美術関連の最新ニュース


ここでは、新聞等で報道された美術関連のニュースについて紹介します。 他に美術関連のニュースをご存知の方がいらっしゃいましたら、お知らせください。


高さ3メートルの立体像を紛失? 仏ポンピドー美術館

 近現代アートの世界的な美術館として知られるパリの国立ポンピドー・センターが どうやら大事な作品をなくしてしまったようだ。作品は高さ約2.7メートル、重さ 約100キロの立体像。こんな大作がなくなったのに3年も気付かなかったという。 芸術の国として自他共に認めるフランスだが、美術館の管理体制には意外にずさんな 面があるようだ。  行方不明になっているのは、仏出身で、国際的に著名な女性造形作家、ニキ・ド・ サンファルさんの「農村女性」。陽気で奔放な女性を表現したシリーズ作品「ナナ」 の中の代表作だ。


 作品の所在が最後に確認されたのは1996年の展示会。その後、倉庫に入れられ たはずなのに99年になって捜したが見つからないまま今に至っている。  作品のサイズから考えて、こっそり盗み出すのは難しい。センターは、4万900 0点の作品がある倉庫の中を今も捜し続けており、「紛失」と決まったわけではない としている。しかし、米カリフォルニア州に住む作者には、展示会のあと、片づける ために木枠のケースに入れておいたのを、過って壊し、捨ててしまった恐れが強い、 と説明しているようだ。

 作者は「あんな大きな作品がいったいどうやったらなくなるのか。官僚たちがさっ さと問題を片づけたがっているだけだ」と納得していない。  有力紙ルモンドによると、フランスでは美術館の所蔵作品の紛失はそれほど珍しい ことではない。97年に各美術館からほかの美術館や省庁に貸し出されていた約50 00の作品のうち約950点の所在が不明になっていたという。

破たん銀行の美術品、国立博物館が購入

 昨年五月に破たんした幸福銀行(大阪市)所有の美術品十二点を、東京、京都の両国立博物館が計約四億八千万円で購入したことが分かった。平安時代の書道家、小野道風の筆と伝えられる重要文化財の書跡も含まれており、貴重な美術品の散逸を防ぐ目的がある。公的資金が投入される破たん銀行の資産処分で、美術品を国が購入するのは珍しいケースだ。

 同行元社長の頴川(えがわ)徳助被告(73)(特別背任罪などで公判中)が理事長を務めていた財団法人「頴川美術館」(兵庫県西宮市)は、日本や東洋の美術コレクションで知られる。山林王だった頴川家は資産家で、頴川被告の先代が戦後に古美術の収集を始め、その作品を基に一九七三年、美術館が開館した。約五百点の所蔵品のほか同行所有の美術品も保管し、同行から管理費を受けて運営費の一部にあてていたが、同行破たん後は、職員を減らすなどリストラを行い、存続を目指している。 銀行所有分の美術品を金融整理管財人が売却することになり、まず、東京、京都の国立博物館が重要性の高いものを購入した。

 東京国立博物館が買ったのは、道風の筆とされる重文の「継色紙(つぎしきし)」(約一億五千万円)、奈良時代の経文と絵を組み合わせた「絵因果経断簡(えいんがきょうだんかん)」(約一億千万円)、中国・明時代の陶磁器「三彩金襴手龍濤文水注(さんさいきんらんでりゅうとうもんすいちゅう)」(約四千二百万円)など計十点。合計で約四億四千万円だった。また、京都国立博物館は、江戸時代の俵屋宗達(たわらやそうたつ)筆の絵画「伊勢物語図」など二点を計約四千万円で購入した。 その後、日本の書跡や工芸品、絵画などが都内のオークションにかけられ、少なくとも六十数点が民間業者などの手に渡った。

 幸福銀行は来年二月、米投資会社「WLロス・アンド・カンパニー」を中心とする投資グループに譲渡されるが、債務超過額は少なくとも約四千数百億円にのぼり、公的資金で補てんされる。今回の美術品の売却代金の一部は、この債務超過の穴埋めに回される。 東京国立博物館では「美術品が民間に散逸すれば、その後、行方を追跡することは困難で、海外流出する恐れもあった。日本の文化遺産として保護すべき作品を購入できたと思っている」とし、「展覧会で公開することで国民に還元していきたい」と話している。

岸田劉生の麗子像、3億6000万円で落札

 日本の近代西洋画の巨匠、岸田劉生(1891―1929)が長女をモデルに描いた傑作「毛糸肩掛せる麗子肖像」(1920年)が2日、東京都千代田区のホテルで開かれたオークションに出品され、3億6000万円(手数料含まず)で落札された。 主催したシンワアートオークション(本社・東京)の山村昌康社長は「国内のオークションで、日本人画家としては過去最高の落札額。大変うれしい」と語った。落札者は広島県の住宅建材会社、住建産業(中本利夫社長)で、同社が設立した住建美術館(同県吉和村)に展示する予定という。出品者は不明。

 「毛糸肩掛せる麗子肖像」は、翌年に描かれた「麗子微笑(青果持テル)」(東京国立博物館蔵、重要文化財)につながる作品で、劉生が画家として最も充実していた時期に描かれた。事前の最高落札予想額は3億5000万円で、それを1000万円超えた。

岸田劉生の「麗子像」がオークションに 3億円前後か

 日本の近代西洋画の巨匠、岸田劉生(1891―1929)が長女をモデルに描いた傑作「毛糸肩掛せる麗子肖像」が12月2日、東京都千代田区のダイヤモンドホテルで開かれるオークションに出品される。企画したシンワアートオークション(本社・東京、山村昌康社長)によると、落札予想価格は2億5000万円から3億5000万円。国内のオークションで、このような大作が取り扱われるのは珍しい。


 「毛糸肩掛せる麗子肖像」は1920年作。「劉生日記」によると、「肖像の中ではやはり一番いいものの気がする。しかし、まだまだだ」と記されている。翌年、同じような肩掛けをして、神秘的な微笑をたたえた麗子を描いた「麗子微笑(青果持テル)」(東京国立博物館蔵・重要文化財)に直結する作品で、劉生が画家として最も脂の乗った時期に描かれている。

 日本では、絵画などの美術品は画商を通した取引が中心だったが、近年、公開の場所で一般の人々が自由に価格を決めるオークションは少しずつ定着しはじめている。今回の作品が予想価格以上で落札されれば、同社が扱った絵画としては過去最高落札額となる。

第10回吉田秀和賞にフェルメール研究の小林頼子氏

 第10回吉田秀和賞(主催・吉田秀和芸術振興基金)が17日、美術史家の小林頼子氏に決まった。対象作品は「フェルメール論〜神話解体の試み」(八坂書房)と「フェルメールの世界―17世紀オランダ風俗画家の軌跡」(日本放送出版協会)の2作。贈呈式は11月18日、水戸市の水戸芸術館で。

 小林氏は1948年、山口県生まれ。慶応義塾大大学院博士課程修了。優れた歴史観でフェルメールの独創性を浮き彫りにし、真贋問題にも鋭く切り込んだ点が評価された。

ダリの絵画、無断複製で賠償命令

 スペインの画家、サルバドール・ダリの絵画をめぐり、著作権を管理する契約を結んでいたオランダの法人が、展覧会を開催した広島、山梨両県や北九州市、デパート3社などを相手取り、損害賠償などを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。森義之裁判長は同法人に著作権があることを認めた上で、「自治体などは調査、検討を怠り、著作権を侵害した」などとして、総額約680万円の支払いや複製絵画の廃棄などを命じた。

 判決によると、展覧会は98年から99年にかけて、山梨、広島の両県立美術館や各デパートの展覧会場などで順次開催され、会場で複製絵画などが販売された。オランダの法人は、1986年にダリとの間で締結した著作権の譲渡契約を踏まえ、「許可のないまま複製絵画などを販売され、損害を受けた」と提訴。これに対し自治体などは、「89年のダリの死亡で、著作権譲渡契約は終了した」などと主張していた。

「モネのスイレン」高知で花開く

フランスの印象派画家クロード・モネ(1840―1926)の愛した自宅庭園を再現し、4月に開園した高知県北川村の 「北川村『モネの庭』マルモッタン」で1日、スイレンが青い花を咲かせた。 フランス・ジベルニー村にある「モネの庭」の管理責任者に勧められ、フランスの水生植物園から取り寄せた9株のうち2株が開花。水面から伸びた茎の先に直径約10センチの花をつけている。 モネは多くのスイレンを描き続け、代表作になっているが、本家の庭に青いスイレンはないという。「モネが夢にまで見て、咲かせられなかった花。大切に育てたい」と関係者。

ナチ略奪絵画、英政府の肝いりで遺族に返還 62年ぶりに

英王立美術院で展示されていたドイツ・バイエルン州立美術館所有のナチス略奪絵画が13日、元の持ち主の家族に62年ぶりに返還されることが決まった。今回の返還決定は、英政府が今月から開始したナチス・ドイツに略奪された絵画の返還事業による初の成功例となった。

 この絵画はドイツ人画家のレオポルド・フォン・カルクロイスによる1898年作の「人生の3つの段階」。第二次大戦前はウィーンに住み、現在は英国在住のエルネスト・グランビレさん(75)と妹のマリエッタさん(70)の祖父が1924年、兄妹の母親の結婚祝いとして贈ったが、38年にナチスに奪われた。ユダヤ人として差別を受けた家族は英国に逃れた。その後、グランビレさん兄妹が返還を求めていた。

 英政府の略奪絵画鑑定委員会の調停でバイエルン州立美術館側が返還に同意した。グランビレさん兄妹は13日の記者会見で「美術館に行かなければ見ることができないとあきらめかけていた。母の形見が戻ってきてうれしい」と涙を浮べて語った。

 略奪絵画の返還運動は欧米40カ国で進められている。英政府は今月から国内の絵画約350点を略奪の疑いのある絵画に指定し、所有者特定のための鑑定と返還調停を始めている。 [毎日新聞3月14日]

ルーベンス作の肖像画、ナチスの略奪品ではない=メトロポリタン美術館

 [ニューヨーク 14日 ロイター] 米ニューヨーク・マンハッタンにあるメトロポリタン美術館は、所蔵するバロック画家ルーベンスが1597年に制作した肖像画について、ナチスがユダヤ人画商から略奪したものではないとする声明を発表した。

 同美術館によると、76年前に発行されたドイツの美術誌「Jahrbuch der Preuszischen Kunstsammlungen」に、当時米ニュージャージー州ニューアーク在住のヘンリー・ブランク氏がこの絵を所有していたとの記述があるという。

 この絵は、「Portrait of a Man, possibly an Architect or Geographer」とのタイトルが付いている。

ロサンゼルスのゲティー美術館、ナチス略奪品か所蔵品を調査へ

 [ニューヨーク 16日 ロイター] ロサンゼルスのゲティー美術館が、所蔵している作品について、ナチスに略奪されたものであるかどうかの調査を行う。  同美術館の広報担当は、問題点のある作品はリスト化して3カ月で公表するとしている。  専門家によると、1933年から1950年後半にかけて欧州にあった美術品は、ホロコースト犠牲者から略奪された可能性も高いという。

ロボット介して美術鑑賞 人間の「感性」探る

 筑波大学芸術学系の原田昭教授(生産デザイン)や機能工学系の油田信一教授(ロボット工学)らのグループが、ビデオカメラを搭載したロボット「CAPROS」をインターネットを通じて遠隔操作し、本物の美術館の作品を鑑賞できるシステムを開発した。鑑賞データを基に、「いい絵だな」というような評価を下す人間の「感性」のメカニズムを探るのが目的だ。今秋までにはネット上で公開する。

 ロボットは台座に付けた3つの車輪で移動し、高さ140センチの支柱の先に積んだカメラで館内を写す。茨城県つくば市の県つくば美術館であった予備実験で一般の鑑賞者に交じって館内を動き回り、操作側に鮮明なカラー画像を送ることに成功した。

 原田教授らは、人間が美術作品を評価する際に感性が働くと考え、そのメカニズムの解明に取り組んでいる。しかし、感性は感覚や感情、情緒などを含んだあいまいな概念で、計測しづらい。そこで開発したのが遠隔操作ロボット。操作する人間が見た作品やその個所、鑑賞時間などの情報を蓄積し、どんなところが評価されたかを分析する。

 インターネット上で公開することで不特定多数のデータが収集でき、地域や文化による違いも見つけられるという。原田教授は「データから一定の傾向や規則性が見つかれば、感性を意識した芸術デザインの制作に役立つ」と期待している。

オーストリアの画家フンデルトバッサー氏死去

 フリーデンスライヒ・フンデルトバッサー氏(オーストリアの画家・建築家)は19日、住居のあるニュージーランドから欧州に向かう客船上で、心臓まひのため死去、71歳。ウィーンの事務所が21日発表した。 ウィーン生まれで、本名フリードリヒ・シュトバッサー。自然との共生をテーマに独創的な建築物や絵画を数多く発表。建築家としては直線的で合理的な近代建築を否定し、「自然環境に直線や同一物はない」と曲線を多用した。色彩感にあふれた市営住宅やごみ焼却場、教会などのデザインを手がけた。夢にあふれた建築はウィーンの観光名所として人気を集めた。

 浮世絵にも関心を持ち、ドイツ語の画名をもじった「百水」という日本語の号を持つ親日家でもあった。最近は大阪市が同市舞洲に建設中のごみ焼却場をデザインし、話題になった。

安田火災の「ひまわり」は本物 ゴッホ美術館がお墨付き

 この「ひまわり」は7連作のうちの1つ。1987年に安田火災海上保険が58億円で購入した。10年後に、欧州でゴッホ作品の多くが偽物だとの指摘が出て、騒ぎとなった。安田火災の「ひまわり」もその1つとされた。

 だが今回、チューリヒ在住の美術史家ローランド・ドーン氏が、安田火災とロンドンのナショナル・ギャラリー、ゴッホ美術館の「ひまわり」3点を比較したところ、色彩や構図に関連がみられたことから、本物と鑑定した。

東京・池袋の東武美術館閉館へ

東京・池袋の東武美術館が、来年3月で閉館することが決まった。東武グループ全体の不採算部門見直しの対象になった。閉館後の跡地利用は未定。

同美術館は、東武鉄道と東武百貨店が共同出資した株式会社として1992年6月に開館、池袋駅や東武百貨店につながるビルの1階から3階までを使っているが、出入り口や空調を百貨店から独立させ、この特性をいかし、「エルミタージュ美術館展」を皮切りに西洋の名画の紹介展や日本・東洋の古美術展を中心に開催してきた。閉館したセゾン美術館が現代美術中心だったのと好対照で、共に都心の美術館として親しまれた。

ピサの斜塔を真っすぐに見せます

 【ローマ3日=西田和也】茨城県日立市の高校教諭で、現代美術作家の高橋睦治さん(52)らが提案した、イタリアの「ピサの斜塔」をまっすぐに見せるプロジェクトが、ピサ市の二〇〇〇年記念イベントの一つに採用され、二日に正式発表された。

 このプロジェクトは、斜塔前の広場に斜塔と同じ斜度を持つ「もう一つの地表」を造り、人々にこの地面に乗ってもらうことで、目の錯覚を利用して斜塔を垂直に見せるというもの。ライト・アーチスト海藤春樹さん(52)による斜塔や城壁を舞台にした光線の芸術とともに、来年九月に実施される。高橋さんは二日、ミラノでの記者会見で、「中世の建造者が夢見た垂直な塔を芸術として実現し、過去と未来をつなぐプロジェクト」とその意義を説明した。

 高橋さんはこれまで、ピラミッドの稜線から二キロの白線を引いたり、オーストラリアの砂漠で、奇岩の周りに枯れ山水の庭園を表現し、大規模な野外芸術を手がけてきた。今回の作品は、三部作の完結編となる。

岡本太郎美術館がオープン

故岡本太郎氏の作品を集めた川崎市岡本太郎美術館が30日、同市多摩区の生田緑地内で開館した。大阪万博のモニュメントで代表作の「太陽の塔」の原型など約290点を展示した開館記念展「多面体・岡本太郎」に、さっそく多くの美術ファンが詰めかけた。

美術館では、市内の複数の和菓子店がそれぞれ開発した創作菓子「TAROの夢」や記念グッズが販売された。一方、美術館建設に反対して市を相手に住民訴訟を起こしているグループのメンバーが集まり、来館者に「この美術館建設はアセス条例違反だ!」などと書かれたビラを渡していた。

フェルメール展のホームページが開設

 来年4月4日から大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開催される日蘭交流400周年記念特別展覧会「フェルメールとその時代」の情報などを盛りこんだウェブサイト「ヨハネス・フェルメール」が11月1日に開設される。

 本展覧会の企画を担当している財団「ハタ・ステフティング」(秦新二代表)が作成。内容は、展覧会情報を核に3〜6項目を設定。「青いターバンの女」など出品作品の紹介や、フェルメール研究の世界的権威で本展の総監修者の米・ワシントン・ナショナル・ギャラリー学芸員、アーサー・ウィーロック博士による解説が入っている。

また、「デルフトの街を歩こう」では、フェルメールが生涯を過ごしたオランダ・デルフトの街並みをビジュアルに再現している。今後は、フェルメールやデルフト派に関する論文も掲載し、展覧会前には関連イベント情報なども盛り込む予定。

アドレスは、http://www.johannesvermeer.com

フランス人現代画家ベルナール・ビュッフェ氏が自殺

力強い線描と鮮やかな色使いで日本でも人気のフランスの現代画家、ベルナール・ビュッフェ氏が4日、フランス南部トゥルトゥールの自宅で自殺した。71歳だった。現地からの報道によると、アトリエに通じる廊下で袋をかぶって倒れていた。窒息死とみられる。最近はパーキンソン病で悩み、生きる気力をなくしていたという。

1928年、パリ生まれ。在学中から才能を認められ、第2次大戦後、抽象派に対抗する具象絵画の旗手としてもてはやされた。20歳で若手芸術家の登竜門といわれるクリティック賞を受賞。独特の黒く太い線で描かれる画風は、現代の孤独や不安を表現したと評価された。代表作は51年の「むち打ち」など。

日本にも度々訪れ、歌舞伎を題材にした作品ががある。63年には国立近代美術館で回顧展が開かれた。静岡県長泉町にはベルナール・ビュッフェ美術館がある。

上野に美術館ネット化構想

東京芸術大学(東京・台東区)が収集してきた作品を展示した同大学美術館が五日、オープンした。十二日には東京国立博物館の平成館も開館。東京・上野にネットワーク化して巨大文化ゾーンにという構想も持ち上がっている。同大学美術館は、五日午前十時から一般公開された。一八八七年の学校創立以来、収集してきた作品は四万五千点。開館を祝う「芸大美術館所「悲母観音」、高橋由一「花魁(おいらん)」などの近代日本の名品計約百五十点が並び、訪れたファンの目を楽しませた。

一方、東京国立博物館では、今年七月、法隆寺宝物館が改築オープンしたのに続き、十二日には、平成館が開館する。計四千六百平方メートルという大きな展示室は壮観。日本美術と金銀の深いかかわりをたどる開館記念の「金と銀」展でお披露目される。

上野では昨年来、国立西洋美術館、国立科学博物館の増築も続き、東京都美術館などの既存施設を加えると展示総面積は計五万六千平方メートルと、パリ・ルーブル美術館に迫る規模になる。

国立西洋美術館の高階秀爾館長は「共同イベントなどのネットワーク化を進めるべきだ」と訴え、各施設の配置が、コの字型のルーブル美術館と似ていることから、「各館を地下で結び、そこに憩いの場となるカフェや店舗などを作るような街づくりができないか」と提案。上野の文化施設や関係団体のトップなどで作る「上野の山文化ゾーン連絡協議会」(平山郁夫会長)も今後、この提案を研究することにしている。

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