空色の言葉



311雲海

暗い空気と寒気の突風が吹き飛ぶ日に
わたしは青と黒の空に海をみた

うねりながらもくもくと空に敷き詰められている雲が
一面に広がって

月の淡い輝きは
海に沈んだ秘宝のように
こぼれていく光
波が遠くまで届けてくれる

柔らかく見える
きっと空を包む雲水は
ふんわりと
しっとりとした感触で
優しく囁きかけるだろう

その月の光
海のうねり
広がっていくしぶきに似た柔らかい雲片

見ているだけで癒されていく
甘い空気をたくさん吸いこんだように
その時のわたしは何も必要じゃなかった
泳いでみたいと
考えることさえできなかった

その海は
わたしに幸せを見せてくれた


312ふわりと色づくものたちへ

綺麗
をたくさん見た

素敵と何度も叫び

風景を心に焼き付けた

泣きたくなるほど愛しい風景を

愛しいと感じる自然
愛が深まっていく

無限?
そんな風に感じるくらい

優しい水面
誘いかけてくる風
なんでだろう
家へと帰っているみたいに

本当に懐かしい
わたしはここへ帰りたかったのかな
ずっとずっと
緑を手にとり

水に足を浸し

わたしの心は自然に占拠される



一度必ず呼ばれたような気がして振り返る
恋しがってくれる?
わたしもとても恋しいよ


313生まれ始めの時

自分にはないもの
それを持っている人が妬ましい
わたしにはないもの
全て他の人が持ってる
他の人が
才能も全てもってる

でも
自分はどうなの?
だったらわたしは何をもっているの?
彼らにない才能を
持っているでしょう?
気づいていないだけでしょう?
違うのかな?

彼らじゃないのには訳がある
みんな自分らしく生きたいと願っている
それは彼らじゃないわたしになるために
自分だけでいられる理由を見つけるために

この地に生かした意志があるから

あなたは彼らにはされなかったんだよ
意志があって
自由に作り替えられるんだよ

あるいは彼ら以上の
彼ら全てがうらやむ性格にだって
なれる

そう断言できる
あなたが諦めなければ
信じていれば
あなたでいさえすれば



314ひらめきの魔法

なんとなく分かってきた
全てを他の人に費やすことなんてできない
わたしはわたしでいるんだし

それでも人といるのは楽しい
触れ合うだけでどきどきできる
だから大切にしたい
自分も大切だけど
相手も大切にしたい

そんな風に思えるのが
最近だったんだ

好きな人
そんな言葉縁遠かった
だって自分もすきじゃなかった
人を好きになんてなれないと思ってた
今もわからない
これが恋なのか

だけど信じていよう
信じるって魔法だよ
信じていれば
諦めなければ
どんなことも
現実になりそうなんだ
わたしは掴みそうになる
形になりそうな霧を
かすめとって
危ういところで逃してしまうけど

それでも何もかも信じていたいんだ
失いたくないから
全て抱きしめていたいから



315現実的な恋

恋ってもっと甘いと思ってた
優しくて揺らがなくて
永遠だって思ってた
失望したわけじゃないけど
全然違ったよ

あなたの側にいると
気持ち落ち着くけれど
心臓の鼓動聞こえないし
あなたにキツイ言葉投げてる
好きって言ってみても
あなたは照れて流してしまう

恋ってなんだろう。
今あなたといる私は
とっても幸せで安心して
あなたがいてくれるって思える

他の誰かでもよかったの?

あなたの瞳を見つめると
そんな考えはふきとんでしまう

あなたの気持ちは分からない
だけどわたしはあなたといたいから
電話したいから
会いたいから
一緒にいたいから……

わたしらしくないね
だけどこれが本当のわたしだったのかも
あなたと出会ったわたしが
本当のわたしだったのかな

現実に生きるあなた。
全然甘くないけど
この安らぎの中にいられるのなら
こんな恋もいいかもしれない


316ふくらむ疑問

あなたはわたしを好きなの?
いつも思っていた疑問
会う度に疑問が積み重なって
結局聞けないままなの

聞きたいけど
返事が恐くて
いつも怯えているの
あなたのこと好きだって
何度でも言えるのに
でもその気持ち
本当なの?
自問自答してる

本当に好きって気持ち
わたしに分かっているのかな?
あなたがわたしを好きだって言ってくれたら
どんな気もちなのか聞いてみたいんだよ
わたしと同じ気持ちなのか

あなたは無干渉だよね
自分の世界を持っているよね。
わたしはあなたの世界に入りたいのかな?
それとも自分の世界を作りたいのかな
あなたといると
何かが壊れて行きそうで

わたしは間違ってないかな?
あなたはわたしを肯定してくれる?

あなたがわたしを好きなのか分からない
あなたの世界は大きすぎて
わたしの世界は小さすぎる


317恋論

好きって気持ち教えてよ
あなたに会っても分からない
巡り合えたと思ったのに
あなたの考えは苦しいよ

わたしとは違う思想
それでも一緒にいてくれるよね
わたしはわたしの思想貫いているし
あなたは譲ろうとしないのに

おかしいよね
こんな風に気持ちずれているのに
一緒にいる二人
あなたはどうか分からないけど
わたしはあなたといたいのよ
純粋にずっと
側で話していたいの
あなたの気持ちが少しだけ哀しく思える
言葉だけじゃ駄目なの?
今はまだ
あなたと話していたいのに
あなただけになりたいのに
駄目だよ
心がすり抜けていきそうだよ

あんまりいじめないで。


318孤独を熔かす優しさ

恋してるなんて信じられない
わたしには無縁だった
気持ち知らなかった
不要な気持ちだった

一人で生きて行ける
ずっと思っていた
孤独に耐えていきたかった
なぜ意固地になっていたんだろう

虚勢をはっていたのかもしれない
本当は誰かと一緒にいたかったけど
認めたくなんてなかったから
一人になってやりたかった
尊敬されたかった
孤独に耐えられる人間として

そんなの哀しい
認められたとして
何が残るの?
暖かい気もちに満たされた方が
尊敬なんかよりもずっと……

わたしは孤独な心を抱きしめる
ずっとずっと泣いていた
それなのに気づかないふりをしていた
もう終わりだから
あなたをわたしは抱きしめつづけるよ

わたしを覆ってくれる暖かいぬくもりがある今なら


319虚構の眠り

夢みるだけでいい
現実なんて知らない
眠って逃げていたわたしは
あなたに目覚めさせられる

あなたの立ち向かう瞳に
立ち尽くす
どうしてなの?
分からない
いままでの私は
虚構だった?
あなただけになりたくないのに
止まることができなくて
眠りにもつけなくて

分かり合えるわけじゃない
だけど激しく進もうとするあなたは
道をはっきりと作っていて
わたしの目の前に広げてくれる
わたしは進みたい
あなたと共に
奥底で考えている気持ちに
驚いている

あなたはわたしの何?
分かる日がくるのかな
この道を進んでいたら


320不確かな距離

好きだけど
分からない
揺れる気持ち
真実なんて口にできないよ
知らないんだもの
あなたのこと抱きしめたいと思うけど
距離縮めたくないよ

何もかも同じになりそうで
いつもあなただけになりそうで
わたしはわたしだ
いつだってそう生きてきたのに
あなたの意志に負けたくない
わたしを生かしてあげたい

囁いてきたもの
小さな夢
憧れて来たもの
自由な自己
何も失いたくなくて
何も得たくもなくて

ただあなたと一緒にいる
この距離のままで
そんな望みはいけない?


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