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ケンが直接家に来る理由は、決まっている。昨晩の結果や世間話と言うのは、仮にしてもそんなものは、メインではない。本題は、何時もの事であるが、必ず誰かを殺せと言った事だ。だから、私は、 「で、今日は、誰を殺せば良い?」 と直接聞いた、するとケンが、 「おいおい、焦るなよ!それにそんな物騒な事を言うでない!そうそう、昨晩の事だが、さすがに見事だな!頭を綺麗に打ち抜いていたそうだ、つまり即死だ・・・。まあ、お前がミスる事など無いだろうが・・・。」 と言った、だから、私は、 「どっちが物騒なのか・・・。そう、やっぱり、頭に当たったんだ・・・。狙ってたからそれ以外の所のはずが無いんだけどね・・・。私、当たった所見たこと無いから・・・」 と言ったら、ケンが、 「ふぅ・・・ところで昨晩、あれからすぐにビルを出たのか?」 と聞いてきた、ケンは、終わった暗殺には、結果だけでその他の事は口には出さないのだが、今日に限って、昨晩の事を口に出した。となると、昨晩何か有ったのだろうか・・・? 「はい、現場からはすぐに立ち去りましたが・・・何か・・・?」 と私は聞いたら、ケンが、 「いや、どうも警察からその例のビルから出てきた不審な人影を見たと言う情報を聞いてな。その人影が、お前なら・・・手を打たねばなるまいと言うわけだ・・・。」 と言った、手を打つとは、おそらく、その様な目撃は、無かったと言う風に変える事だろう。私は、 「その目撃した時間は?」 と聞いてみたら、ケンが、 「標的が死んでから、30分も経ってからだそうだ。一応聞いておくが、お前は、鉄の筒を撃ってから何分でビルから出た?」 と聞いて来たので、私は、 「30分後なら、私は、もう、あの現場からいませんね。帰りの道を走っていた頃じゃないかな・・・。」 と言った。 30分なんて、現場に留まるはずが無い!私は、撃った瞬間に片付けて、そのまま、ビルから逃走したのだ。その間10分も経ってはいない。その様な訓練はつんだ。そんな事、ケンが一番良く知ってるじゃないか。 私の言いたい事が伝わったのか、ケンが、 「すまんすまん、お前がそんなドジを踏むわけが無いよな・・・。では、一体誰なのだ・・・。まあ、そいつに全部罪を被せてしまえば良いのだろうけど、何者か分からないようでは・・・。」 と言って、懐から、タバコを取り出した。 私は、タバコの煙が大嫌いだ、理由は色々有る。特にあの臭いが服に染み付くのがどうしても我慢できないので、 「ケン!タバコを吸うなら、どうか外で吸ってくれませんか?」 と言ったので、ケンは、 「あっ、すまん・・・アキナは、嫌いだったな・・・」 と言って、タバコをしまった。 さっさと用件を済ませて欲しいと思う私は、更に、 「ところで、今日は、どのような用件で来られたのでしょうか?また、誰かを仕留めれば良いのでしょうか?」 とどうせそんな理由で来たんだろうと言う風な感じでケンに問いただした。するとケンは、 「用件?いや、今日は特に無い・・・。昨晩の結果報告とそれを誉めに来ただけだ。後、せっかく何も無いなら久しぶりに我が子の顔でも見たくてな。」 と言ったので、私は、 「"我が子"?確かに私は、ケンに拾われ育てられたけど、親にしては、あまり年齢が離れてないのが気になるね。そんな歳で"我が子"は、ちょっとこっちもひく・・・。」 と言ったら、ケンは、 「確かに、俺と君では、十そこらしか離れてないしな・・・。拾ったと言っても結果的に拾ったって感じだが、君は、ある施設から逃げて来た、行く所も無く食べる物も無いと言った状態だった、たまたま、俺が君と出会う事が出来たから、君は俺の家に転がり込んだと言う感じだったな。俺もまだ二十をちょっと過ぎで働いて間もない人間だった所に育ち盛りの10歳行くか行かないかの子が来たんだから大変だった・・・。」 と言った、そう、私は、確か、10歳の時、ある施設を抜け出した。それは、親がいない子供達が入る施設だった。その暮らしが嫌で私は、抜け出した。そして、この街に来て、この人、ケンに出会ったのだ。彼は、こんな私を家に入れてくれた、それだけじゃなく、私がどのようにして生きれば良いのかも教えてくれた。だから、彼は、私にとっては、たった十歳そこらしか離れていないとは言え、私の"親"と言える資格を持っている。 親は、施設に入る1年ぐらい前に事故で亡くなったそうだ。その結果、施設に入ったのだが・・・。 「アキナが、不信がるのも当然か・・・俺がここに来る理由は、必ずと言って良いほど例の事だからな。けど、今日は、本当に何も無いからね!」 と言った。どうも、ケンは、本当に私に会いに来たらしい。だから、私は、 「そうですか・・・ところで、ケンは、何か食べてきました?」 と聞いた、そう聞いたのは、私は、昨日の昼から何も食べていなかった為、非常にお腹が減っているのだ。とりあえず、家に有る物で一時しのぎをするとしますかと言う感じだ。すると、ケンは、 「朝はもう既に食べて来た、昼ならつきあおう!」 と言った。私は、 「それは、ありがたいです。では、昼は、ケンの奢りという事で・・・」 と言って、一人、テーブルに置いてあった、パンをつまんだ。一体何時買って置いておいたのだろうかという疑問は有ったが、まだ、食べられるのだからこの際気にしない。 そして、やっぱり、朝は、これが無いとと言う事で、コーヒーを作る準備をした。 「ケンも飲みますよね?」 と言ったら、ケンは、 「俺はいい・・・ところで、先程、昼は、なんと言った?」 と聞いて来たので、私は、 「へ?ケンの奢りじゃ無いんですか?」 と聞いた。するとケンは、 「俺だって、給料前で余裕無いんだぞ!アキナ・・・」 と言った。私は、 「私だって、給料前ですよ!でも、ここは、出来の良い部下に労いを込めてとか、"愛すべき娘"に対して・・・」 と言ったら、ケンは、 「う〜ん・・・まあ、仕方が無いか・・・けど、高い所は駄目だからな!」 と言い、そして、 「だが、最後の"愛すべき娘"は・・・ちょっとな・・・やはり、アキナと俺とでは、歳が・・・。」 と言った。 |