
それがわたしに涙を流させると
知っていた
ステキな世界なんて
希望の明日なんて
ないことを教わったから
わたしは何も期待なんてしてない

だからどうしたくもない
動かずに
ただ白の世界にたたずんでいるんだ
何も見ないで
盲目のごとく

風と共に目に入る雪が気になる
白くチラチラと無数に
あきらめもしないで

どうせ消えてしまうのに
なぜあきらめないんだろう
黒い空を見上げながら
思う

……気づいた

無数に降り注ぐから
雪は綺麗なんだ
あきらめずにいるから
夜は雪明かりに照らされるんだ
いつまでもあきらめない雪は

わたしに
感動を与えるんだ

わたしは
何もせずにここで死んだ色に染まっていた

でも

救いの手が差し伸べられたら
いつもすがろうと思ってた

わたしは目にひとひら入った雪の冷たさに
思い出していた


263愛なんて

欲しいものなんてなかった
執着していなかった
だけど大切なものなんてある?
どうせ失ってしまうのに
永遠に続かないなら何も大切にすることない

間違ってると思う
自分の中でそう思う
だけど他にどうも考えられない
大切に思うものはこの世に見つからないんだもの

わたしは大切にしたいと思わないんだもの

壊したくはない
別にわざわざ何を壊さなくてもいいじゃない?
どうせ壊されていってる
痛みなんてどうでもいいと思っている人に
わたしは何もしたくないんだ
関わりたくない

ねぇ本当なの?
関わりたくないけど
わたしは孤独じゃないの?

人って矛盾してるよ
愛されないと生きて行けないもの
どこか歪むもの

信じたくないけど
わたしは愛されなかったのかもしれない
愛ってしらないから
誰も愛したくないのかもしれない


264眠りの国へ

柔らかな水のように
ゆっくりと染み渡る
心に溶かされて
ゆるやかに流れ出す

眠りにつく前に香る
ほのかなミルクの暖かさは
なによりも穏やかに包んでくれる

静かな星の瞬きが
まぶたにかすかに触れそうで
くすぐったい気持ちで
少し微笑んでしまう

パタパタパタって
階段を昇る音がするんだ
僕は目をつぶったまま
じっとしてる

ママは僕の腕に優しく触れて
頬にキスをしてくれる
ママが側にいてくれると
なんだか泣きたくなる
ずっと側にいてほしい

だけどいつも
おやすみのキスの後には
すぐ
僕は深い夢の国に
行ってしまうんだ
痛みを感じない夢の中は
僕に勇気を与えてくれる
夢の中は
なんだか
ミルクの香りがするな


265いらないもの

何もいらないから
ここから出して
心の中で叫んでいるけど
わたしは手放そうとしない
心を閉じて
ワタシを閉じ込める
使いもしないのに
語りかけないのに
なんで出そうとしないの?
ワタシは何度も問いかけて
もう諦めてしまった

あなたには
ワタシの声も届かない
いつも見ている場所は
遠くて
罵声が飛び交ってて
意識を失いそう

あなたは殴られて
飛ばされる
罪悪に似た気持ち
そしてワタシを使おうとする

でももう遅い
閉じ込められ続けたワタシは
あなたの言いなりにならない

だからあなたは良心を失って
また遠くへと視線を走らせる


266あれ?

でもそうだったのかな?
考える
ほんとうにわたしは幸せだったのかな
暖かな日差しに
何もしなくていい環境
緑がやさしくて
一日遊んでいられた
それって笑顔しか知らなかったけれど

世界を抜けて分かる
わたしの幸せなんて
泡みたいなものだったって
一瞬のまたたきで
衝動ですぐに
どん底に落ちつづける

傷付けられるのが恐くて
人に咎められるのが不快で
いさかいなんて起こしたくなくて
全て自分のものにしたくて

抑えられない感情
一人の方がよかった
そう思っては帰ろうと足を動かすけど

孤独
その名前にどうしても動けない
人がいるって暖かいんだ
どんなに不快でも
争いが耐えなくても
やっぱり人の笑顔を見るのは
とってもとっても楽しいんだ

だからもう少し
頑張ってみるよ


267偽善者よばわり

甘いことばかり言ってる
偽善者って
言葉が突き刺さる
わたしは自分を犠牲にしているけど
だから偽善なの?
本当は自分を良く見せたくて
やっていることだっていうの?

じゃあ本当の奉仕って何?
甘い言葉しか言えないし
人の困っている姿はほっとけない
心のままに生きても
冷たい視線であざ笑うのは
偽善者以下じゃないの?

どんな気持ちでも
わたしは本物だと信じている
信じていればそれはいつか真実になる
揺らがないで
生きつづける
どんな風に言われようと
自分の生き方で
この手で


268自由意志

次から次へと作って行ってもいい
それを望まれているなら
だけど知らない
どんなものを作るか指図は受けない
わたしを善だと思い込んでいる人は失望して
わたしを悪と見込んでいる人は愛想が尽きるだろう

かまわない
人にどう思われようと
おもちゃじゃないんだから
人の意見なんてどうでもいい
そう思えなかったわたしが
どれだけ悲鳴を上げていたか
分かっているんだ

苦しさに涙も出なくて
ただ落ちていくだけで
人のいいなりなんかならない
わたしは自分で生きて
自分の力で自由を手に入れるんだ
なにを期待されても
自分がやりたくないことは
絶対にやらないんだ


269無味乾燥

哀しいくらい寒い風に
何かを感じそうになる
いつもそうだった
見えて来そうで
暖かで
自由で
いらないものなんてないって
信じられた時

好きなだけ眠りあかして
ボーっと空を見る
美しい紫の光を見た
あれは幻想だったのかなぁ

あの時に
何かを超えそうだと感じた
いままでの日常を
一歩だけ踏み越しそうで

わたしは望んでいた
何かを見つけたくて
どこかへ行きたくて
いつも何かを感じていたい
何もない時ほど
無意味なものはないから


270溢れ出したら止まれない

何者なんだろうわたし
自分が分からなくて不安
自分といつも一緒にいるのに
肝心なこと何も見えない

明日を見続けていればなんとかなる?
そう信じてただひたすら
前を生きていたけど
風の強さは何もかも吹き飛ばして
わたしは振り出しに戻ってる気がする

どんなに何かを知っても
また戻ってしまうの
分かりかけた自分も
何かを掴んだ日も
一瞬の風に
全てを失ってしまう

分かってはいたんだと思う
だけど認めたくなんかなかった
いつか大丈夫って
言ってくれる人が現れるって
わたしは信じていたかった
どれだけ生きていればいいの?
誰に存在を確認すればいい?
溢れ出した疑問は
いつまでも止まらない
それだけは確信できた



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