自覚編(大会直後)
こうやって皇閃の入院している瓦礫ケ丘病院に足を運ぶのは何度目だろう。
兄の病室に行くついでじゃなく今では閃の病室の方に長くいる片桐なのだ。
「 ・・で、片桐ぃ、おめー山田を知らねーか?」
何かの会話が途切れた時に閃が聞いた。
異種格闘大会の時の対戦相手の事だ。
「知らねー」
片桐は答えた。山田とは皇友につっかかって行った時に同時に敗れたヤツであり、閃の2回戦
の相手でもあった。
「おまえが聞くから王狼館に電話したんだぜ。でもそんなヤツいねーって返事だった」
この返事は2回目だ。
「そーだな、前にも言ったもんな」
焔豪大我のように素性の知れた者ならそれほど気にならなかっただろう。しかし山田は学校す
らわからない。
「おまえヤツに勝ったんだろ? なのに気になるのか?」
「う〜ん、わからん」
「はぁ?」
「やっぱ気になるじぇ」
閃はどこから来るのかわからない思いにイラついていた。
「気がむいたら探しといてやるよ」
片桐はそういい残して兄、貴人の病室に向うのであった。
冷たい風が秋の深まりをいやがうえにも教えてくれる教室で礼央は日誌を書き終えた。
"皇がおなじ学校だったとは思わなかったな"
礼央は日誌を職員室に持って行こうと立ち上がり、小さくつぶやいた。
いつだったか転校してきたとたんに謹慎になったバカがいると聞いた事があった。それが皇だっ
た。
"まだ入院してるのかな?"
登校していないのはそのせいだろう。かと言ってノートを写して病院まで持って行く程には親し
くない。
しかし内心ではものすごく気になっている自分を否めない。
"皇のヤツ、なにやってんだよ?"
と思う。もっとも入院しているのだからそれなりに治療を受けているのだが・・
妙にイラつく心をもてあましながら礼央は3組の教室の前を通りかかった時だった。
「皇君のお見舞いに行くのならあたしも行くわ!」
クラスの女子が数人、大樹にそう言っているのが聞こえる。
「うん、今日は〇〇さんと〇〇さんだね」
大樹もそんな返事をしていたのだった。
「うん、あいつの寝顔ってかわいいんだよねーっ」
「そうそう、それに起きてる顔もかわいいよ」
「いたずらっ子みたいでさぁ、でも美少年だよ!」
「卒業する頃が楽しみだぁ」
と、セリフに花とハートが散っている。
"皇って・・"
礼央はこの時初めて閃が人気者だと知ったのだった。
"おなじクラスだからと言って"
なぜかつまらなくなってそのまま通り過ぎたのだが釈然としない。
"あたし、変だ"
そう思ったのは今に始まったことではない。
"やっぱり"
礼央はもう自分の気持ちにはっきりと気が付いていたのである。
"あたし、皇が好きなんだ"
だからと言って具体的にどのような行動に出ようとかは考えていないほどだと思う。
しかし自分が大樹のクラスなら違和感なくお見舞いに参加できるのだろうとうらやましくなって
くる。
"いやだなぁ、こんなの"
何がいやなのか分からない自分に腹が立つ。
なによりたった一度、技をぶつけ合って本気で闘った相手の事が気にかかる歯がゆさ。
"やっぱり好きなんだよな"
認めるのはくやしいけどこんな自分も悪くない。
しかし今は彼のクラスの女子がお見舞いに行くのを見てるだけだった。
「・・・ったく! バカ孫が・・・」
そう言って病室を出て行ったのは閃の祖父、朱門だった。彼はかわいい孫の為に毎日通って来る。
閃の入院も2度目ということもありなれたものだった。
「ほれ、わしは帰るからな。もうすぐいつもの子が来る頃だろうて」
朱門は閃に言った。
いつもの子とは原田羽奈の事だ。
彼女は閃が入院してから時々やって来ては、何か手作りのお菓子を置いて帰る。
「うな田か?」
閃が窓の外を見た時、大樹やクラスの女子、そして原田がやってくるのが見えた。
今日は団体さんなので相部屋では迷惑になるだろうと閃は気を利かせて病室を出て行ったのだ
った。
「皇君、調子はどう?」
クラスの女子が声をかけた。原田はなぜかその場にはいない。中学が違うから遠慮しているの
だろう。
「まぁまぁだじぇ」
閃も明るく答える。
「あさって退院だってね、さっきおじいさんに聞いたんだ」
大樹が自分の事のように嬉しそうに言った。
「おぅ、今でも帰れるんだけど検査があるって言うからよー」
閃は不満そうなのだ。
しかし病院とはしつこいくらいの注意をはらってから退院にいたるものである。
「それでも早い方だよ。白羽さんや片桐さんはまだ退院できないもん」
大樹は今日来なかったクラスメイトからの手紙や差し入れを閃に手渡しながら言った。
彼も閃と同じ病院に入っていたのである。もうひとり、焔豪大我がいたのだがさっさと退院してし
まったのだった。
しばらくの談笑の後にクラスメイトは帰っていった。病室にもどっても何もする事がないので廊下
をブラブラしていると原田がベンチに腰掛けているのが見える。
「うな田」
閃は彼女の隣りに腰かけた。
「どしたん? 病気?」
さっき朱門が彼女が来ているような事をいっていたのを思い出した。
「は・・いえ。そうじゃなくて・・」
彼女はいつも頬を染めて話をする。それを普通の男子中学生はかわいいと感じるものなのだ。
「熱でもあんの?」
閃は彼女の額に自分の額をくっつけた。
「 !!! 」
突然のリアクションに固まる原田。当然耳どころか首筋や胸まで赤くなる。
しかし閃は平気だった。
「 ・・あの・・大丈夫です」
それだけを言って原田は涙ぐんだ。その様子を見ていた外来の患者や病棟の患者は白い目を彼ら
に送っていた。あわてて涙をぬぐった原田に閃はおどろいて思わず彼女の両腕をつかむ。
するとさらに白い目が・・
そう、そのベンチは産婦人科の廊下に置かれていた物だったからなのだ・・
放課後の教室はがらんとしている。
日誌を書き終えた礼央はなぜか賑やかな1組の教室を開けた。
中学生ぐらいの年頃は妙に教室に愛着があって、違うクラスの者が入ってくると警戒する。
片桐秀人もそんな男子中学生だった。
「なんだ?」
片桐の取り巻きのひとりが礼央の前にきてすごんだ。どうやら1組の教室にいるのは片桐のグル
ープだけのようなのだ。つまる所、彼はこのクラスのボスとも言える。
「あんたに用は無い」
礼央は彼を無視して片桐の前に歩いていった。
「お前4組の火月だろう」
無視された男子生徒、名は田中と言うのだが・・ は、礼央の肩をつかもうとした。
「 ・・ 」
それを軽くかわし、さらに片桐に近づく礼央。
「俺に用か?」
その時初めて片桐が礼央に向かって口をきいたのだ。
「用があるから来たんだよ。あんたに聞きたいんだけど」
「何を?」
「竜炎の試合、もうすぐあんだろ? いつなんだ?」
竜炎内での練習試合の事である。以前異種大会予選に落ちた3人組が一緒に行こうと誘ってきて
いたからなのだ。
「どうして俺に聞く?」
皆が恐れている自分に向かって、しかもわざわざ違うクラスから聞きに来る彼女に興味をいだい
た片桐が聞いた。
「あんた、話しやすいから」
礼央はさも当然という面持ちで答えたのだ。大会の本戦で皇友にふたりで挑みともに敗れた親近
感があるのかも知れない。
「おまえなんか知らねーよ」
「片桐ィ、目ぇ付いてんのか? あんたも一緒にやられたじゃん、皇友に」
礼央はグイと近づいて言った。
その声には聞き覚えがある。
「おまえ・・ 山田・・?」
やっと気が付いた片桐が礼央の姿を凝視した。今はどこから見ても女子中学生だが・・
しかし不敵な面構えは確かにあの時の山田のものだった。皇友が自分より高い評価を下した山田
だった。
何より本戦に進んでいる。
片桐の驚きは大きい。
しかし取り巻きの手前取り乱せない。
ひと息ついて・・・
「おもしれーヤツ」
片桐はフッと笑って礼央に向かって手を差し出した。
"そうか、皇はそれで気になってたのか"
片桐は閃のはっきりしない、およそ彼らしくない態度の答えを見つけたような気がした。
「何? この手」
「一緒に行こうぜ」
「どこ?」
「瓦礫ケ丘病院。皇閃のところだよ」
礼央はすっと手をひいた。少し躊躇したからだ。
「どうしてあたしが・・」
クラスが違うのにと言いたかったのだが口にはしなかった。
「え? いいじゃん。お前もあいつと闘っただろ。それに同じ学校だしよ。それに・・」
片桐が礼央に指を突きつけた。
「山田だよ、山田」
はぁ?と言うように礼央がいぶかしげに口を曲げる。
「皇が山田を知らねーかと言っていた」
「皇があたしを?」
礼央が聞き返した。少し嬉しい。
「どこの学校か知らないかって言ってたぜ。しかし直後に王狼館に問い合わせたら山田吾郎とい
うヤツはいないとの返事だった」
「ふ〜ん」
直後ならば王狼館側が知っていなくてもおかしくないのだ。同じ道場の者が館長にばらしたのは
翌日だったのから。
「行ってもいいよ」
礼央はもったいつけるのじゃなく自然に承諾したのである。
まわりの連中を先に帰した片桐が礼央に話しかける。
「予定、なかったんか?」
「道場があるけどいい」
と、返事をする。
2人だけでバスを待っていると同級生や上級生が不思議な目で見て通り過ぎて行った。
その時初めて目の前の山田が女子であると認識した片桐は軽く頭をかいた。しかし礼央は何も感じ
ていない。
「バス、来なねぇな・・」
片桐のテレが言わせたセリフだった。
"らしくねーー"
ひょっとしたら彼女が女子だと知ったとたんに無意識に意識しはじめていたのかもしれないのだ。
胸のふくらみや細い腰、短いスカートの下に見える素足がまぶしい。
やはり見舞いを誘ったのも閃のためと言うより自分のためだったと思われる。
そして間もなくやって来たバスに乗り込んだ2人は並んで座り、竜炎内での練習試合について話
をはずませていたのであった。
中規模の病院である瓦礫ケ丘病院の中庭は日当たりも良くて明るい。
そんな中で原田の淡いピンク色のセーターが低木の緑の中に揺れている。
「もう・・だめ・・」
原田がネをあげた。
「だめだじぇ〜っ。そんなだから前みたいに変なヤツにからまれるんじゃ」
そう言いながら彼女のパンチを軽くかわした閃が弱いパンチをくりだした。しかし避けきれずに倒れ
そうになる原田。
「はは・・ 悪い悪い!」
"やっぱ女の子だなぁ・・"
と、微笑ましく思う。きっと彼女は彼女なりに真剣に向かってきているのだろう。しかし極端な実力
の差はお遊びにもならないのだった。
こんな原田を見ているとどうしても山田吾郎を思い出してしまう閃なのだ。
つまり山田は女子レベルではないという事だ。そして原田は当たり前の女子なのだろうと。
「おめー、もうフラフラだじぇ」
大きく肩で息をしている原田を気づかって閃は攻撃をやめた。
「あ・・・ ごめんなさい・・」
ふざけたような口のきき方をするが優しさにあふれている。この皇閃、原田バージョンでは世界を救
う勇者であり自分はどこかの国のお姫様なのだ。そしてふたりは恋に落ちて・・・と、勝手に想像し
ては顔を赤らめる純情な原田だった。
「皇!!」
中庭でふざけているように見えた閃に片桐が声をかけた。となりにいる同い年ぐらいの少女が気になっ
たが閃の知りたかった"山田"を連れてきたのだからいいだろうと。
「片桐か〜」
いつもと同じ閃の声。そして・・・
「あ! 山田〜っ! おめ、山田だろ!!」
閃は嬉しそうに礼央の隣りにやって来た。さっき思い出していた山田吾郎が目の前に現れたのだ。
「ありゃ、まるっきり女じゃん? でも山田なんだよな」
閃は制服のスカートに触れた。
「アホ! さわんな! このスケベ! 見えちゃうじゃん」
「ひでーな、何もしてねーじぇ」
閃は大会での礼央しか知らない。しかしこの制服はどう見ても自分と同じ中学の制服だった。
「おんなじ学校だったん?」
「ああ、あんた3組だろ? あたし4組」
ふうんといった表情で閃は彼女の名札を見た。火月と書いてあるからには彼女の本当の姓だろうと。
「入院中なのに何してたんだよ?」
さっきから原田の視線が気になっていた礼央が聞いた。
「ああ、うな田の練習につきあってたんだじぇ。どうせヒマだし」
「もういいのか?」
片桐がきいた。
「ああ、全然平気だ。それにもうすぐ退院だしよ」
閃は嬉しそうなのだ。
「今までの中で一番学校に行きたいと思ったんだ、俺」
閃が唐突に言った。
「あ? 学校に行きたい?」
もう一度片桐が聞く。
「なんかここの学校、楽しそうじゃ! 今まで転校ばかりでつまんねー。あんまりクラスのやつらの
顔もおぼえてねーし。それに格闘技大会もあるしな」
閃は普通に普通じゃない事を言う。
「閃さん・・・」
原田は事情を知らないなりに閃に同情して涙ぐむ。
"閃さん?"
礼央が少し反応した。
「でもよ、じーちゃんが俺のために家を借りるっつーてたからな」
「いいよな、ずっと同じ所に住めるって」
閃はひとりでしゃべっている。
「来年も出んだろ? 皇」
片桐が聞いた。異種格闘技大会の事だ。どうやら竜炎の年中行事に組み込まれたらしいのだった。
「ああ、もちろんじゃ!」
片桐はまだ知らないが、竜炎館長はジュニアだけでなくシニア層の人材の発掘も考えていた。つまりシ
ニア大会も行われるという事だ。本人が希望し、その実力を認められた者はシニア大会の出場権を得ら
れるという。
「じゃ、山田は」
片桐が礼央に向きなおりスカートを見た。いや、別にスカートを見たくてみたのではなく正視しずらか
ったからなのだ。
「あたし、どうでもいいよ。竜炎の館長に前の試合の事、あやまったけど。でも男としてはもう出れね
ーじゃん。女子のじゃつまんねーし」
礼央は冷静に考えた結果の答えを言った。強がりでも何でもなく彼女が思う存分試合できるのは男子の
部だろうとそこにいる誰もが思っている。
「いいな・・」
原田は心底思う。彼らの会話についていけない自分が歯がゆいのだ。
「あたしなんか弱いから。みなさんの会話が遠いです・・あはは、でも仕方ないですよね」
彼女は寂しく笑った。
「そんなことねーぜ。うな田も女子の部で頑張ったらいーじゃん。優勝目指してよー。弱いからってあ
きらめちゃなんにもできねーじょ」
閃は彼女の肩をポンとたたいた。
とたんに真っ赤になる原田。それは誰から見ても彼女が閃に惚れているのは明らかだ。
"皇のヤツ、この女に好かれてんの、わかってんのか?"
片桐はふと思った。
どうやら閃はそっちの方面において鈍感なような気がする。さっきも平気で肩をたたいていたし。
"しかし皇もいいかげんな事を言うぜ。この山田が女子で出るならこっちの女の優勝なんざ考えられ
ねー"
「・・はい! 努力します。ですから・・応援してくださいね、閃さん」
原田はかわいい仕草で結構あつかましい発言をする。
「いいじぇ〜っ!」
閃は軽く返事をした。
"この子!"
礼央は自分にはない素直さを持っている原田が少しうらやましくもありハラだたしくもあった。
"それじゃ、あたしが出場したら応援してくれねーのかよ?"
「片桐、帰ろうか」
少しムカついた礼央が言った。
「あれ、さっき来たばっかりじゃん! 山田ぁ、学校の事教えてくれよー」
「やだ!」
それだけ言って礼央はさっさとその場から去ってしまったのだった。あわてて後を追いかける片桐。
「おい、山田!」
片桐が礼央の腕をつかんだとたんに彼女の蛇蠍拳が決まった。これを人は八つ当たりという。
" ・・ "
さすがに病院の敷地内だけあってすぐに人がやって来た。何でもないと言い訳をしたがとりあえずバ
イタルチェックを受けた片桐は木陰に運ばれた。
"だせーの"
礼央は片桐に向かってつぶやいた。しかし片桐の事ではない。
よくわからないが自分に向けられた言葉のような気がする。
「 ・・っぱりあいつも好きなんだよな。うな田・・だったっけ?」
彼女をはっきりとライバルだと感じている礼央だった。
「あたし、負けてんのかなぁ・・」
ふと思う。
きっと普通の男子から見れば原田の方に分があると思うのだ。
女の子らしくてかわいくて、何より優しそうに見える。誰かがささえてやらないといけないみたい
な・・・そんな子だった。
"皇も普通の男子だろーな"
それは今まで感じた事のない敗北感だった。
"なさけねー"
礼央は思わず片桐の頭をポコンとたたいた。
「いってー!」
目をさました片桐の腕を引っぱりバス停に向う礼央の心はまだ不安定だった。
そしてバス停。
「あれ・・」
礼央は一瞬かたまった。
「あんたがどうして?」
そこには閃が手をふりながら待っていたのである。
「やっぱりまだ帰ってなかったんだな」
彼はニコニコしている。
「どうして?」
と、礼央が聞く前に閃がいきなりからんできた。
「ひでーじゃん! せっかく来てくれたのに」
「皇・・」
「まさか山田が来てくれるとは思わなかった」
「 ・・・ 」
ドキドキしてるのは礼央の心臓だった。
「おりゃ、ずっとおめーのことが気になってたんだじぇ」
だから片桐に山田の事を聞いたのだろう。
「どうして?」
礼央が聞いた。
「どうしてかなぁ」
閃は自分でもわからないらしい。
「じゃ、又来るよ」
礼央は明るく笑った。閃はその表情を見て嬉しくなった。
「山田ぁ〜っ、かわいいじぇ」
閃は礼央を引き寄せて額をくっ付けようとしたがやめた。
"照れる!"
閃はパッと手を離した。見ると礼央も赤くなっている。
「アホ!」
今度は閃に礼央の軽い突きが決まった。
「うわっ・・」
よろける閃をささえた片桐が思った。
"俺の存在は・・・"
かりにも1年生の間では恐れられ、一目おかれている存在なのにこいつらの前ではそうではない。
"ま、これはこれで悪くない"
とも思う。
「片桐」
今まで山田と話していた閃が呼んだ。
「送り狼になるんじゃねーじょ」
「バカ! 俺にこいつが襲えるわけねーだろ!」
2人を乗せたバスが去った後で閃はしばらくたたずんでいた。
"変なんかなぁ、俺"
今まで感じたことのない思いにとらわれながら閃はぼんやりと夕焼け空をながめていた。
"でも悪かねーじぇ"
閃は少し笑った。
心の中にひっかかっていた何かがなくなった。
" ・・なんだろうなぁ"
何かに納得して今度は声を出して笑った閃だった。
終