スーツで京都


うーんとね、私は去年の今ごろだったか、京都に3泊4日でスーツ着て行った事あるんですよ。 なんでスーツ着てったのかわかんないんだけど、一応正装ってことで。 その時のメンバーがわたしの姉とその友達。たまに掲示板に来るメガネ君ね。 ほとんどわたしは別行動でパチンコばっかりしてました。 わたしが行った京都のパチンコ屋には「ネクタイ着用の方は終日無制限」<サラリーマンDAY>というサービス があって、ちょうどその時、自分はネクタイしてたもんだからそのサービス対象に入ることに。 その瞬間に、ふと変な考えが頭をもたげた。

「(サラ)リーマンのふりしてぇ」

なんとなくリーマンになりたくなって、パチンコやめてとりあえず日経新聞を買う。 所々リーマンらしさを出したかったんで、無理に仕事の電話を掛けるふりをしてみたり、薬局に入って栄養の塊ドリンク飲んだり。 これが半端じゃないくらい楽しい。その内、一人でリーマンを演じるより誰かを巻き込んでリーマンを演じたくなった。 どうしたもんかと考えて、とりあえず喫茶店に入る。

飲めないコーヒーを「アメリカン一つ」と慣れたようにオーダー。 二人で今の現状を楽しみたいのだから、会話を成立させ、確固たるリーマンとなった自分の世界を作り上げねばならない。 会話の糸口としてコーヒーを運んできたウエイトレスに「このへんにコンビニってある?」とクエスチョン。 「サークルKがあります。」とウエイトレス。「ありがとね。東京から出張できたんだけど仕事でFAXしなきゃいけなくてね。」 と、まあリーマン染みた会話が成立した。 してやったり!彼女の中では私はリーマンなわけだ。多分疑われる事はないだろう。 一大学生である私がリーマン。わざわざ「リーマンだ」と嘘をつきに喫茶店に来たとは思うまい。 訳が分からない人には分からないかもしれないが、私にしてみれば、これらのやり取りにより生まれた世界がとにかくいいのだ。 日経新聞という小道具をフルに活用させ、20分ほど喫茶店に入り浸った。 ちょうど姉からメールが入り、合流する事に。 メール着信の際に着信音が鳴ったので、電話に出るふりをして架空の相手先係長半田さんとお話する事にした。 「はい、今リサーチの途中です。昼飯ですか?はい、はい、分かりました。では10分後にまた。はい。御一緒させて頂きます。はい。」 店には私一人しかおらず、この会話は店いっぱいに響く。

この充実感をどうやったら皆さんにお伝えする事ができるだろうか。 とにかく楽しい。皆さんには一度、何かになりきるふりをお勧めしたい。本当になっちゃっても結構だ。おもしろいぞ、これ。 会計の際、「あっ、領収書の宛先、ソニーにして」といわせて頂いた。 有名どころの会社名で、ウエイトレスの目が輝きを増したことは言うまでもないだろう。 細かいところもせめて行くのがポイントだ。 旅の恥は掻き捨て、発つ鳥跡を濁さねばいいのだ。ビバ!なりきり!