何年も昔にいなくなった親友がいる。
彼は、どこかの学校に転校していった。
思い出もたくさんあった。いろいろなところへ行った。
映画も見たし、海へも行った。
何度も彼の家に泊まりに行った。彼も何度か僕の家に来た。
そのたびに、とても楽しかった。
彼に、再び会える。
期待しながら、僕は駅のホームへと急いだ。
列車の中でも、考えていた。
どんな風になったんだろう、って。
転校した人の名前は、月日がたつうちに薄れていくもの。
でも彼の名前だけは、ずっと残っていた。
親友だったんだから。
僕が降りると、そこにはほとんど人がいなかった。
いたのは、三人の若者。
茶髪、金髪、赤髪。
「よお」
そう声をかけたのは、……誰だろう。
金髪の若者だった。
ピアスを何個もあけている。唇にも、耳にも。
……もう、彼はいなかったらしい。
今日会う約束を破ったわけじゃないけど、彼はもうここにはいないようだ。
その後、彼と世間話をした。
仲間の若者と四人で。
まったく、ついていけなかった。彼は仲間にも話を振るから、
まるで僕が除外されているような気分になった。
三人に、一人がくっついているような。
それから、逃げるようにして帰りの列車に乗り込んだ。
僕の願っていた彼は、予想していた彼は、もういないんだ。
親友だと思っていた彼は。
友情は、こんなにも儚いものなんだ。
友情は、簡単に生まれるというのに。
確かに外見だけで人は判断できない。でも、
外見は、中身までも染めていく。
確かに友情は儚い。でも、簡単に生まれる。
初めは何もなかったのに、いろいろとくっついていく。
そして、いつのまにか本体と一体化していく。
僕も、いずれはこうなる。
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