喜歌劇「詩人と農夫」序曲(スッペ)について


 こちらに書いたように、管弦楽から吹奏楽への編曲というのは、演奏団体の技量に合わせて様々なレベルで書かれるべきものだと思っています。私の編曲によるスッペ「詩人と農夫」および「軽騎兵」は、かなりの実力を持った大編成の吹奏楽団が演奏することを想定した、高難度のものです。詳細はこちらに書いた通りです。極めて大きな編成、様々な特殊な奏法も用い、各パートともにかなりの技量を要します。しかし、それに見合っただけの絶大な演奏効果を持ったものであると自負しています。

 では、具体的にどのような編曲になっているのか。まずは同一曲の同じ部分を抜粋した、この三種類の音源を聴き比べてみて下さい。

原曲であるオーケストラ演奏


吹奏楽編曲版


私の編曲による版


 オーケストラの演奏は、かなりの速いテンポです。これはちょっと速過ぎの例ではありますが、やろうと思えばこの位のテンポまで上げられるのですね。

 それに対し、2番目の音源の吹奏楽編曲版は、かなり遅めのテンポ設定です。もちろん解釈の違いもありますが、速くし過ぎると、タンギングに支障が出てしまうため、という理由もあるでしょう。また、弦のトレモロが全て削除されているため、原曲にあったスピード感や、音の震えが失われてしまっています。

 私の編曲版である3番目の音源では、クラリネットに様々なトレモロや替え指トリルを用いることにより、弦のトレモロで失われがちなスピード感を生み出しています。また、急速な同音反復を、細かく分けたクラリネットに分担させることで可能にしています。やろうと思えば、この音源よりも速いテンポでの演奏も可能なはずです。ちなみに、替え指トリルの運指の例は、パート譜に全て記載してあります。


 では、実際にどのような楽譜になっているのか。
 最も顕著な部分をPDFファイルとして掲載してみました。また、その箇所を含んだ音源も同時に載せておきます。

  スコア(PDF)

  


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