Domestic freedom

何かに縛られていることに、気がつかないのかい?
この世界というしがらみが、生き方すらも固定しているんだ。

何もない時代はよかった。モノがない時代はよかった。
物を作るチャンスが無限にあった。スタートに違いなんて、どこにもなかった。
どんどん資本社会が、無限の可能性を食いつぶしていったんだ。
いつのまにかお金によってチャンスを買わなければいけないようになり、ひどいときには
チャンスを担保にして安定を手に入れなければいけないようになってしまった。

始まりの時代に生きられたのなら、身分制度が始まる前に
いい仕事をしていればよかった。そうすれば、
貴族となって物事を高みから傍観できたのに。
何もなかった時代に、いろいろなものが発明されて、
そのたびに発明者には金が入り、一般庶民はその品物を求めた。
発明されていくほどに、水準は高くなり。
それについていけないものも数多く出てきた。

原始時代がこのまま続いていたのなら、貧富の差なんてなかった。
差があるとすれば、それが本当の実力差。
未来に進んでいくにつれて、「新しい希望」なんていうものは少なくなってきた。
世界中の森林がなくなるよりも早く、世界中の発展への希望は尽きるだろう。
大方あった自然の希望は、先人たちがみんな摘み取ってしまった。
僕たちに残されているものは、金属と石が溢れる世界。
年寄りはそれよりも美しいものをたくさん知っていても、僕たちが触れるものは、ほとんどが
人工物。自然の息吹に傾ける耳も、退化していった。

こんな平和は、偽りの平和。誰かが損して得する平和、多数決の平和。
それだったら、その平和から離れてしまいたい。
何もない草原に寝転がって、いつまでも空を眺めていたい。
風を肌で感じ、自然の響きを聞き続けていたい。

でも、それすらもう許されない。大地には必ず帰属する国があって、
その国はどんどん大地を人工物で埋め尽くそうと必死になっている。
進んで、機械に大地を売り渡そうとしている。
どの国でもない地域には、平和すらないと誰もが言う。
しかし、本当の平和は国の支配がないところにのみ存在するはずだ。

誰が、「国」なんていうしがらみを作ったんだ?
誰が、「国境」なんていう壁を作ったんだ?

そして、誰が僕たちの夢を摘み取った?


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