空色の言葉



541フィナーレはまだ遠くへ

愛してる
その言葉を言えないのは
愛を知らないから

自然に言葉としてこぼれないから
無理にはいいたくないから

だけど何年たっても
何十年たっても
一緒にいれば
いつか分かるかもしれない

こんなに優しいあなただから
そんなに愛してくれているから
慈しむべき存在で
隣にいるだけで不安や緊張を取り除いてくれるから


542秘密の小箱の受取人

あなたにしか打ち明けられない秘密がある
いつも気付くとあなたに打ち明けてる
唯一の人
いくら心を隠しても
自分の心を制止しても

あなただけなの
私の秘密を知っているのは

あなたにしか話せない

あなたの隣でいつも
優しい時間を過ごしてる
まるで花びらのような繊細な時間で
すぐに破れてしまいそうになるけれど

私の全てを打ち明けられるのは
知って欲しいのはあなただけだから

花びらが破れてしまっても
あなたが去ってしまっても
私の気持ちは変わらない

この確かな気持ちは変わらない

あなたを追ったりはしないわ
だけどあなたへの気持ちはずっと
変わらないと信じられるから


543空へ空気を求めて

やらないと動かないことがあって
その為に進むだけだから
その道が華やかになるかなんて
保証は何もないけど

善意の言葉を読み違えないように
悪意の言葉を受け止められるように

決して泣いたりしないように

簡単にすればするほど
安易なものになっていた
山も谷もあったはずなのに
手元には自分が残っていないから

やれる気力がある時がチャンス
空へと思い切って飛躍してみる
あなたも隣で飛んでくれているのかな

そうだといいな
愛しい魔法使い


544城篭りのお姫様

夢の世界にいたわたしは
あなたのことを見てなんていなかった
理想のあの人を追いかけていたわたしは
あなたのことを友達だと言った

夢の世界の王子様なんていないのに
それでもあきらめられなくて
自分の心を覗き込むと
ロマンチストなお姫様が居座っていた

何もできない
憧れるだけの
しぶといお姫様

でもね
一番近くにいる人の声は
とても心地良いの

一番自分を知っているのも
相手を知っているのも
私達お互いだったの

けれどお姫様はおかんむり
運命の白馬を探してる

だからあなたと私は
今日も他愛のない気楽な会話をしてる

お姫様は認めてくれない
高慢でプライドの高いお姫様

でも服装も質素でとりえなんて思いつかない私は
解っている

この暖かくあなたに感じる気持ち
お姫様に妨害されながら
薄々感じてるから

気の強いお姫様との戦い
どちらが勝つのかな
あの人といる安らかで穏やかな雰囲気を想うと

勝負はいつまで続いても
決着は着いているんじゃないかな


545砂丘地獄

負けたくない
何度も何度も思うけど
なんだか押し流されてしまって

気付くと戻っているんだ
足元には何もない
まるで砂以外なにもない砂丘に佇んでいるみたい

上をみているのか横を見ているのか
とにかくどこかを見ていないと不安で

また進んでしまう
進む気力がなくなりかけて
埋もれてしまいそうになる

どうしたら埋もれずに済む?
いっそ埋もれてどこか深い所でいたいよ

そんな声が囁く
その手を取ってしまいたい
甘い誘惑

悲しくてこぼしているのか
無力で流しているのか
涙は砂丘に瞬時に蒸発する

負けたくないよ
誰かと比べてるだけ?
苦しいよ
上を中途半端に見てるから?

私は崩れ落ちる
砂がはらはらと舞い落ちる

もう考えたくない
思考を止めてしまう


546パステル天国

夢に名前がつけられるなら
私はあなたの名前をつける

暗かった部屋に光をくれたから
立ち止まってた私を何もせずに癒してくれた
潤いをくれた
ただその存在だけで

だから私の夢はあなた
動かない気持ち

あなたのようになりたいんじゃない
あなたが私の夢で希望

あなたの存在が私の夢なの
醒めない夢
狂おしい位の愛しさ
憧れ

世界にパステルの光が見えるから
この世界に水をくれたのは
まぎれもないあなた

私の世界の時計をすすめたのは
間違いなくあなた

わたしの夢は
あなた


547漆黒の夜の灯台

何も起こらなければいいのに
このまま平穏な時を進めて

何かが起こって破壊されてしまえばいいのに
責任放棄したくなるけど

大切なものを見つけているから
傍にいてくれるから

破壊なんて
そんな言葉はうわべだけ

何も破壊したくない
壊したくなんてない

世界の美しさを全て見てみたい
そう思わせてくれた存在
なのに心に住みつく誰かが

それでもハカイしてやりたいって

平穏を望めば破壊を疎み
破壊を望めば平穏を退ける

何てワガママで不安定な生き物なんだろう
あなたがいなければどうなっていただろう

舵を失って転覆してた
だからね

今は破壊も平穏も欲しくない
欲しいのは時間
あなたとただこうしている時間だけは

平穏だとも破壊的だとも
思ったりしないから

私は私で
何も望まない考えない私で
いられるから


548絶対的且つ柔軟な言葉

愛してるよ
そんな単純な単語に
どうしてこんなに心が揺れ動くの?

何度も同じセリフ聞いたよ
何人にも言ってもらったのに

あなたが発した言葉は
暖かくて
暖かく感じて
心が熱くなる
沸騰したみたいにドクドクする

もう顔も見れないうちから
気持ちが乱れているのに

あなたの顔を見る自信なんて持てないよ

特別な言葉

あいしてる

まるで暖かい光に包まれたような
硬いクリスタルで守られたような

絶対に壊せない
それでいてふんわりと
否応なしに入ってくる

顔が笑顔になるのを感じながら
赤い頬を手でさましながら
思い切ってあなたの顔を見るの

そしてあなたにも同じ言葉を
かけてあげたい
絶対的で柔軟な
あなたへだけに贈る
私の想いの全てを込められた
その言葉を


549万華鏡めいた夢

見たこともないような世界で
わたしはガラスの地面を歩く
下に閉じ込められている
石で出来た古代の建物が
ずっとずっと奥に
オブジェクトのように小さく見える

私は下をちょっと気にして
また歩き出す

ガラスの地面の先に出来た
大きな水溜り
どちらも透明でどこまでも
続いているようだから
うっかり足を滑らせてしまいそう

海なのか何なのか想像もつかず
手でなめらかにすくって
一口雫を味わうと
甘い味

顔を上げると
空には虹色の霧がかかってる
太陽も雲も見えない
幻想的で息を飲む

ずっとずっと続いてた
このガラスの地面の下での歴史
そっと地面に耳をあてたくて
つとその澄みきった冷えた地に手を当てると

携帯の目覚まし音が
見慣れた天井の景色を見てる

もっとあの世界にいたかった
もう二度とあの世界には戻れない

私の夢はまるで冒険記
その夢の後は切なくて
なぜか悲しくて悲しくて
涙を一滴流した

でも今夜は別の世界へと
また冒険をはじめるから
それまでは仮初めの現実を
頑張って生きるんだ


550誕生の時

あなたがいるから
わたしには目があるんだ
あなたがいるから
わたしには耳があって
あなたがいるから
こんなに世界を感じたいんだ

閉じているままの世界では
あなたに近づけないから
ただ一人で膝を抱えていては
あなたにおいていかれてしまうから

この香りも
この色も
感触も
あなたに伝えたい

世界で見て聞いた全てを
あなたに伝えることは
不思議な歓びになるから

だからわたしは感じることができる
だからわたしはあなたと出会った

出会ったときから
存在を強く意識した
わたしもあなたもまわりも

分刻みの楽しみを知る
この感情の波
生きていることの歓びは
あなたに出会うまで知ることがなかった



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