空色の言葉





301詩

詩が語り出す
静かにゆるやかに
言葉を積み重ねていって
広い広い湖を作る
季節の山が見える
暖かな桜が
涼しげな海も
紅葉がはらはらと散り
粉雪が舞い吹く

そんな時に
詩は語り出す
甲高いメロディで
もの悲しくアクセントをつけて
この景色をこのままに
写生しようと用心深く

その言葉は
わたしの中でふくらんでいくんだ
見たままの声に自分のメロディを織りまぜる
少しずつゆっくりと
歌は形になって
言葉になって
詩になっていく

深く考えたことなかった
でもいいかげんな気持ちで書いたことはない
わたしの感動が涙が
静かに言葉に変わっていくんだ

だから言葉は
わたしにとって魔法
何よりも癒しで
誰よりも身近に感じるよ


302ある日の手記

隣にいるだけで満たされる
そんな気持ちにはならない?
恋人は永遠?
そんなことはないけど
側にいるだけでいい
そんな恋が理想だった

小説ばかり見すぎ?
純愛が好きだった
どんな風にしたかったのか
もう覚えてもないけど

淡い想い
気持ちがつながって
あなたを一番感じたい
そんな感情
簡単に底から引き上げられないよ

あなたの笑顔
優しい微笑み
なんでだろう
全てあなたなのに
全て受け入れられない

正解も不正解もないから
曖昧で絶望的
わたしは何をしたいの?
あなたに何を求めているの?
安らぎだったのかな
あなたは何を求める?
わたしは何を与えられるのかな?

神聖なものだって感じていたのに
今の自分には理解できない
頭では分かっていても
気持ちがついていかない
あなたの言ってること理解したいよ
いつだって応えてあげたい

嘘だよね?
応えてあげたければ応えてる
そうだよね?

自分の声は正直で
邪気がない
何かを確かめたいの
あなたのこと?
わたしのこと?
両方かもしれない

もっと知りたいの
言葉を交わしたいの
あなたの気持ち考えてない訳じゃないけど
だって妥協はできないよ

愛とか恋とか信じていたい
もう他に信じられるものなんてないなら
あなたの存在を感じたい
もっと言葉で抱きしめて

純粋なつながりなんてないって言う大人
でも子供は信じていたいんだ
童話の世界の暖かさを
まだ少しだけ信じたいのに……


303意味人生意味意味

わたしには何がある?
人生には意味があって
なすべきことをしなけれはならない
わたしはまだ見つけられなくて
そんな威圧的な声に怯えているだけだけど

あなたはもう見つけたのかな?
人生のたくさんの意味
無数だから答えはなくて
どんな答えを期待しているのか?
何もなくてもいいんだ
自分が生きていたければ
何かが巻き上がるならそれでいい
無気力じゃなきゃ生きられる

でもどうして充実したいんだろう
いつも上ばかりみているんだろう
豊かになりたくて微笑みたくて
その方法をやっぱり探してる
人生の意味探し 諦めたことない

わたしにできることをしよう
あなたも全ての人がそうすることしかできないように
でもそうすることは意味を成す何かを残す
迷っていても出口はどこかにあるんだ
光はいつか射し込むんだ
わたしはわたしでいることは
きっと何かを変えていくんだ


304依存より自己

もしもあなたがいなかったら
わたしはどうなっていたんだろう

どうしてそうなの?
誰がいなくても
わたしはわたしじゃない?
誰かが好いてくれないと
わたしでいられないの?
たとえそうだとしても
あなたを好きでいてくれる人はいるでしょう?

何を望んでいるの?
救世主?
全ての人に好かれたいなんて
神様にでもなるつもり?

わたしはわたしのままでいいよ
今のまま
ゆっくり
わたしらしく
人と関わって
誰かになる必要はない
自分に満足できない理由が
他人になりたいなんて理由だったら

自分なんて捨ててしまったほうがいい

でも捨てられないでしょう・?
好きな所あるでしょう?
何でも始められるんだから
この小さな手に何かを信じて掴むことができたら

あなたの瞳に分かってるって書いてあるよ



305雪snow

ふわりと落ちてきた
不意に頬に滑り落ち
つめたく広がっていく
柔らかい絹のように
すべっては弾けて
ほどけながら
ゆるゆると

見て
空の色
藍色が薄まって
スミレ色に変化してる
温かみのある色で包みこんでいる

空に詰まっている
白い白い綿は
止まりなく落ち続ける

幻想じゃなくて
夢じゃなくて
わたしの目の前に現実として
存在しつづけている

ずっと言いたかったんだ
手をのばしてそっと触れながら
全て偽りだって否定されないように
しっかりと手のひらに感じて
涙の流れをとどめもしないで
見守っていたかった

待っていたよ
この汚れない白さが
夜に希望の光を与えるように
わたしの心に
優しいはっきりとした形を刻印する時を

これは夢じゃない
現実
夢みたいなことって
たまに起きる

現実であるから
倍に嬉しくて飛び跳ねてしまう


306春の粉

わたしには見えない優しい粉
春の香りと共にまき上がって
動けなくする
パステル色の金縛り

香りは優しく広がって
雲の間を縫って
どこまでもとんでいく
白く透明に虹色に
形を変えて
だけどわたしたちは気づかない

ささやか過ぎて
触れることすら恐いほど
繊細で

無数に舞っているんだよ
何も怖がることはない
身を任せているだけで
優しくしみる水のように
心も季節も潤うから


307優しさに揺れる

緑がゆれるベンチ
静かに風音に耳をすます
まるで沈黙
だけど安らぎ
風のちらちらとした動きに
あわせるみたいに緑色がゆれる
音楽みたいに
ずっとみていると
優しく瞼をおおってくれる

音も何も
閉ざされたように
だけど何も閉ざしてなんかない
自然は心をさらけだして
わたしも誰も否定しない

悪も善も通り越して
ただそこへ存在しているだけ
だから自然が好き
混乱しなくてただみているだけでよくて
それが暖かくてぽかぽかするよ
起きたらどこへ行こう
またここで風の音をきこうかな


308白いスケッチボード

水の音が優しく
包み込むように
夢が覆って
わたしは理性を失ってしまう
何もかも完璧で
どれを取ればいいのか
どの景色に包まれたいのか
分からなくなってしまう

手にとりたくて
でもためらってしまう
こんなに美しい景色を
こんなに近くで感じているから

完璧なもの
それはここにあるけど
完璧な自分
はここにはないよ

わたしが欲しかったものは
ここにあるものなのかな
見つめたいのは
この景色?
答えはなくて
ただ安らぎだけを感じている


309緑

緑の穂
歩みしめて
わたしは進む
静かな場所へ
懐かしかった色
悲しみの香り
切なくて
どうしようもない

ただ緑だけが
鮮やかに目を打つ
囁いている
わたしの瞳は
緑で塗りつぶされる

静かに瞳を閉じても
まだ包まれている


310水の道

水の煌きに
純度に
安らかに感じている
流れのせせらぎ
きらきらこぼれて
光が揺れて
全てを映す
迷いのない波で

どこまで続くのか
つながりが見えない
先にあるものは
確かなものかな

手で包み込んでみる
そのカケラを
一部をすくい上げて
そっと感じている

流れのままに
進んでいくカケラたち
冷たいざわめきをもたらす
無数のカケラ達



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