ある雨の日・・・

 

 

「我々の国は、近辺諸国よりも弱い!ならば、その諸国よりも強力になるべきである!さもなければ、我々には、"繁栄"の二文字は無い!その為にも軍備を更に強化すべきである!!!そして、我々こそ覇者になるべきである!!!」

外では、街宣カーがスピーカーを大音量にして走っている。それを、私は聞いたが、事実それしか道が無いとは思えない。向かいに座っている彼、スピアなどは、首を傾げている。そして、

「どうして、そのような結論になるんでしょうかねぇ。あの政党は・・・。最初から攻める為に軍備を整えようとしてますし・・・。」

と言ってきたので、私は、

「確かに・・・そうですね。私もあの考えには納得はいかないのですよ。」

と言ったら、彼は、目を輝かせて、

「そ、そうですよねぇ!?それに、この国自身、さほど弱い国家じゃないんですよ!確かにその近隣諸国が一斉に攻めてくると言う事が有れば話は変わりますけど、そんな事はまず有りえないですし。一国や二国とやり合っても、自衛ぐらいは、出来る軍備力はあります。けど、彼らは、それ以上の戦力が欲しいわけです。でも、国を制圧する軍備力なんか実際は既に備わってるんですけどね。自衛の方が敵の国に攻めるより難しい事ですしね。」

と言った。やっちゃったようだ。私の一言で彼を乗せてしまった。いきなり、私にとっては難しい話をし始めた。このまま、ほって置くと延々としかねないから、私は、

「ところで、まだ聞いてなかったのですけど、どんなお仕事をやっておられるのですか?」

と聞いてみた、すると彼は、

「えっ僕ですか?」

と言った。私は、当然と言う感じで首を縦に振った。すると彼は、小声で、

「僕は、あまり、この辺で言いたくは無いんですが、先程の街宣とは逆の考えを持っている党の一員です。と言ってもまだまだ下っ端ですけどね。」

と言った。なんだ、彼は政治関係の仕事をしているのか・・・。ちょっと待てよ。何処の党の人間だろう。あの街宣の内容と反対の事を言っている党は、ケンから聞いている限り、かなり多い。特に、名前は聞かされてないが、ある党、つまり、私が先日引鉄を引いた人間の党を敵視している様な事を言っていたように思う。だから、私は、

「その党って、先日ニュースで流れていた・・・暗殺された人の党じゃないですよね?」

と聞いてみた。すると、彼は、急に暗い顔つきになり、

「・・・その党だ・・・。あの人は、僕にとって色々と教えてくれた人だったんだ。それを、誰かは知らないが・・・。」

と言った。そして、私を見た、それは怒りの顔つきだった。私は、人が怒る顔つきなんて初めて見た。でも、それが人間の怒りなのだと直感的に分かった気がした。その顔を見て私は、思わず、

「ご・・・ごめんなさい・・・」

と言っていた。私は、人が亡くなるのにこれほどの怒りと悲しみがあると言う事を初めて見た。そう、ニュースなんて見てない。その人をやったのは私だ・・・。その懺悔ではないが、何故か私は、謝罪の言葉が出てしまった。

すると、彼は、その話題になった事を謝罪したと思って、

「いいや・・・。ごめんね。別にアキナさんが悪いわけじゃないのにこんな思いをさせて・・・。」

と言った。

 

私達は、そのまま、会話が無くなり、その後、別れる事になった時、彼がいきなり口を開いた。

「今日は、楽しかったです。途中嫌な思いをさせてすいませんでした。」

と言ったので、私は、

「こちらこそすいません・・・あんな話しするべきじゃなかったです。」

と言った。すると彼は、

「ここには、明日、この地域である、各党の代表が集まるパーティーが終わるまでいます。また、会えると良いですね。」

と言ってきたので私は、

「ええ、そうですね・・・」

と言った。そう言えば、ケンから、明日の会合は、各党の代表が集まる云々って言ってなかったかなぁ。と言う事は、明日、彼と会う可能性が出てきたな。このまま、別れて明日となると少しまずそう。だから、私は、

「・・・実は、その会合・・・私も出席する予定なんです・・・。」

と言った、すると、彼は、少し驚いて、どう言う事と聞いてきたので、私は、

「実は、兄がそのある党の関係者でして、それの付き添いと言う形で参加して欲しいと頼まれまして・・・。」

と言った。勿論、兄とはケンの事。まさか、全部暴露するわけにもいかないのでこのように誤魔化した。すると、彼は、

「そ、そうなんですか・・・。これは、また、変な事になりましたねぇ。・・・まあ、明日またお会いできるのだから・・・。それでは、また明日。」

と言って、去っていった。私も彼に、

「また、明日お会いしましょう。」

と言って、立ち去って家に帰ろうとした。あれ?確か何か忘れていたような・・・。

そう言えば、私、まだ、買い物の途中だったよね。昼をはさんですっかり忘れていた。荷物を一旦家に置きまた買い物に行くのだった。と言う事で、私は、一旦家に戻る事にした。

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