どっちが? 編(4年生)







「なぁ、どっちの方がほれているんだろ?」

ヌーのアパートでアマゾンが聞いた。今週で終わった3年生に別れを告げ、来週から始まる4年生を
祝しての飲み会を開いているのであった。

「フロルの方かな? あいつ、まわりの男なんて目に入っていないみたいだもんな。タダの方が冷静
だよ」

ガンガが答えた。

「そうだよ、タダが他の女としゃべっているだけでも焼き餅やいてたもんな」

赤鼻が見たとおりの事を言った。いない者の話題になるのはよくある事なのだった。

「四世はどう思う? プレイボーイの君の目から見て」

ガンガは四世にふってきたのである。

「プレイボーイってのが余計だけど… さぁ、どっちもどっちってとこかな?」

四世は無難な答えを選んだのであった。もっともみんなどっちがどうとか言うのではなくて話のネタに
しか過ぎないのだった。

「でもな、考えてみろよ。もしフロルがフリーだったらどうなると思う? 競争率が激しいだろうな。
あの性格を差し引いてもお釣りがくるぜ」

アマゾンはありえない想像をしているのだった。

「なんだい、アマゾン。フロルが好きなのか?」

ガンガがひやかした。

「そりゃ親友だもんな、好きだぜ。あいつとは男だとか女だとか関係なしに付き合えるからな」

アマゾンはあっさりと認めたのである。これはみんな同じ意見だった。



 今年の航空科の新入生は実にユニークな人材がそろっていた。年齢もかなりのばらつきがあり年配の
者も多かったのであった。その新入生の中にとびきりの容姿を持ったレドラーがいた。彼は故郷の大学
を卒業してからの受験だったのでタダ達よりも年上だったのであった。背中まで伸ばした長いくるみ色
の髪に薄いブルーの瞳、色白の肌は彼の容姿を引き立てていたのであった。

「きれいな髪だ… 」

レドラーは実習で一緒になったフロルの髪に触れた。

「髪なんかどうでもいいから早くやんな! うっとうしい奴だな」

計器類のチェックと名称の暗記なのだ。

「わたしはその必要はないのですよ。先輩」

今までになかった反応に面食らいはしたものの、それにもくじけずレドラーはフロルに向かってウイン
クしたのであった。

「なんだ、お前… 目が悪いんだったら早い目に何とかしろよな。航空科は目が悪くちゃやってけねぇ
ぞ!」

フロルの言葉にレドラーはショックを受けたのだった。たいていの女性は自分の容姿に心が動くのだ。
今まではそうだった。今でも同級生の女性には当然の事ながらもてているのである。

“しかしこの見目麗しい先輩なら特別だな”

そう思って納得するのだった。

「お前さ、いくら大学出ているからって安心してちゃ、みんなに追い越されちまうぞ。そこんとこ気
をつけろよな」

フロルはいくら年上だといっても彼の事を1年生としてとららえていたのである。他の者なら彼に対
し少し構えて接するのだがフロルにはその気はないのだった。

「先輩、いちど航空学についてお話ししませんか? わたしの知識がどの程度なのか知りたいのです
が… 一応、故郷では5年間の過程を終えて卒業したのですが… 」

レドラーは巧みにフロルを誘っているのだった。

「ああ。別にいいけどさ。でもお前のこの前のテストの結果だけ見たら2年生が終わった所くらいだ
ったぞ」

そんな事は承知のレドラーだったのだが、あえて誘っているのがわからないのだろうかと思うのだっ
た。

“きっと男性にすれていないのだな… ”

レドラーはほくそ笑んだのである。



「あれ? フロル、こんなところで勉強会なのか?」

四世が声をかけて来た。

「あー、そうなんだ。後輩の面倒をみてやらねぇとな。タダに後から行くって言っといてくれよ」

レドラーはちらりと四世を見た。容姿端麗の上に気品が備わっている。いったい誰なんだろうと思う
のだった。

「何よそ見してんだよ、ほら、さっさとやんな!」

フロルは厳しい口調で言った。彼女は何事にも真剣に取り組むのだ。レドラーの予想に反して甘い言
葉もやさしいまなざしも彼女から与えられなかったのである。

「フロル、タダが喫茶室で暇そうにしていたぞ」

フランクが教えてくれた。彼はこの二人の事が気になって仕方ないのである。

“何なんだ? このやさ男は… ”

フランクはレドラーをじろりとにらんで通り過ぎたのであった。

「悪いな、邪魔が入ってよ」

フロルは再びレドラーの質問に答えているのであった。



「遅かったじゃないか」

タダが文句を言った。昼休みのほとんどの時間をレドラーの為に使ってしまったフロルが喫茶室に
やって来た。

「ああ、しつこく質問されちまってよ、ま、1年生だもんな」

フロルはあっさりと答えたのである。

「いや、あれはナンパに近いと思うぜ。きっと君を狙ってるんだと思うな」

四世はそういう事に関しては非常にカンがいい。

「いったい誰なんだ? そいつは」

むっとした顔でタダが聞いた。

「オレ達のグループが面倒を見ている1年生のグループの奴なんだけど大学出だから21歳だって
言ってたな、又教えてくれって言ってた。名前? …忘れた」

その程度のものだったのだ。タダは安心したのである。
タダは直感していた。その年上の1年生はフロルに目を付けているのだ。しかし彼女は何も感じて
いない。しかしこれから先が心配なのだった。彼女は自覚がないのだろう、自分の態度や親切な一
言がどれだけの男性に影響を与えるかという事を… 



「君は流れる黒髪がすてきだ… 」

レドラーは上級生の女性に向かってささやいた。それだけでたいがいの女性は頬を染める。

「一度、真夜中のドライブにでも行かないか?」

彼は誘い上手だったのだ。それに女性の扱いもうまく、複数の女性とつきあっていると分かっていて
もつきあわずにはいられない魅力を持っていたのだった。そして今日もレドラーは上手に余暇を過ご
すのであった。

「ありゃ一種の特技だな」

四世が感心していたのである。彼はけっして複数の女性とはつきあわないのだった。それが相手の女
性に対する礼儀のような気がしていたのだ。そう、彼は彼なりにポリシーを持っていて行動していた
のである。



「フロル先輩!」

レドラーがやって来た。今日は大きな花束を抱えている。

「先輩は花がお好きだとお聞きしたものですから」

テラ系の花でバラという名の豪華な花である。

「わぁ… すごくきれいだ… 」

フロルはバラを受け取った。彼女は一本抜き出そうとしてバラに触れた。

「痛っ! なんだよ、この危険な花は! きれいだけど触れねぇじゃんこれ… 」

彼女はバラにトゲがある事を知らなかったのだ。

「すみません。先輩」

いきなり茎に触ったフロルが悪いのだが彼は謝った。普通ならまず目で楽しんで香りで楽しんでから
花束を抱える、そういう手順なのにと思うのだが…

「謝る事ねぇよ、オレが悪いんだもん。これお前がつくったのか?」

フロルは聞いた。

「まさか… わたしは土なんていじりませんよ」

さも当然の事のような顔をしてレドラーは答えたのであった。

「なんだ、お前が作ったんじゃないのか、じゃなぜオレにくれたんだ? わざわざ買ってまでしてさ」

フロルはこういう事にかけては鈍感なのだ。

「ほんのお礼です。このまえ教えでいただいた… 」

動かない心にいらだちをおぼえレドラーがほほ笑みをたたえて言った。

「これからこんな気遣いはなしにしようぜ」

フロルははっきりと言ったのであった。




 航空科の一年生の間ではレドラーがフロル先輩をねらっているという事がちょっとしたうわさになっ
ていた。しかし当の本人はその事について全然知らなかったのである。どうやらタダの存在を知ったレ
ドラーがたとえ付き合っている男がいたとしてもフロル先輩なら当然の事なので気にしていないと言っ
ているらしいのだ。これにはさすがのタダも驚いていたのである。今までフロルに心をよせている男た
ちの存在を知っていたのだが、彼みたいにはっきりとしている者はいなかったのである。

 レドラーが初めてタダを見た時に、どうしてこんな地味な男を… と感じたものだった。顔立ちは悪
くないのだが華がなくおとなしさが先にたってしまっているみたいでフロル先輩とは不釣り合いに見え
るのだ。

「どうしてわたしではいけないのだ? どうしてあの男なのだ?」

レドラーは鏡を見ながらつぶやいた。

 最近の彼は女性と付き合っていても楽しさを感じないようになっていた。むなしさだけが残って行く、
そんな感じなのだった。けっして軽い付き合いに罪悪感を抱いている訳ではないのだが疲れるのだ。

“本気なのか?”

自問自答してみても自分ですら真意はわからないのだった。冷たくてぶっきらぼうなフロル先輩の言葉
遣いがいとおしく、女らしくない仕草までもが恋しくなるのだった。

“このわたしに限って… ”

そう思う。しかし目は彼女を追っている矛盾。彼は悩む、かつて彼を思う女性がそうしてきたように…


「フロル、君を見てるぜ。彼」

アマゾンが喫茶室に入って来たレドラーを見つけて教えてくれた。

「ふうん… そう」

彼女は気のない返事をした。

「あれ、こっちにやって来るぞ、あいつ」

赤鼻が言った。



「フロル先輩… お話しが… 」

そして彼はフロルを誘ったのだった。


「で、行っちまったぜ。フロル」

アマゾンが遅れて来たタダに言った。どうしてフロルは、と思ったが彼女には彼女なりの考えがあ
るのだろう。

「心配じゃないのか?」

アマゾンは聞いた。しかしタダは笑って答えるのだった。

「フロルだから… 」

とだけ。



「あなたを愛してしまったようなんです」

レドラーはフロルを真正面から見て言った。

「うそつくんじゃねぇよ」

フロルは彼の言葉を信じない。

「お前、だれとでも付き合ってるじゃん、そんな奴の言う事いちいち信用してたらバカみるだけだぜ」

彼女はいつも通り冷たかったのである。

「でも本当に愛しているのはあなただけなのです!」

レドラーは必死だった。今まで女性に真剣に愛しているだなんて言った事はなかったのだ。

「ばーか!」

フロルは全く信用しないのだった。

「愛してるなんて言葉は気安く使うんじゃねぇよ、それって本当に愛してる奴の前でもなかなか言え
ねぇ言葉なんだぞ。ま、いいかげんだからこそ簡単に出てくるんかもしれないけどな。お前もほんと
うにその言葉を言える奴、探すんだな。だてに歳くってるんじゃねぇんだろ? オレは冗談でそんな
言葉使う奴は嫌いだぜ」

彼女は真剣な目をして言った。

「でもわたしは… 」

それ以上言葉をつづけようとしていたがフロルは無視してその場から去って行ってしまったのである。
レドラーはしばらく彼女の言った言葉の意味を考えていた。“愛してる”と言う言葉を自分はいった
い何度使った事だろう? 自分は何の為にあまりにも多くの女性と接触してきたのだろう? そして
本当に好きな女性が現れた場合、それが障害になるとは思いもしなかったのであった。




「タダ、来てたのか?」

フロルが戻って来た。タダは大体の事態が想像できたのである。

「何があったのって聞いてくれないのか?」

フロルがタダの首に腕をまわしてきた。心の動揺はないものの後味の悪さを感じているようだった。

「すぐに帰って来ると思っていつものをオーダーしといたから」

 …とだけ言った。

「お前、オレの事すごく信用してくれてるんだな」

タダは何も言わなかったのだ。

「だから… 好きなんだ」

フロルはみんなの前だというのにタダの背中ごしに顔を近づけた。タダはその近づいて来た唇に軽く
触れたのであった。

「あーあ、やってられねぇな、お前ら。もうちっと遠慮ってものがないのかよ」
それは彼女のいないアマゾンのセリフである。

「ほんとだ、さぁ、次の授業に行こうか」

赤鼻が声をかけた。

「さ、フロル。行こう」

まんざらでもない顔をしてタダは立ち上がり、さりげなくフロルの腰に手をまわしたのであった。



 レドラーは自分がはっきりとふられてしまった事をなんとか納得しようと思っていた。最初から相
手のいる女性だから当然といえば当然の事なのである。それでもそんな相手であろうとも今までなら
自分の方になびいてきた。恐ろしいほどの自信過剰、それが彼の良い所でもあり悪い所でもあった。

“もう一度… もう一度だけ彼女に確認してみたい… ”

そう思うのであった。



 一人で歩いていたフロルの前にレドラーが現れた。

「やぁ!」

フロルはできる限り普通を装って彼に声をかけたのである。しかし彼は普通の状態ではなかったので
ある。

「先輩、お話しが… あるのです」

苦しそうな声でレドラーは言った。昨日と違って疲れたような表情なのだ。

「昨日のつづきならお断りだぜ」

フロルは最初に言っておいた。しかし彼はフロルの前から去ろうとはしないのだ。

「もう一度、愛してるといったらご迷惑ですか?」

彼は確認するように話しかけたのである。

「迷惑だよ」

フロルは短く言った。

「わたしは少しでもいいからあなたの思いやりある言葉が欲しいのです」

彼は食い下がった。

「愛しているから愛して欲しいっていうのか… お前」

フロルの言葉にレドラーはうなずいた。

「少しでもいい。今、愛している人の次にでもいい。わたしに希望を与えていただきたいのです!」

彼は必死だったのだ。今までこんなに惨めなセリフをはいた事はないのだ。しかし彼は構わなかっ
たのである。

「なぁ、やめろよ。お前って何にも知らねぇだけなんだ。人を好きになった事ねぇんだと思う」

フロルは幼い子供を諭すようにゆっくりとていねいな口調で話しかけた。

「だからさ、見返りを求めるような愛なんて本物じゃねぇと思うんだ。お前もいつか本物の相手と
巡り会う事ができると思うからさ。その時までその言葉、とっときなよ… 」

フロルは青い顔をしているレドラーの手を取った。そして優しくほほ笑みかけたのであった。それは
今まで彼女が彼に見せた事がなかった顔だったのである。

“その時が今なのです!”

今までの彼ならそう言ったろう。しかしその言葉を飲み込まざるをえない程のものが彼女から感じ
られて来るのだ。

「わかりました… 」

レドラーは引き下がった。しかし不思議と屈辱は感じなかったのである。

「好きになれる奴って結局一人だけなんだぜ!」

後ろ姿に向かってフロルは声をかけた。しかし彼にはその言葉に振り向ける程の余裕は残されていな
かったのであった。




“さよならを言わせないでほしい… ”

どれだけその言葉を彼女に向かって言いたかったか… しかしもう終わった事だった。
 
 ふつふつと沸き上がる体験した事のない思いを持て余しながらレドラーはひとりで中庭を歩いていた。
今日は授業に出る気にはなれない。たまにはそんな日があってもいいだろう、そう思うのであった。



 フロルは少し落ち込んでいた。

“愛しているから愛されたい… オレはそう思っている。でもそれは本当の愛じゃないのかな?”

さっきレドラーに言った言葉を振り返っていたのだった。

“もしタダが自分を愛してくれなくてもオレはタダを愛し続けるのだろうか? オレがタダの事を愛し
ているのはタダが自分を愛してくれているという事が前提になっているのではないのだろうか?”

フロルは授業が手につかなかったのである。目を閉じるとタダの顔が浮かんでくる。笑った顔、困っ
た顔、不機嫌なときの顔、何も考えていない時の顔… 色んなタダが目の前にいた。そして忘れられ
ないその顔とは… !!

 そうだ。はっきりと言える。白号でのテストの時、重力場発生装置が作動してなくて惑星にゆっ
くりと落ちて行った時に自分を助ける為にとっさに取ってくれた行動。その時のタダの顔はは決し
て忘れられないのであった。

“やっぱり愛されなくても愛していたと思う… ”

フロルはせつない気持ちになってくるのだった。

「フロル、お前、当たってるぜ」

隣に座っていた四世が教えてくれた。目の前のコンピューターのランプが点滅しているのだ。教官
からの質問だった。

「早く解答を打ち込むんだ」

四世が答えを見せてくれたのである。

「なにぼやっとしてたんだ?」

四世が聞いて来た。さっきから彼女の様子がおかしい事に気づいていたのだった。

「笑うなよな」

フロルは前置きしてから四世に言ったのである。

「オレさ、たとえタダが好きになってくれなくてもきっとタダの事好きになっていたと思うとせつ
なくなっちまったんだ… 」

突然四世は笑い出したのである。

「笑うなと言ったろーっ!」

教室で騒いだ二人は当然の事だが、教官から注意を受けたのであった。



「なんて事を言うんだよな、フロル。しかも授業中にだぜ。それで泣きそうな顔してたんだから」

フロルがいないので四世はみんなにさっきの事を話していたのである。

「やっぱりフロルの方がお前にほれているんだな」

アマゾンはタダに言った。

「そうだぜ、あんなに一途な奴も少ないよな」

ガンガも同感なのだ。しかしタダはリアクションに困っていたのだった。

「いや… 僕も… 」

“僕の方こそ彼女を愛しているのに… ”

そんな言葉はこの場では言えないのだ。タダは立ち上がった。

「どこへ行くんだ?」

ガンガが聞いた。

「いや、フロルがここに来ないような気がするから… 」
「探しに行くっていうのか? もうどこにでも行ってくれよ」

アマゾンがうらやましそうに笑っていたのであった。



 中庭の奥の方に二人がよく行く場所がある。フロルはそこでひとり寝っ転がっていたのであった。
竹によく似た背の高い木の下は下草が生えていて心地よいじゅうたんになっていた。彼女はせつな
い思いを胸に抱きつつもうたた寝してしまったのであった。タダはその横に腰を下ろしたのである。

“いまさら片思いごっこもないだろうに… 僕がいつ、君に片思いのせつなさを味あわせたってい
うんだよ?”

タダはため息をついた。

「さっき四世から聞いたセリフ、そっくり君に返すよ。たとえ君が愛してくれなくても僕は君を愛
しているってね」

小さな声で言ったのだがタダは急におかしくなってしまったのだった。

“僕たち付き合ってから随分たつというのにどうしてこんな事を言わなくちゃいけないんだ?”

まわりから見れば… 四世が思わず吹き出した気持ちがよくわかるのだ。

“やめた!”

タダはフロルの手を引っ張ったのである。

「お・き・ろ・よ!」

タダは耳元で言った。自然と覆いかぶさる形になる。フロルははっとして目をさましたのであった。
目の前にタダの顔がある、彼女は一瞬ここがどこなのかわからなかったのだ。

「起きないと襲っちまうぞ!」

そう言ってタダは覆いかぶさったままで抱き締めたのであった。



 中庭のおく深くに迷い込んでいたレドラーは偶然ふたりの姿を見かけたのだ。どうやら親密な様
子である。

“どこまであなたは… ”

彼はあわててその場を離れたのであった。



「結局タダもフロルが気になって仕方ないんだと思うな、顔にはださないだけで」
タダのいなくなった喫茶室でガンガが言った。

「このままあいつらにあてられっぱなしで卒業するなんて癪だな」

これはアマゾンのセリフである。

「でも彼女いないしなぁ… 」

赤鼻がぼやいている。

「ヌーがいたらすべて運命です、なんて言うだろうな」

四世の言葉にみんなは爆笑したのであった。



 しかしみんなは知らないのであった。このメンバーがどれほど団結力があってみんなからうらやま
しがられているのかと言う事を。そしてこの場が一生を通じての最も思いで深い場所になるのだと言
う事も…

   
                                       終





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