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Widows95

ジェット機のパイロットになることを夢見ていた太郎少年は、なぜかいつしかパソコンのゲームソフト屋になっていました。だいたいが大雑把な性格である彼は、なにかにつけ「ま、いいか」と言うのが口癖でした。それで人は彼のことを「ま、いいかの太郎さん」、略して「まい太郎さん」と呼んでおりました。

ちょっといい男のまい太郎さんは、年上の女の人に結構もてるのでした。町内の何人かの後家さんとねんごろになったりもしました。

そんな経験を生かして、まい太郎さんは、1本のゲームソフトを作りました。いろんな手練手管を使って、どれだけ多くの後家さんを陥落させられるを競うゲームでした。95人の後家さんが登場するそのソフトに、まい太郎さんは英語の名前を付けることにしました。その方が売れ行きがいいからです。辞典で「後家」を引くと、「widow」と出ていました。それでそのゲームに「Widows95」という名前を付けました。

まい太郎さんは1人で小さなソフトの会社を作り、そのゲームソフトを売り出すことにしました。会社の名前は、自分の通称にちなんでマイタロソフトと名付けました。小さいときから大空にあこがれていたまい太郎さんは、青空に白い雲をデザインしたパッケージにそのソフトを入れて、マイタロソフトWidows95として売り出しました。

マイタロソフトWidows95は飛ぶように売れました。苦情の電話もじゃんじゃん掛かってきました。バグがいっぱいあったからです。まい太郎は必死で応対しました。

ある日電話を取ると、男の声が自分はビリ・ケーツだと名乗りました。そして、まい太郎のゲームソフトのことを、便乗商品だと非難しました。まい太郎は、後家さんで、いやそのゲームを開発するのにどれだけ苦労したか、会社を興すのにどれだけ苦労したか、パッケージのデザインにどれだけ苦労したかを訴えました。バグで苦労していることは黙っていました。

ビリ・ケーツは、納得するどころか更に怒り狂って、同じようなソフトを雑誌の付録に付けて無償配布してやる、と脅かしました。そして、そんなに苦労した、苦労した、と言うのなら会社の名前を「まい苦労ソフト」にでもすればいいだろうと、叫んで受話器を電話にたたきつけました。

それで、まい太郎さんは製品名をマイクロソフトWidows95に変えようかと考えています。そのときには、後家さんを好みに合わせてカスタマイズできる、Widows95 Plusも発売する予定です。(おしまい)

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(注意)上の文中において、実在の人物、製品、会社名とのいかなる類似も単 なる偶然に過ぎません。