裏・激情編(2)
遅い昼を出前ですませた二人は沈黙の中にいた。
"いよいよだ・・・ボクは今からする!"
するってようは二人でする事だ。
「あの・・進藤、フロの用意をするから待ってて!」
そう言ってアキラは消えた。
"もう・・すごく緊張しちゃうじゃんか! フロだって・・、フロ・・あ、オレ、着替えのパン
ツ、持ってねーぞ! ストッキングも一枚だし・・そだっ、風呂場で洗って干しときゃナ
ンかしてるうちに乾くかぁ。今日は木綿じゃなくてナイロン製のだからな。最悪、はけ
ば体温で乾くぞ"
ヒカルはそんな俗っぽい事を考えながら居間にいた。
一方アキラはというと、フロの湯を入れる間に寝床の用意をしていたのだった。
寝床といっても泊まっていくわけじゃない。
背中が痛くならない程度でいいのだが、彼は真剣だったのだ。
"進藤は明らかに処女だ。出血があれば気にするだろう。中には出ない女性もいる
そうだが用心にこしたことはない"
彼は母のお雛様に使う赤い毛氈を引っ張り出してきた。
ティッシュは柔らかめで微香性のモノを用意した。
避妊具は高級品で極薄で強くて3段になっている"緒方オススメ"のものだった。色は
グリーンで・・
枕カバーはこの日の為に買っておいたピンクの綿レースのをかけている。
"万全だ・・・"
アキラはホッとため息をついた。
客室には赤い毛氈のシーツをかけたダブルの布団がある。ピンクの枕カバーが異
様であり、枕元のティッシュがいかに"やったるでー"って感じをかもしだしていた。
そう、どこから見ても変なのだ。
しかしアキラは大真面目だった。
風呂上りのヒカルは用意されたバスローブ1枚まとった姿で客室に入ってきた。
「うわ・・・!」
それがヒカルの正直な反応だ。
「塔矢・・これ・・お雛様のだろ?」
彼女が聞いた。
「うん・・・いや、それしか考えられなくて・・だって君は・・」
アキラの考えがわかったヒカルは頬を染めていた。
しかし毛氈はだめだ!
いくら女の子の象徴だったとしても無理がある。
「ありがと、でも外すよ、コレ」
それでも優しさや気配りの気持ちが嬉しいヒカル。
「それよりお前、フロに入ってこいよ。オレ待ってるからさ」
彼女は幸せそうな笑顔で言ったのだった。
そして・・・
バスローブを着たふたりが布団の上に座っている。
"おれ、パンツはいてねーけどこれでいいんだよな? どうせ、脱ぐんだから"
"ボクは緒方さんに連れて行ってもらったプロ相手にしかやった事がないけどちゃんと
できるだろうか? 女性の市は皆同じ所にあるんだろうな? まさか進藤だけ斜めに
ついてるって事はないだろうな? それとも●と〇が逆についているとか・・"
"まさかオレの胸、小さすぎるってコトねーだろうな? あ、ワキゲの処理をしてねーや!
ビキニラインもやばいかも? "
"ボクはほとんど初心者だ。でもボクが指導碁・・・じゃなくて局面をリードしていかな
くてはならないんだ"
"ああ、どうしよう? すっげー緊張してきた!"
"う・・・最初に唾液で湿らそうと予定してるのに緊張して喉がカラカラだ! でもボク
がはじめないといけないんだ!"
「進藤・・」
アキラがヒカルの両腕をつかむ。
「進藤、ボクは君を乱暴に扱うかもしれないよ」
彼は真剣な目をして言った。
「オレに気を使うなよ」
ニコッと笑ってヒカルが返す。しかし本当は心臓がヨサコイ踊りを踊っている状態だ
った。
「ああ」
その時すでにアキラの息子は成人していたのだ。
ちゃんと姿勢を正し、いつでもOK状態になっている。彼の息子は標準サイズでやや
硬め、それに小顔だった。
"う・・・"
突然息子が涙を流し始めた。
ねばっこい透明の涙だった。
"しめた! 唾液が出なくてもこれで充分かも知れない"
「好きだ・・進藤・・愛している!」
アキラの衝動は止まらない。
静かなくせに押しの強いモノを持っているアキラ。
しかしそれを全てヒカルは知っていた。
「後悔なんてしてねーから・・」
彼女は同意の上だからと言いいたいのだろう。
左手でヒカルの背中を抱いてそっと布団に沈ませたアキラは右手の指でVサインを
した。別に勝利の意味ではない。
ヒカルを開かせる為なのだ。
「愛しているっ!」
と、ひと言言ってからアキラは彼女に入っていったのだった。
アキラの頭の中に昨日行った研究会でかかっていたアニメ特番の主題歌が流れて
来る。
♪行け行け飛●馬〜♪
♪アタック〜アタック〜♪
その歌詞がアキラを勇気づけている。
「ああ・・・しんど・・・う・・・っ!!」
「いてーーーーーっっ!!」
「あ!」
ひゅるるるるるるぅぅぅ・・・・ ・・ポン!
早打ちだった・・・・・・・
しかも帽子を忘れていた・・・・
おまけに
"愛撫を忘れた・・・"
あせりまくるアキラに股を両手で押えて痛がっているヒカル。
しかしヒカルは誰とも比較できないのでこんなものだと感じていた。
「 ・・ごめん・・・」
とだけ言ってアキラはうなだれた。
しかし痛みをこらえてほほ笑むヒカル。それは愛のなせるワザだった。
「全然気持ち良くねーけどオレたちって結ばれたんだよな?」
ヒカルは何となく幸せになった。
それは失敗したとか感じなかったとかが関係のない純粋のものであり、二人だけの共
有する秘密の時間が持てたことに対する喜びだったのだ。
「もっと上手くなるからね・・」
ポソリとアキラが言う。
「オレも努力する! だからふたりでこっちの神の一手を極めようぜ」
ヒカルはそう言って笑ったのだった。
その笑顔に救われる思いのアキラ。
そして再びヒカルにかぶさっていくのだった。
そして2度目はどうなったのか・・・
それは二人だけの知る事であった。
終