Dice

いつのまにか、お前はどこかに行っていた。
いつもいてくれると思っていたのに。
これは、運命なのか。

もしもお前がいなかったら、オレは間違いなく違う道を歩んでいた。
みんなと同じ道を。
お前がいたから新しい道も開けたし、自分の力を知ることができた。
お前のおかげで、オレはこうして暮らしていたんだ。

やっぱり、慣れるっていうことは怖いよな。
いつのまにか当たり前になっていて、いなくなったらとっても寂しくなる。
お前がどんな人間だったか、わかっていたつもりなんだけど。
今になって、お前のすごさが分かった。

オレは、……お前に何をしてやれた?
何もしてやれなかったと思う。
消えるまでに、何かお前に与えられるものがあったのか?
オレは、いつもお前の後についてきたんだ。
もう一人じゃ、怖くて先へ進めない。

確かに目標はあるけど、そこへ進みたいけど。
そこに進むことでお前が本当にいなくなってしまうのなら、いい。
そこまで、オレはお前のことを信頼していた。

オレの前にお前が現れた理由も、ほんの偶然。
それなら、お前が消えたのもほんの偶然なんじゃないのか?
ひょっとしたら、ずっと一緒にいられたんじゃないのか?
オレが、お前を消し去ってしまったのか?

なぁ……

オレは、本当にこれからやっていけるのか?
お前なしで。

怖いよ。本当に。

確かに、お前なしで進むことも、お前に助けられて進むことも、
同じ一歩だけど。

もう、転機のサイコロを振るのが、怖いんだ。

出る目はわからないから。
また、何か失ってしまうかもしれないから。

それでも、オレの前には人生のサイコロがある。

お前と出会ったときと同じように、サイコロがある。


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