銀色物語6




 棺桶塔に送られた二人に用意されたのは何もない部屋だった。牢番たちを取りしま
っているのはガマーと言う初老の男であり、彼みずから二人を監視するようになって
いたのであった。

 王妃はあの日以来ずっと臥せっていた。まだ体に薬が残っている為だがサファイヤ
はそれを知らない。
"お母様・・ 死なないで・・ "
彼女は熱っぽい体の王妃を必死で看病していたのだった。
"神様・・ 助けて下さい! 僕はもう何も失いたくないのです!"
サファイヤは初めて弱音をはいた。戴冠式以来ずっと気丈にしていたのは全て母を安
心させる為だった。
父が亡くなりフランツもチンクも失い、誰も味方のいないここでの生活は彼女にとっ
て今までになく辛かったのだ。
 サファイヤは眠っている母を見届けてからバルコニーに出た。もう我慢できなかっ
た。
"僕はどうすればいいのですか? 誰か教えて!"
彼女はそこで思いきり泣いていたのだ。
「 !? 」
何かを察したサファイヤは顔を上げた。
「誰だっ!」
サファイヤはとっさに構えたのである。
「ふふふ・・ 久しぶりだね、サファイヤ姫」
そこに現れたのは魔女とその娘のヘケートだった。
「おまえは悪魔! いったい何をしに来た?」
サファイヤは彼女をにらんだのだ。
「それはね、姫のエネルギーをいただきに来たのさ。ジュラルミンとそう約束して
いたものだからね」
魔女は当然という顔で言った。
「約束だと?」
サファイヤが聞いた。
「そうだよ、約束。国王を殺し、王妃に自白する薬を注文したのはジュラルミンだ
からね」
魔女は笑いながら教えてくれた。
「お父様は殺されたのか?」
サファイヤは驚き、そして納得したのである。
"そうだったのか・・・ それで・・ "
サファイヤの心にジュラルミンに対する憎悪の心が沸いて来た。それこそ魔女の思
う壷だったのだが・・・
「それそれ、すばらしいエネルギーだよ! 今だ、ヘケート。サファイヤ姫の手を
握るんだよ」
魔女は娘に命じたのだ。
「お姫様、ごめんね。本当は私・・ 」
ヘケートは母が見ているので仕方なく彼女の手を取ったのである。素早く呪文を唱
える魔女。
「きゃぁ・・ !」
サファイヤの体に衝撃が走った。以前に感じたよりもっときついのは、彼女の憎し
みや悲しみが大きかったせいなのだ。
「ああ・・ 誰か・・ 」
しかしサファイヤはそのまま気を失ってしまったのである。魔女はそのエネルギー
に満足してそこから去って行ったのであった。
 ガマーはその一部始終を見ていた。見ていたけれど彼の仕事には関係のない事だ
からしゃしゃり出るような事はしない。しかし倒れているサファイヤを放っておく
訳にはいかない。彼は傷ついた彼女をベットに寝かせ両手のひらを消毒し、薬を塗
ってやったのである。

 魔女との約束をはたしたジュラルミンは王位を手に入れた。それは彼の念願であ
り、息子に王位を譲る為に必要な事だったのである。
「わしは今から掟を変えて行く。プラスチック、おまえには最高の状態でこの国を
譲ってやるぞ」
彼は息子にうれしそうに語ったのである。
"父上、その為に王様を殺し、王妃様におかしな薬を飲ませたのですね"
プラスチックは父を非難したかった。しかしできなかったのである。
"・・・これがばれたら今度は父上が王位を追われる番ですよ"
自分がもっとしっかりしていればこんな事にはならなかったと思う。しかしもう遅
いのだった。
「そうだな、国民にはもっと税金を出すようにしなきゃな。国民も大事だが王家は
もっと大事だからな」
彼はそれをさっそく実行したのである。

 チンクはほんの少しの間にこれほど状況が変わるとは思っていなかった。王子が
王女だとばれ、掟を破った罪で棺桶塔に送られる間での時間といったら・・・
 その時チンクは何をしていたのかというと、朝いつも通りに起きてサファイヤに
おはようの挨拶をして戴冠式に出る彼女を送り出しただけだった。なのに次にサフ
ァイヤの姿を見た時には馬車に乗せられてどこかに連れて行かれている所だったの
だ。
「サファイヤー! サファイヤ!」
チンクは声の限りに叫んだが彼女には届かない。走り去る馬車はチンクの思いを知
る由もなく遠くに消えて行ったのだった。

 ジュラルミン王の天下になったシルバーランドは確実に変わって行ったのだ。
「サファイヤさまはどうなさっておられるだろう?」
城下町に住む人々はよくサファイヤのうわさをした。今の政治はかつてジュラルミ
ンが国王代理をしていた時よりひどいのだ。だからこそ国王は王女を王子と偽って
育てたのだろうと思う。王位をとられる事よりジュラルミンに政権が移る事を恐れ
たのだろうと。
「でもサファイヤさまが女だと不都合だったのだろうか?」
誰かが口にした。それが誰もが口にする事になるには時間はかからなかったのであ
る。
「だいたい女だから王位が継げないなんて。おとなりのゴールドランドはそんな掟
はないと聞いたわ」
誰かが言った。そしてその声は大臣たちさえもが口にするようになったのである。

 チンクはもう城に戻れない事を知っていた。あのジュラルミン大公は自分の事を
嫌っている。それに何よりサファイヤが心配だった。実際彼女が棺桶塔に閉じ込め
られてからチンクは何もしていない。いや、何もできないのだ。何とか中に入りた
いのだがそれができなくて困っていたのである。
 彼は棺桶塔の近くにある村でうろついていた。村人の中には彼に食べ物を恵んで
くれる人もいたが、ほとんどは薄汚い小僧が食いはぐれてこの村にやって来た、く
らいにしか思っていなかったのである。
"神様! 神様は僕に3つのお願いを叶えてくださるのでしたね。その一つを今、
叶えてください。僕に棺桶塔への抜け道を教えて下さい。僕を中に入れて下さい"
チンクは神に祈ったのである。たった3つの権利を彼はサファイヤを守る為に使っ
たのだった。
 晴天だというのに雷にうたれたような衝撃をチンクは味わった。それは神様がチ
ンクの願いを叶えた瞬間だったのである。
「いてててて・・・ 神様って乱暴なんだ・・ 」
体中がしびれたチンクは塔の外でしばらく動けなかったのだ。しかし彼の頭の中に
はこの塔の中へのあらゆる抜け道が浮かび上がって来たのだ。
「ありがとう! 神様。僕はサファイヤを魔女の手から守ってきます」
チンクは喜んで棺桶塔に向かったのであった。

 サファイヤは今まで以上に強くなろうと決意した。全てを失い魔女にまで付け狙
われるという最悪の状態を脱するには自分が強くなるしかない。弱い心をもたない
為にはそうするしかないと考えたサファイヤだった。
 薬が切れた王妃はサファイヤからジュラルミンの話を聞いたのだった。そして自
分の夫が実は殺されたのだという事実は少なからず彼女を驚かしたのである。
「僕がジュラルミンを裁きます!」
サファイヤは父の為にも自分の為にもそうしたいと願ったのである。
「ジュラルミンを失脚させても王位は戻らないけれど、それでも僕は何かがしたい
のです」
彼女はここでじっとしてはいられなかったのだ。
「止めません、しかし生きて帰って来てね、サファイヤ」
王妃は優しく言った。それはサファイヤの胸に詰まるものがあった。生きて・・
  生きる意味は何か。誰の為に生きるのか? 彼女は今、自分に問いかけていたの
である。

 サファイヤは塔の中の抜け道を探していた。どの塔にも必ずいざと言う時の為
に隠し通路が作られているものだ。棺桶塔にも当然その抜け道があるはずだった。
「勇ましいお姫様だな」
突然ガマーが声をかけて来た。
「ガマー!」
サファイヤは一歩、退いたが彼は遠慮なく話して来る。
「外に出たいのだろう? サファイヤ姫」
彼に敵意はない。
「だったらどうした?」
サファイヤは冷静に聞いたのだ。
「おまえさんの味方をしてやるよ。俺はジュラルミンってヤツが嫌いなんでね。
ただし本当の囚人には内緒だせ」
そう言って彼はサファイヤに抜け道の地図を渡したのである。
「  ・・・・   」
サファイヤは言葉に詰まっていた。しかしおそらく彼は過去にジュラルミンと何
かあったに違いないと彼女は直感したのだった。
「カギをわたすよりそっちの方が役にたつぜ。武器なら俺の部屋に転がっている。
服もあるから勝手に持ってきな」
彼はジュラルミンの手によって国王が殺され、王妃が自白剤を飲まされおまけに
魔女の生け贄にされたサファイヤに同情していたのだった。
「ありがとう・・」
彼女はまだ信じられないという面持ちで礼を言った。
「逆境の人間にとって疑うのは簡単だが信じるのは難しい。でもあんたは本当に
信じられるヤツを見抜いていかないとこれから先は生きていけないぜ」
彼はそう警告して見回りに行ってしまったのだった。

 深夜の棺桶塔のに誰かいる。チンクはそっと近寄り茂みに隠れていた。
「誰だ?」
小さいけれど鋭い声が帰って来た。それはどうやらフランツの声のようなのだ。
「僕です! 僕、チンク」
彼は一歩飛びのいて答えたのである。
「チンク! ああ、サファイヤの所にいたチンクだね?」
フランツはほっとして剣を鞘におさめたのだ。どうやら彼は正面から入れないの
で抜け道を探っているようだった。
「王子さま。ね、王子さまはサファイヤの所に行くのでしょ? だったら僕は抜
け道を知ってます」
チンクが得意げに言った。そして自分が天使であり神様にお願いして抜け道を教
えてもらった事を話したのである。
"もっと別の願いを言えばいいのに・・"
と思ったが口には出して言えない。ともかく今はチンクの助けなしではここに入
ってはいけないのだ。
「頼む、チンク。君が頼りだよ」
フランツは彼をたてておいたのだった。
 塔の内部は複雑な作りになっている。しかし抜け道は意外と簡単で、出入しや
すくなっていたのだった。
「チンク、さっき君は自分がサファイヤの側にいないと魔女にねらわれるって言
ってたね? 彼女は何かしたのかい?」
フランツが聞いた。
「それは・・」
チンクは少し言いにくそうなのだ。
「どうして?」
もう一度聞いた。
「それはサファイヤがきれいだから。魔女の娘は・・・」
チンクはどうしてサファイヤがねらわれているのかを話したのだった。
「そんな・・ じゃ、サファイヤを助ける方法はないのかい?」
フランツはどうしても彼女を助けたかったのだ。
「う・・・ん、それはね。要するにサファイヤが生娘でなきゃいいんだ。つまり
処女を失えばいいんだ。そうすればもう魔女はねらわない」
その方法を知ったフランツは一瞬心臓が爆発しそうになった。それが彼女を救う
方法だなんて・・ 
彼にとってはありがたい事だけど非常に難しいものなのだ。
「いや・・ あの・・ 」
フランツは平静を取り戻そうとしていた。
「ねぇ、チンク。君は知っているだろう? どうしてサファイヤは自分が僕の探
している亜麻色の髪の娘だって事を黙っているんだろう?」と言って話題を変え
たのだ。
「だってフランツ、もし君がサファイヤの恋人なら魔女は君を攻撃して来るじゃ
ない。魔女からすれば君は違う意味でサファイヤをねらってる訳だもん。君に危
害が及ぶのを避けたかったんじゃないのかな」
チンクの答えは結局サファイヤの処女の部分に帰って来た。
"こればっかりは困ったな"
フランツは頭をかかえたのであった。不謹慎かも知れないが彼は本気で悩んでし
まったのだった。

 棺桶塔を抜け出したサファイヤは青い仮面を付け、黒装束で町を歩いていた。
これだと誰も彼女がサファイヤだとは気が付くまい。
 しかし久しぶりの城下町は雰囲気が変わっている。人々の顔付きも違うような
気がするのだ。
「もう働く気もおこらないぜ」
一人の男が酒場でぼやいていた。
「ああ、こう税金が高くちゃやってけねぇや」
誰かがそれに答えるように言った。
「前の王様はこんな事をなさらなかったのにな。今の王様になってからは生活が
無茶苦茶だ」
と言った時、突然兵隊たちが入って来た。
「おい! そこの男ども! さっき王様の批判をしたな!」
兵隊たちは剣を抜いて威嚇したのである。
「お許し下さい! 兵隊さま! 決して本心じゃありません」
彼らは必死で謝ったのである。
「ならぬ! 広場で100たたきの刑に処す!」
兵隊たちは男たちを引っ立てようとした。
「待て!」
その場にいたサファイヤが叫んだ。
「そうしてそんな事で処罰を与えるのだ?」
彼女は兵隊たちに向かい剣を抜いたのである。
「きさま、何者だっ?」
兵隊たちも剣を構えている。
「僕は・・ 」
一瞬、詰まった。
「僕はリボンの騎士だ!」
彼女はとっさにそう名乗った。たまたま帽子にリボンが付いていたからそう言っ
たまでなのだが・・
「リボンか何かしらんが邪魔をするならお前も同じ事!」
兵隊たちはサファイヤに向かって攻撃した。しかし腕が違いすぎたのだ。瞬く間
に勝負はつき兵隊たちは逃げて行ってしまったのである。
「ありがとうがざいます、剣士さま」
男たちは礼を言った。
「いいよ、そんな事。それよりこの町はどうしたのだ? 久しぶりに来てみたら
随分雰囲気が変わっている」
サファイヤは聞いた。男たちは今の国王になってからの悪政を全て彼女に話した
のである。
「本当にこんな時にサファイヤさまが生きておられたら・・」
ポソッと男が言った。
「生きて? サファイヤさまなら棺桶塔に閉じ込められているのじゃないのか?」
サファイヤが白々しく聞いた。
「いえね、魔女に殺されたってうわさが流れてるんですよ。でも俺は信じません。
きっと生きておられますとも! そしていつかはこの国をちゃんと治めて下さる
と信じてます」
彼は希望に満ちた目をして言ったのである。それを聞いてサファイヤは胸を打た
れたのだった。
「サファイヤさまは・・ 魔女に殺されたのではありません。ちゃんと生きてお
いでです。サファイヤさまは生きているのですよ」
彼女は改めて自分の存在を実感した。こうも自分を必要としてくれている人がい
る、それは彼女を奮い立たせるのに充分だったのである。
 チンクは目の前にいるフランツを頼りに暗い抜け道を進んで行った。小さな松
明では遠くまで明かりが届かない。しかし狭い場所で大きなものも使えないのだ
った。
「よし、ここを出るとサファイヤのいる場所に行くはずだ」
彼は通風口を出て二人が閉じ込められている部屋にたどり着いたのである。しか
しその部屋にはカギがかかっていなかった。
"おかしい?"
フランツはドアに耳をあてて中の様子を探っていた。
「サファイヤなの? 帰って来たのね」
中から王妃の声がする。フランツはその声の穏やかさにほっとして名を名乗った
のである。

 バルコニーの付いた何もない部屋で王妃はサファイヤの帰りを待っていた。そ
こに現れた珍客に驚きはしたものの、敵ではないので中に招き入れたのである。
そこでフランツとチンクはジュラルミンの悪巧みを全て聞いたのだった。しかし
今のフランツにはどうする事もできない。実際他の国の事には首を突っ込めない
立場だし、かと言ってこのまま放っておく訳にはいかないものだった。
「フランツ王子、あなたはどうして私たちの味方をして下さるのですか?」
王妃がフランツに聞いた。仮にも一国の王子たる者がこんな所に来るとは普通で
は考えられない事なのだ。
「それは・・ 僕がサファイヤを一方的に必要としているからです。彼女は僕
の助けはいらないと言うかも知れないけれど、僕は彼女の力になりたいと思っ
ています」
彼は正直に答えたのである。王妃はあえてそれ以上の事を聞かなかったのだ。
しかし仮にフランツ王子がサファイヤを好きであろうとも今では身分が違う。
彼の思いとは裏腹にゴールドランド国王や国民はその恋を許さないだろう。王
子とは国の象徴でもあるのだ。
「ありがとうございます、フランツ王子。あなたのご好意は決して忘れません」
王妃はフランツの心に感謝したのだった。

 もういつでもここに来られるとわかったフランツは部屋から出て行った。こ
れでサファイヤを守る事ができるのだ。狭い抜け道を進みながら彼は色々な事
を考えていた。今度サファイヤに会ったら何を話そう? 何から言えばいい? 
決して安心できる状況ではないのだがフランツは自然と頬がゆるむのを感じて
いたのである。
「誰?」
と言う声に気が付いたのは出口でだった。この時間にこの抜け道に入る者と言
えば・・
「サファイヤ?」
フランツが聞いた。
「まさか? 君は?」
驚いたサファイヤの声が帰って来た。
「サファイヤ! サファイヤ!」
突然フランツが彼女を抱き締めた。
「ずいぶん探したよ。君が心配でずっと棺桶塔に来ていたんだ。でもやっと会
えた!」
フランツはまだサファイヤを離さない。
「苦しいよ・・ フランツ」
訳がわからないサファイヤはただ彼のされるがままになっている。
「もう会えないんじゃないかと思っていたんだ。僕は君に言いたい事があった
のに。それにどうしたの? 仮面なんか付けて」
フランツは一気にしゃべって来る。サファイヤも言いたいことがたまっていた
のだがとっさにこんな所では何から話していいのかわからない。が、ふたりは
並んで塔の壁にもたれて座っているうちに落ち着いて来たのだった。
「君はこれからどうするんだい?」
フランツが聞いた。
「わからない、でもお父様を殺したジュラルミンの罪を暴露してやるんだ。殺
されたから殺そうなんて思わない、でも・・ お父様がかわいそうだ。だって
僕と最期に話した言葉がおやすみなさいだった・・」サファイヤは急に悲しく
なって来た。以前バルコニーで泣いていた時には魔女の邪魔が入ったけれどこ
こには邪魔する者はいない。今はなぜか心が安らいで、懐かしい父の顔が浮か
んできたのだった。
「ごめんね、フランツ・・ 」
あまりにも突然にサファイヤに胸を貸す事になったフランツはいつかの武術大
会を思い出していた。あの時はマントに隠れて彼女の顔は見えなかった。しか
し今では月明かりに照らされてまつげの中に宿っている涙までもが見えるのだ。
"僕は今、幸せな顔をしている・・"
フランツは高鳴る胸をおさえつつサファイヤの髪をなでていたのであった。
 これからサファイヤはどうするのか、どうしたらいいのか。ここから出る方
法は? 新しくできた悪い掟に苦しむ国民を助けるにはどうしたらいいのか? 
彼女にはまだまだ先の事はわからない。でも前に進むしかないのだ。そのため
にはどうしてもジュラルミンの失脚が先決だと思うサファイヤだったのである。


                                  終



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