山本vsグース番外編

山本氏が九郎政宗氏に宛てた手紙
http://d.hatena.ne.jp/claw/20041028#p3

九郎政宗様

 下記のメール、転載していただいてもかまいません。

 メールをいただき、ひさしぶりにグース氏のサイトを見て笑ってしまいました。
「山本先生の挑戦状」って何ですかあ?(笑)
http://www.geocities.jp/nankin1937jp/page031.html

 あの文章をどう読めば「挑戦状」と解釈できるんでしょうか? こっちは議論す
るつもりなんかまったくないって断言してるのに。

 どんな文章でも自分に都合よく解釈できる人なんだなあと、あらためて感心……
いや、あきれてしまいました。いやまったく、まともに相手しなくて正解。
「本宮ひろ志事件」ですが、僕はその作品を読んでおらず、新聞報道(ちなみに我
が家は産経新聞です)を読んで、「百人斬り事件を事実であるかのように書いちゃ
ったのか」と勘違いしておりました。「百人斬りを想起させる描写」だったんです
ね。

 作者自身、「一本の刀でどうやって百人斬れる」とツッコんでるんだから、百人
斬り報道は事実ではないと認識しているのは明らか。抗議している人たちは、「報
道された百人斬り」と「現実にあった捕虜の斬殺」を故意に混同しようとしている
気がします。

 さらにグース氏の文章を読んでいたら、こんなのも、
http://www.geocities.jp/nankin1937jp/page049.html

> 次に有名なのは『「南京事件」日本人48人の証言』小学館文庫です。これは
>全員実名で登場しています。当時南京にいた報道関係者の証言も掲載されていま
>す。インタビュー形式で、質問の内容と回答が併記されており(当たり前ですが)、
>学術的な価値は高いと言えます。

 人間の記憶というのはあてにならないもので、戦後何十年も経ってからのインタ
ビューが「学術的な価値は高い」とは言い難いと思うのですが、それはともかく、

 この『「南京事件」日本人48人の証言』の中にも、ちゃんと虐殺の目撃証言は
出てくるんですよ。27・51・119〜121・194・276ページに。あと、直接の目撃では
なく伝聞なら、54・98・112・282〜283ページにあります。

 中には捕虜を数人ずつ並べて銃剣で突いたとか、刀で首を斬ったという話も出て
きます。ですから本宮氏の「百人斬りを想起させる描写」は、まったくのウソとは
言えません。「競争」があったかどうかはともかく、似たようなことは確かにあっ
たと、グース氏自身が「学術的な価値は高い」と書いた本に出てくるんですから。

 それと、民間人が兵士と間違われて連行されたという話も、(伝聞ではあります
が)261ページの重村実大尉の証言に出てくるんです。

>「(前略)中には指摘された者の家族が、うちの人は兵隊ではない、ということも
>あったようです。また、新聞記者から聞いた話ですが、新聞社で使っていた中国人
>が連れて行かれたので、憲兵隊にそのことを言って、危うく助けてもらったという
>ことです。いいかげんに連れていったことがあったようです。

 あったんじゃんか!
 やっぱり隠してるじゃんか、あんた!
 重村氏の証言にはさらに続きがありまして、

> まだ上海にいた時のことですが、一度こういうことがありました。陸軍の兵隊が
>支那人をつかまえてきましたので、どうするんだときくと、怪しかったらやります
>と答えてました。どうして怪しいのがわかるのか、と聞くと、面構えでわかると言
>ってました。

 面構えで判断してたんかよ〜!

 生まれついて顔つきの悪い人は、それだけで殺されちゃってたんですな。かわいそ
うに。

 もっとも本宮氏にも落ち度はあります。出所の怪しい写真や資料を元にマンガを
描いちゃったのは軽率で、その点は非難されてもしかたないでしょうね。
(もっとも、それを言い出したら、小林よしのりのマンガはどうなるんだって思い
ますが(笑)。大井満『仕組まれた“南京大虐殺”』なんていうデタラメだらけの
本を元に『戦争論』を書いてたりしますから)。

 ちなみに『神は沈黙せず』の場合、角川書店から、文中で使用した全資料の提出
を求められました。実際に資料にそんなことが書いてあるかを、逐一チェックされ
たんです。その際、一部に人名などの誤記があったのが発見され、訂正しましたが、
それ以外は問題ありませんでした。

 微妙な問題だけに、それだけの配慮が必要なんでしょう。集英社にはそうしたガ
ードの甘さがあって、そこにつけこまれたんだと思います。

 ヴライク・イオネスク(これが正しい表記です)の『ノストラダムス・メッセー
ジ』については、『トンデモノストラダムス本の世界』(洋泉社/宝島社文庫)で
取り上げました。オカルト本の訳者は、単にお仕事でやってるだけの人も多いんで
すが、竹本氏の場合、どっぷりイオネスクに心酔しているのが印象的でした。

 だから『再審「南京大虐殺」』を読んだ時も、「あるトンデモ説にハマる人は、
別のトンデモ説にもハマりやすいんだなあ」とあきれてしまいました。本の内容も、
東中野教授の本の二番煎じで、ぜんぜん新味ありませんでしたし。

NNNNNNNNNNNNNN
    山本 弘
    xxxxxxxxxxxx
(九郎註:原文では↑ここにメールアドレス有り)
NNNNNNNNNNNNNN

 

これに対するグースの反論
http://8411.teacup.com/minzokuisyou/bbs

48人の証言 投稿者:グース  投稿日:10月28日(木)16時38分1秒

>この『「南京事件」日本人48人の証言』の中にも、ちゃんと虐殺の目撃証言は
>出てくるんですよ。

 当HPでも「48人の証言」から引用してありますように、市民の大量殺害を
見た方は一人もいませんが、敗残兵や便衣兵の処刑は目撃者がいます。
 南京で処刑が一件もなかったと主張している方はいないと思いますが(笑

(1)虐殺の目撃者はいるか?
http://www.geocities.jp/nankin1937jp/page005.html

>ご自分で”この両資料を比較すると大きな矛盾点はほとんどありませんから、互いに
>支えあって互いの史料価値を高めているということができます”と言っているのに
>一冊の本の中でも自分の都合の良い資料は信じることができて。
>都合の悪い資料は信じることができないとなるのでしょうか?
 
 『南京事件日本人48人の証言』は”一字一句間違いが無い”ということではありませんが、
全体としてみれば当時の南京の状況をよく現していると思います。

誤認処刑の規模 投稿者:グース  投稿日:10月28日(木)16時52分51秒

>それと、民間人が兵士と間違われて連行されたという話も、(伝聞ではあります
>が)261ページの重村実大尉の証言に出てくるんです

 誤認もあったでしょうね。誤認規模については以前このページで考察しています。
 そもそも誤認が0だったと主張される方はいないと思います(笑

http://www.geocities.jp/nankin1937jp/page042.html
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以上、スマイス調査とボートリン史料を比較してみました。「兵士ではない市民」が連行されたと数値としては約1000人という史料が参考になるでしょう。30名は釈放が確認されています。また上海方面に労働力として送られた可能性もあるので、この1000人がすべて処刑されたとは限りません。
釈放嘆願が行われた1000人中には、安全区への中国軍流入を阻止しなかった中国人警官や、兵士を匿ったものも含まれると考えられます。また、家族が兵士ではないと虚偽の申請をした可能性もあるので、摘発1万人に対する誤認処刑率は数パーセントと推定されることとなります。
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